『コレクター ~制服の目覚めるとき~』は、1997年にWIN用としてMelodyから発売されたADVです。
当時言われていたのは、和姦のバイブルにして輪姦のバイブルでしたか。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
大まかなあらすじとしては、主人公が友人に誘われて、秘密サークルのメンバーになります。
そのサークルの活動内容は、校内の女性を拉致して、襲ってしまうというものでした。
詳細は後述しますが、この陵辱ゲーとしての側面と、同時にピュアな恋愛・純愛を扱った作品でもありました。
<感想>
『コレクター』には恋愛ADVとしての表ルートと、陵辱ADVとしての裏ルートという計2パターンが、各ヒロインごとに用意されていました。
つまり、基本的には学園恋愛ADVなのです。
学校で多くの美少女らと会話して、仲良くなって、フラグが立つと恋愛に発展する。
もちろん、そのまま純愛を楽しむこともできます。
しかし逆に、そのヒロインを陵辱することも可能なわけで、そうなると一気に裏モードへと突入です。
恋愛・純愛ルートと陵辱ルート、どちらのルートも単体として楽しめます。
またその2つルートを比べることで、両方のギャップを楽しむことも出来ました。
恋愛ルートでは、気持ちの変化や中学生ならではの青臭さが、少しずつ丁寧に描かれていました。
ここで補足しておきますと、作中で名言はされていなかったはずですが、作中における様々な状況から総合すると、どうも主人公は中学生みたいなんですね。
だから当然ヒロインらも中学生ですし、恋愛ルートも青臭いような純愛となるのです。
この青臭さが、和姦のバイブルと呼ばれた所以なのでしょう。
まぁ、設定的に今では、発売自体が無理かもしれませんね。
かようにヒロインとのイチャイチャを楽しむことも可能ですが、飽きたら、気が向いたら、魔が差したら・・・
理由は何であれ陵辱ルートを一度選択してしまうと、恐ろしいことにエンドレスですw
飽きるまで、毎日毎日凌辱三昧です。
少しずつ恋愛を育んできたのに、突然陵辱ルートに進んだときの落差は、何とも言えないものでしたよ。
ちなみに、陵辱ルートは友人と実行しますので、基本はどれも輪姦です。
当時輪姦に特化した作品は少なかったでしょうから、輪姦好きにはたまらない作品であり、輪姦のバイブルと呼ばれたのは、そうした理由もあるのでしょう。
2002年以降、業界が属性特化の方向に進みました。
これはフェチ的な要素に拘るという側面も少しはありましたが、どちらかと言うと当時はまだ異分子排除の要素の方が強かったです。
その結果、ジャンルの住み分けという状態へとつながりました。
そのために、こうした作品は最近ではあまり人気がないみたいです。
でもね、こんな楽しみかたって、漫画や小説等の他の媒体では無理であり、数少ないアダルトゲームだけの特権なのですよ。
最近の名作は簡単にアニメにでも小説にでも移植できちゃうし、それらで魅力も伝わっちゃいます。
そして動きがある分、アニメの方が面白かったりするケースすらあります。
でも本作の魅力は、アニメや小説では絶対に表現できません。
ゲームでしか味わえない楽しみ方ってだけで、私は高く評価したいですね。
<ゲームデザイン>
上記のように、基本はノベルゲーになります。
ただ共通ルートがあって、「その後に」個別ルートへというのではなく、エンディングを見るまでは共通ルートが続きます。
その中で、ヒロインごとにフラグが蓄積されルートが進行するわけです。
そのため、あるヒロインには陵辱ルートが進行しつつも、あるヒロインとは純愛をはぐくむなんて展開もありました。
イメージ的には同級生系の作品を、ノベルゲーでやったみたいな感じですね。
そしてこれまた当時のADVの、特に同級生系の傾向の一つでもあったのですが、攻略対象のキャラが一杯いました。
本作でも、個別エンドのあるキャラが10人用意されていました。
単に攻略できるって意味では、更に2人いましたからね。
1ダースのヒロインはボリューム満点でした。
ゲームならではの魅力を、大盛りで楽しませてくれる。
美少女アニメと美少女ゲームの在り方の違いを再認識させてくれる、そんな作品でしたね。
