サーヴィランス 監視者

2003

『サーヴィランス 監視者』は2002年にPS2用として、ソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されました。

制作はProduction I.Gが担当していますので、フルボイス・フルアニメーションの、いわゆるやるドラシリーズの流れを組む作品ですね。

<概要>

ゲームジャンルはインタラクティブムービーになります。

あらすじ・・・
導入されたばかりの新システム「サーヴィランスシステム」を操るチームリーダー榊とシャドーソード隊員たちは、迫り来る巨大テロ組織「ネオ・クライト」から民間人の命を守る。科学の進歩と人類の領域に揺れる時代に隊員たちが見たものは……?

<感想>

本作は、大枠のジャンルとしてはADVなのですが、フルボイスフルアニメーションということで、古い言い方ならインタラクティブムービー系の作品になります。
まぁ、「やるドラ」みたいな感じと言った方が早いのかもしれませんが、今回は通常のやるドラともシステムが異なります。

具体的にみていきますと、画面には大きなモニター1つと小さなサブモニター6つがあり、サブモニターには、監視カメラで撮影された映像が同時に流れます。
プレイヤーは、そのサブモニターを順次に切り替え、情報収集したり画像解析をすることでゲームを進行させます。

基本的には、次々にモニターを切り替える動作を楽しむゲームで、つまりはザッピングゲームというわけですね。
ザッピングゲームと言うと、これまたいろいろな意味合いで用いられるわけでして。
たとえば、物語を多角的に見るマルチサイト的使われ方の作品や、相互に影響を及ぼすマルチフラグと組み合わさった作品のように、ザッピングに何か別の要素が加わった作品が多く、実のところ、純粋にザッピング(切り替える)という面白さを追求したものは、意外にというかほとんどありません。

純粋にザッピングの面白さを追求したものとして真っ先に思い浮かべるのは、やっぱり『ナイトトラップ』になるでしょうね。
あれも小さなモニターを切り替えていくゲームでした。
ぶっちゃけ、本作のプレイ感覚は、『ナイトトラップ』のそれと一緒なのですよ。
『ナイトトラップ』は実写でしたので、本作は、『ナイトトラップ』をアニメーションで作ったゲームと考えるのが、一番しっくりきます。
したがって、おそらく多くの人には、あまり馴染みのないシステムかもしれませんが、斬新性自体はそれ程ないのです。
しかも、ゲームとしても『ナイトトラップ』の方が良く出来ていましたし、動きも本作よりありました。
後発でも完成度が高められていれば評価されるべきと思いますが、本作の場合、むしろ完成度も落ちているわけでして。
この点は少々残念でした。

他方で、そうなると通常はプレイする価値なしと判断してしまうのですが、本作はProduction I.Gが制作していて、アニメーションの質が半端なく良いのです。
これを見てるだけでも満足出来るくらいでした。

それと、結局、どこに比重を置くかということにもなるのですが、『ナイトトラップ』はシステムを活かすことの比重が置かれていました。
本作はストーリー部分も頑張ろうとした作品でもあり、それ故にシステムの完成度は高められなかったわけですが、その分ストーリー部分はこちらの方が楽しめる作りになっています。
つまり、『ナイトトラップ』よりゲーム部分では劣るなとは思いつつも、作品自体のベクトルが異なりますので、結構楽しめちゃうのですよ。
1つのシステムにも幾つかアプローチがあっても当然良いわけで、これはこれで十分にありなのだと思います。

<評価>

私はメガCDで『ナイトトラップ』を買って、3DOで完全版まで買ったような人間なので、この手の作品に経験があったわけですが、一般的にはあまり馴染みのないタイプのADVだと思います。
また、『ナイトトラップ』はかなり古い上に、マイナー機種からの発売ですからね、今からプレイするのは結構難しいでしょう。
そうなると、多くの人が本作を新鮮に感じることができるでしょうし、このシステムが復活したこと自体は喜ばしいことです。
したがって、評価としては少し下げざるを得ないとしても、それでも十分に良作と言って良いように思います。
何より、純粋なザッピングを経験できる貴重なゲームですので、未経験の人にはぜひ触れてもらいたい作品でもありますね。

ランク:B-(良作)


サーヴィランス 監視者

Last Updated on 2024-05-12 by katan

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