『CAL3 ~完結編~』は、1993年にPC98用として、バーディソフトから発売されました。
アダルトゲーム最高傑作と評する人もいる『CAL2』の続編であり、完結編なのですが、紆余曲折あってファンから黒歴史扱いされた作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。
あらすじ・・・
高校を卒業してから数年後の話。
ワタルと美加ちゃんは大学生になっていた。
そんなときチェスが突然現われ、ヴィーナスが病気で倒れたから助けてくれと・・・・・・。
時期を同じくし、美加ちゃんが交通事故。
おかしい?とりあえずオリンポスへ向かう。
薬の調合ができるアテナは、条件としてパリスの生まれ変わりであるワタルに審判のやり直しを求める。
<感想>
当時最高のグラフィックで高い評価を得ていたバーディソフト。
その中でも『CAL2』(1991年)については、アダルトゲームの中でも最高傑作と評する人も少なからずいました。
その続編であり完結編となると、期待する人も多かったでしょうし、その期待値も高くなるというものでしょう。
しかし、本作は、長く待たされただけでなく、前作の主要な開発メンバーが独立したことから、異なる制作陣によって制作されました。
私はバーディソフトの大ファンではなかったので、それほど大きな衝撃ではなかったのですが、大ファンにとってはショックだったでしょうね。
なお、私の場合は、似たような経験を数年後にすることになります。
具体的には、『EVE バーストエラー』と、その後の『EVE ロストワン』ですね。
『CAL』及び『CAL2』の魅力はいろいろありますが、その中でも一番の魅力となると、何といってもグラフィックと言えるでしょう。
しかし、本作では、その生命線である原画がかわってしまったわけですから、それだけで別物だと思う方がいても不思議ではありません。
また、塗りとか演出とかも、本作は本作で良く出来ているのですが、過去作のような業界随一というほどではなくなりました。
数あるCGが綺麗なブランドの中の一つになってしまったんですね。
そうなると、本作の魅力が激減してしまいます。
ストーリーについては、一応完結編としてまとめてはいるのですが、前作から本作が発売されるまでの間に、ストーリーの良い作品がたくさん発売され、業界全体の水準がとても上がりましたからね。
そうなると、どうしても物足りなく感じてしまいます。
まぁ、原画がかわろうとストーリーが物足りなかろうと、エロエロになったというのであれば、
これはこれで一定の支持は得られていたかもしれません。
しかし、エロも薄かったんですよね。
確か、18禁ではなかったと思います。
このシリーズはPCEにも移植されたりしていたので、それを念頭に置いた作りになっていたのでしょう。
セールス的な目論見は分からなくはないのですが、CS移植ありきのエロ薄仕様では、エロゲユーザーはついていかないですし、前作ファンには、火に油を注ぐ結果としかならないのでしょう。
<評価>
前作が偉大であればあるほど、次の作品はハードルが高くなり、厳しく評価されがちです。
本作についても、前作をプレイして過度に期待しなければ、実は、それなりに楽しめる作品ではあるんですよね。
そのため、総合では凡作としておきます。
ただ、前作が大好きな人は本作をプレイする必要はないでしょうし、前作の大ファンが本作を黒歴史扱いしたくなる気持ちも十分理解できるわけで、駄作扱いされても仕方ないのかもしれません。
ここまで文章を書いておきながら思ったのですが、このままなかったものとしてそっとしてあげるのが、皆にとって一番良いのかもしれませんね。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-09-23 by katan
コメント
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「Moepedia(モエペディア)美少女ゲームカレンダー」という、ソフ倫運営の新サイトがオープンしましたが、これによれば全年齢となっていますね。
このサイト、プレスリリースによるとソフ倫設立以降の商業作品は全て掲載されているらしく、発売日や年齢区分の情報と一応パッケージ画像も載っていて、検索機能もあるので批評空間を補間するデータベースとして役立つかもしれません。
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> SunBinさん
そんなサイトができたのですね。
> ソフ倫設立以降の商業作品は全て掲載
とありますが、ちょっと調べた作品が載っていなかったりするので、
これから充実させていくんですかね。
あと、『CAL3』はR指定だったと思います。
女性の裸とかも出てきますしね。
全年齢というのは間違いじゃないかなと。
その辺も、これから充実させていくんですかね。
まぁ、批評空間は、2000年以前の作品については、データベースとしても誤りが多くて信用できないので、かわりとなるデータベースが生まれるのであれば、それは喜ばしいことなのでしょう。
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94年6月の倫理規程改正からR指定導入、という内容の記述がゲーム年表というコンテンツにあるので、それ以前は倫理規程が緩かったということではないでしょうか。
抜けについては、自分で調べた範囲だとビデ倫審査作品は載っていませんでした。現行審査団体とメディ倫は全部ということなんでしょうかね。
一方で、水木しげるの妖怪図鑑とか、明らかに美少女ゲームではないソフトが掲載されていてシュールです。
サイトの出来は不完全ではありますが、業界が縮小する中でデータベース的機能を持つサイトは減る傾向だったので、試み自体は嬉しいですね。
パッケージ裏の画像が見れたコムショップが無くなった時とか、かなり悲しみましたよ。
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すみません、ソフ倫審査作品の抜けも確認しました。これではデータベースとしての信頼性が下がってしまいますね。
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>SunBinさん
できたばかりでしょうから、これからということでしょうね。
個人的には、実写系作品のデータベースを充実させてほしいものです。