『ソーサリージョーカーズ』は2015年WIN用として、3rdEyeから発売されました。
癖はあるけれど良質な異能バトルもの。
個人的には蒔田真記さんの絵が好きでした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
ある日突然【魔法】が生まれた。
魔法と呼ばれる現象は、限られた人間だけが知るものではなく、現政府から【魔法】と命名・アナウンスされ一般常識として認知された。
今では魔法を資源としてエネルギー利用される時代ともなり、様々な分野へ浸透していった。
【魔法】という【異能力】が僕らの常識となった。
この物語は、魔法の存在する世界で生きる人間たちの宿命の物語である。
境遇の異なる6人の運命の糸が、いま紡がれていく……
<感想>
いわゆる厨二ゲーについては、そんなの18歳以上対象のメディアでやるなよとか、少し否定的なところもあるけれど、だからと言って必ずしも内容全部を否定しているわけでもなく、その手のアニメなんかは今でも見ていますし、以前はそれなりにプレイしていたんですよね。
そういや最近なんでプレイ数減ったんだろうと振り返ってみると、上記の理由の他にも、発売される作品数が減っている上に、残ったブランドの作品の絵が好みでないとか複数あり、それで自然と離れていったようでして。
その点、本作は蒔田真記さんの絵が好みだったので、個人的には入って行きやすかったです。
さて、本作は、良い点も悪い点も賛否分かれそうな点も、いろいろあるわけでして。
まず悪い点から入って行くと、ストーリーがやや単調だったかなと。
最初は楽しめていましたが、展開の幅が少なく、次第に飽きていきました。
それから、厨二バトルでも方向性はいろいろありえるのでしょうが、最近は異能バトルものばかりが目立っていまして。
本作は魔法に焦点を当てていたことから、それなら溢れかえっている異能バトルものと異なり、違った楽しみ方ができるのかなと期待したんですよね。
しかし、いざプレイしてみると、結局は異能だったわけで、異能でない魔法のジャンルに期待した場合には、ガッカリしてしまいます。
また、これは個人的な好みもあるのでしょうが、ラスボスそいつかよみたいなところがあり、テンションが下がってしまいました。
ジャンルがジャンルだけに、最後で気持ちが十分に乗り切れないと、ちょっと残念に思ってしまいます。
こうしてみると、全体的にはストーリーへの不満が大きいでしょうか。
あとは、いつでもアニメ化CS化OKな、とって付けたようなエロはちょっと残念でしたかね。
いや、こういう作品にエロエロな展開を求めているわけではありませんが、上手くエロが融合していれば、エロゲで出す意義みたいなのは伝わってきますからね。
それがないと、アニメかギャルゲで出しとけよってなりかねませんから。
次に賛否分かれそうな点をみていきますと、本作は主人公が二人いる一本道のストーリーになります。
それ以外にも様々なキャラへ視点が変わったり、時間軸もバラバラだったりしますので、こういうコロコロ変わる作品は、どうしても好き嫌いが出るでしょうね。
また、本作はチャートのようなものが表示され、そこから次に見るシーンを選択します。
ゲームとしては一本道なので、多数の分岐への攻略補助という役割はありません。
上記のように時間や視点が変わりやすい作品なので、そこから生じる混乱を避けるためという役割なのでしょうね。
だから一定の意味はあるとは思うものの、必ずしも有用性が高いわけでもなく、普通にノベル方式でも構わなかったとも言えます。
有用性に疑問が残りつつ、シーン単位で話がぶつ切りにされるわけですから、合わない人も出てくると思います。
まぁ私はここは全く問題なかったし、マップ上からキャラを選ぶタイプのノベルゲーに慣れている人であれば、気にならないと思いますけどね。
純粋なノベルゲー形式しか馴染みのない人も増えていますし、こういう形式に違和感を覚える人もいるようなので、あぁ~今はそういう時代なんだなと思ったことがありまして。
だから自分は大丈夫だけれど、合わない人はいると思ったわけですね。
全体的に癖のある構造ですので、ある程度好き嫌いは分れてしまうと思います。
それから、異能バトルもののテキスト表現に関しては、個人的にはあまりこだわらない方だし、そんなの好みの問題だろって気もするのだけれど、本作は演出でカバーしている部分も大きいので、テキストを重視してこだわりのある人だと、ちょっと不満を持ちやすいのかなと。
あと、演出が大きな割合を占める作品だと思いますが、派手なドンパチがかえって鬱陶しかったり、それでいてあまり進化を感じられなかったりで、個人的には良いとは思えなかったですね。
他方で、良かった点としては、キャラの可愛さだけでなくイベントCGとかでも、シーンがきちんと表現されていることがあり、それが好印象でした。
セリフの表示方法とか、上記のチャートなんかにしてもそうですが、本作は見ているプレイヤーのことを意識して、きちんと視覚的に配慮してあるなというのが伝わってくるので、個人的にはその部分でのプラスは大きかったです。
<評価>
癖のある部分や粗のある部分の方が書きやすいので、何か否定的な所の方が多くなってしまいましたけどね。
実際、結構癖のある作品なので、どうしても好き嫌いは出てしまうのでしょう。
でも、それでも、何かいろいろ考えて作ったんだなというのは、全体から伝わってきますからね。
結構楽しかったです。
今作の出来そのものよりも次回に期待ができる作品という印象であり、もっともっと良くなれるブランドだと思うので、次に期待したいものですね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-09-28 by katan