『Coda ~棘~』は2001年にWIN用として、OVERから発売されました。
ロッククライマーの『Blow』にTESRAの『PORTRAIT』と、1作ごとにブランドが代わっていたぶるべら&ココノツコンビの3作目になります。
<感想>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
後味の悪さと鬱で定評があった、ぶるべら&ココノツのコンビ。
この作品が3作目であると同時に、この2人の作品としては最後になってしまいましたね。
ロッククライマーの『Blow』にTESRAの『PORTRAIT』と、1作ごとにブランドが代わっていたぶるべら&ココノツコンビの3作目は、またしても新ブランドからの発売でした。
まぁ、『Blow』の時から追いかけてきたわけですからね。
私は特に問題ないのですが、知らない人はちょっと混乱したかもしれませんね。
このコンビの作品の特徴は、『Blow』から続く心理的な痛さにあったと思います。
肉体的な痛みを伴う鬼畜系の作品はよくあるのですが、精神的にダメージのくる作品は、当時はあまりなかったりします。
それで私は気に入っていたわけですね。
本作も主人公の彼女が序盤で交通事故にあい、死んでしまいます。
あらすじからすると、これまで同様に痛い作品なのかなと思いましたが、ちょっと違っていました。
陵辱は出てくるので、広い意味ではこの作品も陵辱系になるのでしょう。
後味も悪いと言えば悪いのですが、これまでと違ってあまり精神的に痛くないのですよ。
物語としては起承転結もしっかりしていますし、陵辱もシリアスも楽しい要素もそつなく出来ています。
纏まっているという意味では、前2作より纏まっているのかもしれません。
だから普通には楽しめるんですけどね。
しかし、一番の魅力だった精神的痛さがなくなったことで、ここが持っていた最大の特徴がなくなってしまいました。
結果的に何がしたいのかがぼやけてしまった、きちんとまとまってはいるものの、こぢんまりとした作品になってしまいました。
欠点はあっても尖った魅力があったからこそ応援していただけに、これはちょっと残念でしたね。
それと『PORTRAIT』では恋愛モノとしても単独で良い出来で、かつ陵辱ルートも単独で良い出来だったので、どっちかがどっちかのオマケみたいな最近のゲームと異なり、両方とも良かったのです。
そして、だからこそ、その両者のギャップの激しさが良かったわけで、根強いファンも生み出したのです。
この両方あってギャップを楽しむ要素は今回もあるのですが、個々のシナリオが弱くなったことで、ギャップを楽しむ点も弱くなったように感じました。
あまりきつくないという意味では、ココノツ作品の入門作には良いのかもしれませんが、『Blow』や『PORTRAIT』を知っている人、そしてその路線を求めた人には物足りなかったシナリオでしたね。
その反面、前作で崩れたキャラのデッサンは改善されてきました。
ムチムチした絵柄はとてもエロく、陵辱ゲームとしては良く出来ていたかと思います。
これまでは痛いだけでエロさを感じる余裕はなかったというのもありますが、前2作になかった音声が付いたことも相まって、エロさは確実に進歩したと言えるでしょう。
<評価>
総じて、無難に纏めたストーリーもエロも楽しめる、陵辱系の作品だと言えるのではないでしょうか。
ただ、過去作を知っているとどうしても物足りなく感じることから、総合でも佳作とします。
何も知らなければ結構楽しめるし、並の陵辱系よりはよっぽど面白いけれど、これまでの作品を知ってると物足りなく感じてしまうタイプの作品だと思いますね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2025-03-24 by katan
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