『赤川次郎の幽霊列車』は1991年2月8日にファミコン用として、キングレコードから発売されました。
個人的には、わたせせいぞうさんの絵が印象的な作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。
本作は、赤川次郎さんの『幽霊列車』をゲーム化した作品ですが、それ以外にも下記のとおり、見どころの多い作品でした。
原作:赤川次郎
原画:わたせせいぞう
音楽:すぎやまこういち
<感想>
実に豪華な顔ぶれですね。
仮に自分がゲームを作るとしたら、原画はわたせせいぞうさんにお願いしたいと思っていたくらいですから。
この組合せは非常に嬉しかったものです。
さて、肝心の中身なのですが、ストーリーも普通に面白いし、わたせせいぞうさんの絵も他のADVにない雰囲気を醸し出していますし、音楽も合っていましたしね。
基本的には良かったと思います。
ただ、ゲームとして考える場合、幾つか気になる点もあったわけでして。
まずストーリーに対しては、楽しければそれで構わないと言われればそれまでですが、原作付ってのがどうしても引っかかります。
面白いのは原作の力であってゲームの力ではないですから、ここだけで名作と言うのはちょっと違うように思います。
まぁ、原作つきでも他の部分が優れていれば十分名作たりうるのでしょう。
そこでグラフィックを見てみますと、原画でせっかくわたせせいぞうさんを起用しても、ハードがファミコンでは、その魅力もかなり削がれてしまいます。
これ、91年のゲームですからね。
PC98かPCEでの発売がベストなのでしょうが、せめてSFCで出して欲しかったです。
ハードが異なれば、グラフィックは大きな長所にもなりえた箇所なのでしょうが、ファミコンのグラフィックでは褒めきれないです。
それと、本作はコマンド選択式のADVなのですが、移動等が微妙に面倒で操作性に難があった感じでしたね。
これまたPCでマウス操作だったら、もう少し違った感想にもなりえたかもしれませんね。
<評価>
普通に面白いし名作になれる資質は幾らでもあったのですが、この時期のファミコンソフトということで上記の理由から、総合では良作とします。
私の評価はそんな感じですが、小難しいことを抜きにすれば、ファミコンのADVとしては後期の作品ということもあり極めて良質な部類に属するでしょうね。
冒頭に書いたようにビッグネームだらけですので、ファンなら買って損のない作品だったのではないでしょうか。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2024-06-18 by katan
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