『大図書館の羊飼い a good librarian like a good shepherd』は、2013年にWIN用として、AUGUSTから発売されました。
いつもの8月ってところでしょうか。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・「汐美学園を、もっともっと楽しくしませんか?」
何か悪いものでも食べたのか、彼女――白崎つぐみは言った。
前振りがあったわけでもない。それ以前に、彼女と知り合いだったわけでもない。 唐突に、白崎は言ったのだ。
「そういう話なら、生徒会に掛け合った方がいいと思うけど」
と、喉まで出かかった言葉を腹の底まで押し戻したのは、俺――筧京太郎の悪癖だった。
情に棹させば流される、とは有名な小説の一節だが、しばらく後の俺の心境はまさにそれだ。
川の果てまで流れ流され、河口付近を漂っていた俺の周囲には、同じように流された奴らが集っていた。
<感想>
オーガストがまた王道路線の学園恋愛ものに戻ったということで、過去のオーガスト作品が好きだった人には嬉しい回帰と言える反面、ブランド前作が好きだった人には不満が溜まりやすい作品だったのかなと。
私は前作は合わず、それこそ無茶しやがって・・・って印象しかなかったので、オーガストには素直に萌えゲーを作ってもらった方が嬉しいように思います。
まぁ内容は良くも悪くも昔のままという面もあるので、特別に面白いってものでもないのですが、安定して楽しめるってところでしょうか。
もちろん本作ならではの傾向というのもあるわけで、まずはエフェクト面の進化が挙げられるでしょう。
元々オーガスト作品を好きな人なんてのは、まず間違いなくべっかんこうさんの絵が好きだと思いますが、そこにエフェクトの良さも加わると、更に楽しくなってきます。
ただ、個人的には進化よりも、停滞感の方が強く感じられてしまったわけでして。
確かに過去作よりも技術的に進化はしているのだけれど、学園王道ものは毎年多数発売されていますし、エフェクトについては周りの進化の方が著しく、相対的にあまり目立たなくなってしまったなと。
私の評価基準はブランド過去作との比較もありますが、それ以上に大きいのが同時期の周りの作品との比較になります。
例えば特定のジャンルで、その年の他作品より抜き出ていれば、それだけ高得点になるわけです。
かつてのオーガストはグラフィックで圧倒的に輝いていたけれど、果たして今はどうなのか。
グラフィックに優れた学園王道ものを求めるのなら、もう別に8月作品にこだわる必要はないとの印象の方が強くなってしまい、普通に楽しめたという気持ちとは反対に、ブランドの次作への期待がなくなった作品でもありました。
<評価>
総合でも良くも悪くも普通に楽しんだ作品ということで、佳作としておきます。
ランク:C-(佳作)
Last Updated on 2024-11-08 by katan