『ガジェット』は2005年にWIN用として、BLACKRAINBOWから発売されました。
BLACKRAINBOWの最高傑作ですね。
ほぼ全ての面で良く出来た作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・平凡だが幸せな日常…だった
主人公はごく平均的な男子生徒でした。
彼のまわりには、親友も、そして気になっている女の子もいて、それなりに明るく楽しい日常を過ごしています。
ですが彼には普通ではない従姉妹がいたのです。
彼女は美人で知性も高いのに、とても黒い思考をもっていました。
傲慢でもなく、偏屈でもなく、人あたりもいいのに、なぜか思考の方向がひどく歪んでいる彼女。
そして天才発明家の彼女。
彼女の計画が、主人公の日常を歪めていくことに…。
概要・・・第一部「幼少編」から積み重ねられたヒロインに対する想いは、第二部「学園編」で愛しあう男女としての結びつきとなります。
そして第三部「景子編」が、その全てを狂わせていくことに…。
<総論>
BLACKRAINBOWは催眠系の特化ブランドという印象が非常に強く、催眠系作品が好きな人は絶対プレイしているブランドだと思いますが、逆に催眠系が好きでない人はスルーしがちなブランドだと思います。
私も、『催眠学園』等、好きな作品もいくつかありますが、主に原画が好きだったとか他の要因があり、催眠自体はそれほど好きというわけでもありません。
そのため、このブランドの作品の中で、原画に魅力を感じなかった作品は、どうしても後回しになったりスルーしがちでして。
それで本作も、長い間、スルーしてしまっていました。
しかし、実際にプレイしてみて、こんな作品があったのかと後悔しましたし、これこそがBLACKRAINBOWの最高傑作だと思うのです。
<感想>
本作は、第一部から第三部までで構成されています。
第一部は、主人公が子どもの頃の話になり、第二部は、主人公が高校に通っている時の話になります。
この第一部及び第二部は、学園恋愛ゲーとして、単純に面白かったです。
個人的には、こういう子どもの頃からをしっかり描いている作品は好きですね。
エロゲには、よく幼馴染ヒロインがでてきますが、幼馴染って、一緒にいろいろ経験してきたからこそ特別な感情を抱くのであり、高校時代から始まる作品でいきなり幼馴染と言われても、お前誰だよってなりかねません。
主人公とヒロインの幼少期からしっかり描いていると、それだけヒロインへの愛着も湧いてきますし、感情移入も増してくるものです。
本作は、単純にテキストも良かったですが、カットイン等の演出も頑張っていたので、見ていて飽きない作品でもあり、そこが本作の魅力と言えるのでしょう。
大手の作る純愛ゲーには、演出も頑張っている作品が結構ありますが、ヌキゲーを作る中小ブランドは、どうしても演出が弱くなりがちです。
BLACKRAINBOWは、それまで催眠系作品ばかりでしたし、特に演出が優れていたという印象もなかっただけに、本作で他所の大手の純愛ゲーを上回るくらいの演出が用意されていることは、まったく予想外の嬉しい誤算でした。
また、ゼロ年代後半以降になりますと、キャラゲーが増えることにより、純愛ゲーでもエロ強化に流れになっていきますが、ゼロ年代前半の純愛ゲーの場合、エロが非常に弱い作品も多かったです。
本作は、二部までであれば、普通の純愛ゲーにみえます。
しかし、ヒロインらの年齢層は幅広く、むしろ母親キャラこそメインと思うくらいに人妻たちが魅力的でした。
また、ボテ腹シーンも豊富ですし、シチュが豊富で、純愛ゲーであっても、とてもエロが充実していましたので、その点でも満足度は高いと言えるでしょう。
さて、そんな本作、キャラゲー好きなら大満足となりそうながらも、逆にこれまでのBLACKRAINBOWファンからすると、あまりに毛色が異なりすぎて、楽しめないのではと不安に思うかもしれません。
しかし、本作が凄いのはここからでして。
本作には、第三部として、景子編が用意されています。
作品紹介では、下記のように記載されています。
「毎日が楽しく、夢のようだった…そんな日常が壊されていく第三部
物語は主人公の従姉妹である景子が戻ってくる事で急展開を迎える。
壊れていく理性、堕ちてゆく愛する女性や親友たち。」
幼少編、学園編と、丁寧に積み上げられてきた純愛モードは、この景子編で全てぶち壊されることになります。
だからこそ、公式が明記する「黒い純愛」ADVとなるのでしょうし、まさにBLACKRAINBOWの面目躍如といったところでしょうか。
終わってみれば、BLACKRAINBOWらしい作品だったと思います。
まぁ、純愛ゲーブランドがこれを作ったら、間違いなくアンチがついて荒れていたでしょうから、BLACKRAINBOWだからこそ作れたと言えるかもしれませんね。
<評価>
丁寧に作られていて、楽しくプレイできましたし、エロもぬかりないことから、それだけでも十分良作といえるところ、最後に意外性も持ってきたということで、本当に穴のない良く出来た作品でした。
総合でも、十分に名作と呼べるでしょう。
BLACKRAINBOWが催眠系特化ブランドとしてあまりに有名すぎるため、逆にブランドとして本作は異端な位置付けになってしまい、それでかえって埋もれてしまった感がありますし、そもそもNTRとか嫌いな人は本作は受け付けないだろうなと思いますが、個人的には同ブランドの最高傑作だと思いますね。
ランク:A-(名作)
駿河屋
DL版
Last Updated on 2024-04-18 by katan
コメント
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演出の気合の入れようといい、第三部にいくまでの丁寧さといい、意外な良作品でしたね。
この三部構成は好きでした。特に幼少時代がいいですね。これくらい丁寧に描かれていて、しかも効果的っていう作品ほかにどれだけあるんでしょう。
埋もれているのは、持ち上げて落とす的な落差の部分が黒系ユーザーの期待に応えきれていなかったというのもありそうですけど、
たっちーの魔世中ハ我ノ物くらい振り切った落差だったら扱いが変わっていたんでしょうかね。
事前の想像より純愛に軸足が置かれていた感はありました。恋愛ゲー好きな私としてはこれでもいいんですが。
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> SunBinさん
本作の幼少時代は良かったですね。
これがあるかないかでも、大分印象が違っていたと思います。
本作は素晴らしい作品だと思いますが、この時期だと、どうしても埋もれやすいでしょうね。