カデンツァ 音楽と裏切りと死

2014

『カデンツァ : 音楽と裏切りと死』は2014年にWIN用として、Mad Head Gamesから発売されました。

ネバーテイルズの次の作品として期待されましたが、見事に応えてくれた作品でした。

<概要>

オリジナルは同年に発売された『Cadenza: Music, Betrayal and Death』で、本作は、その日本語移植版になります。

あらすじ・・・聴け…裏切りのメロディを!
久しぶりに故郷のニューオーリンズに戻って来たあなた。
町はマルディグラの祭りでにぎわっている。
その昔人気を博したジャズバンド「ザ・ディクシー・ペッパーズ」のサックス奏者だった父が経営する
ジャズクラブに足を運んだあなたを待ち受けていたのは催眠にかけられぴくりとも動かない父と観客だった!
父のそばには父がバンドに入る前にサックス奏者をつとめていた男が死からよみがえり、元メンバーに復讐をしているという内容の手紙が…!
高い才能を持っていたサックス奏者はなぜ突然死んでしまったのか?
いったい過去にバンド内で何が起こったのか?
魅惑的なニューオーリンズの町を探索しながら過去の秘密を紐解こう!

<感想>

国内ではビッグフィッシュから発売されている、いわゆるカジュアルゲームに属する作品になります。
ビッグフィッシュでの区分は「アイテム探し」(HOG)とADVの、両方にまたがる作品になるのでしょう。
HOGは最初は純粋なアイテム探しが中心だったものの、次第にADV化が進行していきました。
ADV要素のあるHOGの時代を経て、今では逆にHOG要素を含むADVという作品の方が多くなりました。

本作はMad Head Gamesの4作目であり、Mad Head Gamesはデビュー当初からADV色の強い作品を制作していました。
だから最初はHOG要素を含むADVという印象が強く、演出面の進化した2作目で更にその印象が強くなったものです。
しかし、3作目である『ネバーテイルズ』により、HOGとしての新しい側面を切り開いていったわけでして。
そのため、単純にADVとするよりも、ADV+HOGと並べて書いた方が適切なように思います。

さて、2作目がグラフィック・演出で、3作目がゲーム性を強化してきたので、今作はどこかなと期待していたところ、あらすじを見て序盤をプレイした時には、今回はサウンドなのかなと思ったものでした。
まぁストーリーがストーリーなので、音楽がずっと関連してくるのは確かなのですが、全体としては何かが大幅に強化されたというよりも、完成度を高めてきたってところでしょうか。
あるいは『ネバーテイルズ』で培われた技術と経験を用いて、異なる方向性の作品に挑んだと。
特に塗りに関しては従来の青系から赤系へと雰囲気が変わり、これだけでも新鮮な気持ちでプレイができるというものです。

私は『ネバーテイルズ』に非常に高い点数を付けましたが、『ネバーテイルズ』の段階で全ての面で優れていましたからね。
その力で新作を作っただけで面白くなるのは目に見えており、実際に本作も全ての面で優れた作品でした。
だから減点法であるとか完成度で判断するならば、本作も非常に高い点数になるのでしょう。

私も非常に満足したものの、これまでと違ってあまり書くことがないことからも分るように、本作により何かが大きく変わったかという側面では、やや弱かったなと。
そのため、世間での高い評判は十分に理解できるものの、私の評価の方針とは少しずれてしまった感じでもありました。

<評価>

本作は海外でも大絶賛されていますし、世界中で高い評価を得た作品です。
ADV+HOGないしHOG系ADVの中では、間違いなく2014年を代表する作品でしょう。
もし何かオススメを聞かれたならば、今なら本作を推すでしょうし。
個人的にも十分楽しめましたからね、少なくとも良作以上とは言えるのでしょう。
完成度を重視するならば、『ネバーテイルズ』と同等くらいに考える人もいるかもしれません。

ただ、初めて『ネバーテイルズ』をプレイした時ほどの衝撃は本作になく、それとせっかくの独特な世界観なのに、結局犯人探しに終始してしまい、そこが残念にも感じたことから、個人的な評価は少し辛めになった感じですね。

ランク:B(良作)

Last Updated on 2024-10-20 by katan

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