<グラフィック>
本作の原画は、ちょっと少女漫画っぽさもあると言えるのかな。
ちょっと萌え路線とは異なるけれど、可愛いキャラでしたね。
そしてキャラが可愛いだけでなく、CGも綺麗でした。
97年も途中までは、PC98用のゲームが結構出てた年ですからね。
それだけに、本作の綺麗さも際立ってました。
しかも、塗り自体も結構特徴的でした。
今風の萌え絵でもなければ、アニメ塗りでもありません。
そういう意味では、若干人を選ぶのかもしれません。
しかし、明らかに他とは違った原画・塗りは、私にはむしろ強烈な個性として褒めるべきと感じます。
いつまでも私が鮮明に覚えているのは、この絵抜きには語れないでしょうから。
今見ても変わった絵柄だなというのは分ってもらえると思いますが、
PC98からWIN95への移行期に本作が出てきたわけですから、そのインパクトは更に大きなものへとなりました。
WIN95になったら、一体どういう風にゲームが変わるんだろって、期待と不安が入り混じっていた時期ですからね。
そんな時に、これが出てくるわけですから。
当時の衝撃が少しでも伝われば嬉しいのですけれど・・・
ここまで、あまりマイナス要因は挙げませんでしたが、実はこのゲーム、1ルートがとにかく長いのです。
上記のように陵辱ルートはエンドレスですが、恋愛ルートでエンディングを迎えるにも時間がかかるのです。
加えてヒロインが10人いますので、10人*2ルート=20のENDなわけです。
フルコンプは事実上不可能なのでは?って感じでした。
もう、お腹一杯どころか目眩がしそうなほどです。
ボリューム=プレイ時間と考えるならば、これは長所であり、きっと文句なしでしょう。
でもね、このゲームの唯一にして最大の短所でもあるのですが、結構単調だったりします。
純愛ルートのラストはほとんど同じだし・・・
途中で飽きちゃうのです。
だからせっかくのボリュームがマイナスにもなりかねないわけですね。
最後は飽きるし、途中もあまりの長さにだれる。
プレイした人は皆、そう感じるのではないでしょうか。
そう感じちゃうと、通常は凡作だって思いますよね?
だけど、このゲームはスルメのような妙な味わいがありまして、いつまでも印象深く覚えてたりするんですよ。
野球で例えると、良いストレートと良いフォークがあることで、それぞれが相乗効果で更に強力な武器になります。
本作でも、こっちが恥ずかしくなるくらいの純愛があるからこそ、陵辱にいたった場合の衝撃が大きくなるのです。
逆もまた然りですね。
その表と裏のギャップや落差の激しさが本作の一番の魅力であり、他にもエンドレスな凌辱といった独特の魅力があるので、それで妙に惹きつけられるってのもあるでしょう。
でも他にも、もしかしたら何かあるのかな?
これはもう、ホントやった人にしかわからない気もします。
明確な欠点もあるのに、ここまで人をひきつけるゲームも珍しいのでは?
なんかもう、ズルズルとはまっていきますしね。
結構根強いファンも残ってるんじゃないかな。
<評価>
明確な欠点もありますが、それ以上に強烈な魅力があることから、総合でも名作といえるでしょう。
単純な主観的な好みで言えば、かなり好きな作品でした。
WIN95時代に入り、しばらく試行錯誤の時代が続きました。
それはゲーム形式からグラフィックの描き方から、様々な点に当てはまります。
そして当然ながら成功もあれば失敗もあります。
このゲームを見ていると、良い事も悪い事も全部含めて、そんな試行錯誤の時代を思い出すような気がしてくるのです。
PC98時代から引き継いだ点も、現在へもつながる点も両方含んでいますからね。
未成熟だけれど様々な可能性を秘めた本作。
古き良き作品を体感してみたい人にはぜひプレイしてもらって、本作が当時「和姦と輪姦のバイブル」と呼ばれた所以を、直に感じてもらいたいものですね。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2024-12-07 by katan
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