『アマツツミ』は2016年にWIN用として、パープルソフトウェアから発売されました。
ほぼ全ての面で、バランス良く優れた作品でしね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
言葉によって人を操ることができる『言霊』一族の末裔である主人公・誠。
一族は山間の里に隠れ住んできたのだが、好奇心旺盛な彼は外の世界に憧れ里を飛び出すことになる。
ところが、里以外での知識がなく世事に疎い誠は、数日後には腹をすかせて行き倒れてしまう。
そんなところを近くの町に住む少女に助けられ――
<グラフィック>
グラフィックは毎度のことながら、パープルソフトウェアの長所といえるのでしょう。
背景が綺麗なだけでなく、水面が動くなど細かい部分も良くできています。
また、セリフは画面下部に固定ではなく、話すキャラのそばに表示されます。
綺麗な背景に、キャラの応じたセリフ欄など、こうした点は海外のADVでは当たり前のことですが、現在のエロゲではまだ当たり前ではありません。
そのため、この点だけも好印象となります。
もっとも、確かに他所の作品よりは優れているのですが、上記のことって、パープルは以前から既にやってきたことですからね。
過去作と同じことをやっても新鮮味はないですし、本作において大きく進化したわけでもありませんので、本作のグラフィックが優れているとしても、これだけでは名作足りうるとは言えません。
実際、過去のパープルの作品の場合、その他の部分に問題が多く、それで名作に届かずという作品がありました。
<ストーリー>
そうなると、肝心なのはその他の部分となります。
主人公は、ときどきおかしな言動をするのですが、そもそも設定が特殊ですからね。
その設定に即した言動の範疇に含まれると思いますし、そう考えるとわりと良くできていたように思います。
ただ、客観的には良くできていると思いつつも、どうも心を揺さぶるような爆発力が足りない感じで、その点のものたりなさは残ってしまいました。
程度の差はあるでしょうが、たぶん多くの人が似たような印象を受けると思います。
ちなみに、本作は、比較的万人受けしやすい作品ですが、個別ルートの該当するヒロイン以外の女性とも、わりと簡単にHをすることがあります。
そのため、Hは個別ルートに入ってからとか、そのヒロインとでなければダメとか考えているタイプの人だと、本作との相性は良くないかもしれません。
ところで、本作では、最後にハッピーエンドと、ノーマルエンドがあります。
ハッピーエンドはあくまでハッピーエンドであり、必ずしもトゥルールートではないとのこと。
個人的には、本作の場合、ノーマルエンドの方が自然な気がしました。
数年後に名作として語り継がれる作品作りを目指すならば、ノーマルエンドだけの方が、インパクトがあって良かったとも思います。
しかし、ノーマルだと幸せな終わり方ではないですからね。
ハッピーエンドを求める人に配慮して、このハッピーエンドを付けたのでしょうか。
まぁ、パープルの従来からのファン層とかも考慮すれば、主張が多少ぼやけてしまったとしても、ハッピーエンドを入れた方が無難とはいえるのかもしれません。
以上から、ストーリー自体は普通以上には楽しめますが、ややパンチには欠けているとの結論になります。
<感想>
本作において、個人的に最も印象深かったのは、キャラ(ヒロイン)でした。
メインヒロインである、ほたるも良かったですが、最初のヒロインである、こころが良かったですね。
彼女は、非常に純真なのだけれど、決して馬鹿じゃないわけでして。
それが、妙に印象に残ったのです。
私は処女厨みたいに煩く言うつもりはありませんが、それでも純真なヒロインがいることは良いと思います。
ただ、これは鍵作品以降のエロゲの悪いところでもありますが、ヒロインの白痴化には疑問があったわけでして。
純真・純粋であることと白痴であることは、必ずしもイコールではないはずです。
それなのに、エロゲの純真なヒロインは白痴な場合が多く、個人的にはそれに嫌気がさしていました。
こころは、純真ではあるけれど、決して白痴ではありません。
エロゲユーザーの多くには、処女で純真で、主人公に都合の良いような、白痴系のキャラの方が受けるのかもしれませんが、少なくとも私には、こういうキャラの方が、人間らしさを感じられて好印象でした。
<評価>
総合では、名作と言えるのでしょう。
今回は、グラフィックとキャラの、合わせ技一本ってところでしょうか。
最後に。本作に関しては、サイト上で、ストーリーの分岐構造とかが説明されています。
最初に見た時は、そんな構造なんて昔の作品にいくらでもあるし、特に新しいわけでもないのに、何で今更と思ったものでした。
しかし、考えてみれば、本作で初めてエロゲに触れる人、ノベルゲームに触れる人もいるかもしれないわけでして。
新規ユーザーを獲得することが大事な、今のエロゲ市場においては、新規ユーザーを念頭においた作品作りって、非常に大事なんですよね。
今の時代に即したエロゲ、今求められているエロゲって、そういうものなんだと思います。
他所の作品のサイトを見ると、知らない人が見ると、ゲームなんだかアニメなんだか映画なんだか、一体何を作っているのか、まるでわからない作品が多いです。
エロゲの衰退云々を今ここで言うつもりはないけれど、作り手がユーザーに甘えて手抜きをしてきた部分って、私は結構大きいと思います。
自分たちの作った作品はどういう作品なのか、それをきちんと説明できている作品は少なく、また、それができない作品なんて、所詮はその程度の作品ともいえます。
私から見れば、自滅していっているブランドが多い中で、パープルの作品は相対的にも浮かび上がってきているわけでして。
そのため、ここにきてようやく、今後の作品も気になる、要注目のブランドになってきたという感じですね。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2024-09-08 by katan



コメント
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私も総合力の高さから名作だと思います。
話しているキャラの側にテキスト欄がある形式は理想だと思うのに、なかなかアダルトゲーム業界では定着しないですね。テキストを読むのに視点が画面下部に固定されてしまうのは、グラフィックや演出の優れたゲームであるほど気になってしまうので、キチンと配慮されているのは好印象でした。
主人公の言動もこういうキャラなんだなと納得できたので気にならなかったです。複数のキャラとHすることに関しても、アダルトゲームの主人公が草食化してる中、たまにはこういう主人公がいてもいいよなって感じでした。
プレイしてて、ほたるも可愛かったですが、こころの可愛いさが一番の購入動機でした。
ゲームデザインにしても、自分たちの作りたいものに合わせてアレンジされていて、上手くできてましたし、各所に隙のないゲームでした。
P.S.
新作アオイトリも同じように満足できればよかったのですが、ストーリーもゲームデザインも散々見飽きたパターンで、ちょっと微妙でした。
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アマツツミは面白かったですね。
記事の書きにくい作品だったので、
掲載は遅くなってしまいましたが。
アオイトリは、まだプレイし始めたばかりですが、
今のところ、あまり面白さが伝わってこないです。
なんか、昔のパープルに戻ってしまったみたいです。