『恥辱アイドル咲希はるか』は2015年にWIN用として、4Hから発売されました。
4H最大規模の、集大成とも呼べる作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
’恥辱の三週間’の咲希はるか、アイドル復帰編!
全裸登校週間という奇妙な行事がある超名門校、日本第一学園に通う、超人気アイドルグループTearsのリーダー、咲希はるか。
彼女はアイドルとしての仕事に支障が出るということで、事務所を通じで正式に全裸登校週間への参加を拒んでいた。
損害賠償請求も辞さないという事務所の強硬な態度に学校側が折れ、史上初の特例として、彼女は全裸登校週間の免除を勝ち取る。
数年後…医者になるという夢のため、突如芸能界を引退したはるか。
彼女は猛勉強の末、ついに医学部推薦を勝ち取った。
これであとは進学を待つのみ…輝かしい未来に胸を躍らすはるかだったが、そんな彼女に告げられたのは、
「アイドルを引退したはるかが本校を卒業するためには、三年分の全裸登校をしなければならない」という衝撃の事実だった!
茫然としたまま家に帰ったはるかに、更なる不幸が襲いかかる。
何と、元所属事務所から引退に伴う違約金を請求されてしまったのだった!その額なんと4億円!
せっかく医学部推薦を勝ち取ったのに、全裸登校への参加の強制、そして多額の借金という、あまりにも大きな2つの問題がのしかかる。
はるかは散々思い悩んだ末、背負わされた多額の借金を返済するため、そして、学校側に再び全裸登校の免除を認めさせるため、引退を撤回し、再び芸能界復帰を決意することに。
しかし芸能界に大きな迷惑をかけたはるかは、元所属事務所の圧力もあり、芸能界を干されそうになっていた。
新興事務所で新人アイドルとしてまた一から出直すことになったはるかに回ってくるのは、過激なお色気番組やしょうもないバラエティばかり!
果たしてはるかはこの苦境を乗り越え、借金を無事返すことができるのか。
そして新たな夢に手を伸ばすことはできるのか!
<感想>
本作は以前発売された『全裸登校週間 ~恥辱の三週間~』の、アナザーストーリーになります。
『全裸登校週間 ~恥辱の三週間~』の冒頭部分で分岐したという構成のため、前作をプレイしていなくても全く問題はありません。
本作に関しては、最初に集大成って言葉を用いたのだけれど、内容的な観点から言うならば、個人的にはそうは思っていません。
本作の規模と、そこから推測される作者の意気込みから、サークル4Hにとっては一つの集大成なのだろうなということですね。
実際、基本CG31枚は価格平均を大きく上回りますし、シナリオ量も恥辱の三週間の2.5倍以上の最大規模になっています。
これまでの作品も価格からすれば平均的なボリュームでしたが、今回は大幅にボリュームが増したことから、コスパ的な観点からの満足度も飛躍的に上昇しています。
細かいシチュなんかはリンク先の作品説明に詳しくあるので、そちらを読んでもらった方が早いように思います。
少し補足するならば、本作はアイドルが主人公であることから、アイドルや芸能関係の業界に即したシチュが大半になっています。
それが良いと感じるか否かは個々人の好みにもよるのでしょうが、露出羞恥ものでも少ないタイプの作品であることは間違いなく、本作の一つの特徴と言えるのでしょう。
個人的にはアイドルネタって結構好きなので、この手のシチュが大量に盛り込まれた本作は楽しかったですね。
それと、ここは人により印象が変わるだろうなと思うのですが、本作ではHシーンでの本番率が結構高いです。
露出羞恥のジャンルというのは、実は他の性的属性とは少し傾向が異なりまして。
その最たるものが、露出羞恥に特化した作品ほど、本番の回数が少なかったりします。
中には露出羞恥に特化したことの裏返しとして、本番シーンはありませんと、あえて銘打った作品もあるくらいですしね。
サークル4H自身も、これまでに多くの露出羞恥作品を発売していますが、その中に本番行為はありませんと書かれた作品がありますし。
露出羞恥のシチュを表現するには本番が不要なことも多いですし、むしろ本番行為が目立ってしまうと露出羞恥が霞んでしまうこともあります。
だからこのジャンルに関しては、本番行為の数は問題にならないのです。
ところが、そのような露出羞恥特化の作品を、あまり露出羞恥属性を有さない人がプレイした場合、エロ薄ゲーと駄目出しされることがあり、何度もその場面を目にしてきました。
エロ薄ゲー、全然使えんとかってボロ糞に評されている作品があって、あまり期待せずにプレイしたら、確かに本番行為の数こそ少ないものの、露出羞恥シチュの宝庫で大満足ってケースもありましたからね。
その点、本作は本番シーンが多めなので、ある意味普通の陵辱ゲーっぽいのです。
だから陵辱ゲーが好きで、露出羞恥モノも一応楽しめるって人だと、本作はかなり満足できる可能性が高いです。
しかし本番・凌辱要素が多いことから露出羞恥が弱まった感もあり、露出羞恥特化ゲーとしてその部分だけに注目した場合や、非常にコアな露出羞恥好きがプレイした場合には、サークルの過去の代表作よりも薄く感じる可能性も高いと思います。
一般にエロが濃くて良いと言われる作品と露出羞恥的に優れた作品は、ある意味相反する存在でもありますからね。
どちらを求めてプレイするかで、どうしても印象が変わるのでしょう。
過去に本番なし作品を作った4Hが本番を多数入れてきたのですから、今作はコア層ではなくライト層を狙ったと言えるでしょうし。
個人的にも、エロは十分満足できて良かったと思いつつも、露出羞恥的に新しい発見があったというわけではなく、料理で言うなら美味しい一品料理ではなく、バイキングでたらふく食べたような感じでした。
ゲームジャンルに関しては概要のところでノベルと書きましたが、本作は借金返済が目的であることから、借金返済のSLG風になっています。
具体的には、仕事ごとに報酬が異なっていて、仕事をこなすことで借金が返済されていくことになります。
SLGと言うほどの本格的な作りではなく簡易的なものなので、分岐や進行の目安程度の役割と考えた方が良いでしょう。
したがって、ゲームとして面白いというわけではないものの、ストーリーの内容とマッチしていることから、このようなゲームデザインは正解だと思うし、適度なゲーム性が良いアクセントになって、作品を面白くすることに貢献していると思います。
<評価>
エロいし、ボリュームも増えたし、好きな属性だし、主観的には満足ですね。
集大成と呼べるだけの内容を有した満足度の高い作品と言えるでしょう。
だから減点法で考えるなら、かなり高得点にもなるのでしょうが、ふと冷静になってから思ったんですよね。
本作だけと呼べるような、新しい何かを得られたかという観点からは、少しもの足りなかったのかなって。
上記のように本作はあえてライト層を狙ったような作品でもあり、それ故に肝心の露出羞恥部分が薄まったと思われかねない作品ですからね。
そのため、露出羞恥モノの最高傑作と呼ぶのも、何か違うと思えますし。
その点が気になって、総合では名作に近い良作としておきます。
過去作にある尖ったマニア向け路線で本作の規模なら、文句なしに名作扱いしたでしょうから、それは今後に期待ですね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-09-21 by katan
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