ANGEL TYPE

2005

『ANGEL TYPE』は2005年にWIN用として、minoriから発売されました。

元々は、2001年に新ブランドのAerisから発売予定で、その後いろいろあってminoriからの発売となった作品です。

<ゲームデザイン>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

キャラとの会話時とかは普通のADVなのですが、地の文だけの場合は、画像は背景だけで、その上にテキストが表示される、いわゆるビジュアルノベルの形式になっております。
そのため、ADVとビジュアルノベルの混合と考えた方が、分かりやすいと思います。

<概要>

定時制の学校に通う藤代尚は、孤独を感じていたところ、3人の少女と出会う。
それは、彼の日常に変化をもたらした。

本作『ANGEL TYPE』は、主人公・藤代 尚と、彼が出逢う少女達の心のふれあいを通し、それぞれに感じていた「寂しさ」や「悲しみ」に向き合い、そこから“何か”を得るまでの過程を描いたインタラクティブ・ノベルです。

<感想>

本作については、発表された時から注目していました。
それは私だけではなく、世間の注目度も高かったように記憶しています。
新ブランドの作品であるにもかかわらず、なぜ注目されたのか。
その理由はやはり、グラフィックにあったのだと思います。
※実は、主題歌でも話題になったのですが、初見で注目した人は、やはりグラフィックだと思います。

上記のとおり、本作は一旦は発売が中止となり、その後、minoriから発売されることになりました。
実際に発売される頃には、私の熱も冷めてきており、あれぇ~やっぱり発売されたんだ~くらいの印象でしたが、発売された本作をプレイしてみても、イベントCGの出来は素晴らしかったと思います。
イベントCGの出来だけで作品を評価する人は少ないでしょうが、ここだけなら名作級の出来といえるでしょう。

CGの良さが本作の最大の魅力なのですが、実は、音楽も良くて、CGと非常にマッチしておりました。
絵と音が良いということで、世間での本作の紹介のされ方としては、雰囲気の良い作品というものが多いのではないでしょうか。
ここにストーリー等が同レベルで噛み合えば、間違いなく名作と言われていたのでしょうね。

本作は、上記のとおり、ADVとビジュアルノベルの混合になっています。
この形式自体は、私は条件付きで良いと思います。
条件というのは、テキストだけで勝負ができる、つまり優れたライターがいる場合になります。
本作は、地の文だけの、ビジュアルノベルパートが結構多いです。
これは純粋に読ませるだけの割合が多いということであり、言い換えるならば、ライターの力量がもろに問われるのです。
腕のあるライター、テキストだけで魅せられるライターならば、この形式は活きるのですが、そうでないと辛くなってしまいます。
本作のライターも悪くはないので、絵と組み合わさった部分では心地良く楽しめるのですが、地味な題材ということもあり、地の文だけだともの足りなく感じてしまいます。

それから、私は、内容が良ければボリュームは気にしません。
腹だけ膨れるバイキング料理よりも、他で味わえないような一品料理を望みますので。
しかし、少なくとも当時のエロゲユーザーの多くは、なぜかボリュームを求めたがっていたように思います。
制作側も、ボリュームを増やさなければということで、どんどんテキストの水増しがなされ、作品のボリュームだけは増えていったというのが、この時期の作品の傾向でもあります。
そのため、内容の出来とは関係なしに、ボリュームが多ければ大作ともてはやされ、ボリュームが少ないというだけで低く評価される時代でもありました。

そして本作は、このボリュームが非常に少ない作品でした。
同時期の平均の、半分くらいしかなかったのではないでしょうか。
本作のストーリーは、その題材的に盛り上がる性質のものではなく、淡々と落ち着いた雰囲気で進みます。
もっとも、音楽はマッチしていて、要所要所でのイベントCGも凄く良いことから、雰囲気に浸れれば結構楽しめるものであり、ツボにはまって大好きという人もいると思います。
ただ、如何せんボリュームが少ないので、世間的には叩かれやすかったのでしょうね。
特に本作の場合、長期間の延期の後のこのボリュームなわけですから、他作品よりも批判されやすいように思います。

<評価>

グラフィックだけなら名作クラスだったのですが、本作の構造はそのグラフィックを強調するものではなく、ビジュアルノベルというテキストを強調するものでした。
そのストーリーは、悪くはないものの、テキストだけで勝負するには辛く、その辺が評価の伸び悩みにつながりました。
したがって、総合では佳作としておきます。

本作の次の新作は、実は『ef – the first tale.』でして。
次作以降のminoriの演出を全面に押し出す方向性が、本作にもあれば、もっと良くなっていたように思います。

本作については、批判されやすい土壌がいろいろ揃っています。
そのため、不当に低く評価されやすいのかなとも思いますし、実際、ボリュームを求めるユーザーには合わないのでしょう。
他方で、作品はボリュームではないのだと、たとえ一瞬でも、心に残るものがあれば良いのだというユーザーならば、本作の持つ独特の雰囲気が心に沁み込むこともあるのではないでしょうか。
紆余曲折の果てに奇跡的に発売された本作。
そうした背景をも噛みしめながらプレイしてみるのも、エロゲらしい楽しみ方かも良いかしれませんね。

ランク:C(佳作)


DL版

Last Updated on 2026-02-14 by katan

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