『真夏の大空の下で』は2015年にWIN用として、ミルクプロテインから発売されました。
昔が懐かしくなってしまう、そんなノスタルジックな作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
選択肢のない、完全に一本道の作品ですね。
あらすじ・・・昭和58年夏
屋上遊園
そこは僕たちの憧れの場所だった。古びたゲーム機に少し錆びた乗り物たち。
その全てが僕たちの心を掴んだ。真夏の大空の下で僕は一人の少女と出会う。
商品紹介・・・
古き良き昭和の屋上遊園地。
乗り物やゲーム機の待機音に、子供達の笑い声。
あの光景は今でも忘れる事が出来ません。
そんな屋上遊園も、今やほとんど残っておりません
閉鎖された全ての屋上遊園に『ありがとう』の気持ちを込めたい。
その思いから制作を開始しました。
当時、屋上遊園で遊んでいた方も、そうでない方も、ノスタルジックな世界観をお楽しみ頂けましたら幸いです。
<感想>
本作の公式ジャンルは、レトロ懐古ノスタルジックアドベンチャー。
ゲームとかアニメとかだと、懐古という言葉は、昔の作品を褒め今の作品を貶すような場合に使われることが多く、あまり良い印象を持たれないのでしょう。
本作における「懐古」は、決してそういう意味ではなく、純粋に昔を懐かしむという意味であり、昭和58年の光景を描いた本作は、まさにジャンルそのものが「懐古」と呼べる作品なのだと思います。
さて、上記のとおり、本作には選択肢はなく、ゲーム性は皆無です。
ストーリーも、男の子が屋上遊園地で女の子に出合い、その女の子と屋上遊園地で遊ぶというだけのものです。
まぁエロゲなので最終的にはHに発展するのですが、作中の大半は屋上遊園地の遊具で遊ぶシーンが描かれています。
そういう作品ですので、当時を全く知らない人、昭和時代に全く興味がない人がプレイしても、全然面白くない作品だと言えます。
昭和時代への興味云々は人それぞれなので何とも言えませんが、昔は一杯あった屋上遊園地も、今はほとんど見かけなくなりましたからね。
屋上遊園地と言われても何を言っているのか分からないという、そんなエロゲユーザーも出てきているでしょう。
そのため、どうしても人を選ぶ作品であることは間違いないのですが、逆に当時を知っている人であるとか、直接は知らない場合でも、昭和時代に興味がある人ならば、おそらく楽しめるのではないでしょうか。
豆汽車に乗ったり、クレーンゲームをしたり、巨大な動物みたいな物の中に入ってピョンピョン飛び跳ねる・・・
あれはエアー遊具って言うんですかね。
そうした遊具で遊んでいるだけなのだけれど、遊んだ経験があればあるほど読んでいて懐かしく感じるのでしょう。
そうして、あぁ~懐かしいな、あんなのあったよなとか、あれも遊んだよなとか思いながら読み進めつつ、最後のオチでホロっと感動的な気分になって終わると。
<評価>
決してボリュームの多い作品ではありませんが、凄く読後感が良く、プレイして良かったと思える作品でした。
その唯一無二の特徴から、総合でも良作といえるでしょう。
最近は若い人がエロゲをプレイしないとか、エロゲユーザーの高齢化を指摘する意見もあり、その真偽は私には分らないのですが、少なくとも昭和時代の思い出があるユーザーも、少なからずいると思います。
どうせプレイヤーの年齢が上がってきているのであれば、本作のように割り切った作品がもっと増えてきても良いのかなと。
上記のように人を選ぶ作品ではあるし、小粒ゆえに凄いと思われる作品でもないのかもしれないけれど、一定のユーザーには小粒な良作として記憶に残り続ける、そんな作品なんだと思いますね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-09-28 by katan
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