「愛する妻、美咲の不倫証拠 『旦那とどっちが気持ちいい?』『貴方の方が…あっ、ダメッ、またイちゃうッ…!』」は、2011年にWIN用として、アトリエさくらから発売されました。
不倫追及系の代表作と呼べる作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
そこに、後述するように、画面クリックの要素が加わります。
あらすじ・・・
ある日、主人公である矢作幸司の妻、美咲が友人と2泊3日の旅行に出かける。
だが自宅に忘れられた携帯電話には、見知らぬ男からの着信が何度も入る。
引っかかるものを感じた幸司は、美咲の部屋を調べはじめる。
美咲の部屋から出てきたのは、浮気相手の男と撮った無数の写真、そして愛し合うセックス中の動画…
美咲は、自分の知らない所で不倫していたのだった。
絶望のどん底に突き落とされた幸司は、一つの大きな決断を下す。
妻とやり直すのか。見なかったフリをして、この生活を続けていくのか。
それとも、2人を社会的に抹殺し復讐を果たすのか。
…あなたは今夜、一つの決断を下す。
<感想>
寝取られ専門ブランドが提供する、不倫追及&制裁ゲーム。
これもまた、1つの寝取られの形なのでしょう。
アトリエさくらは、主に寝取られ系の作品を作っています。
今回も主人公の妻が間男と不倫をしているわけで、広義では寝取られ系の作品にはなるのでしょう。
しかし、妻は最初から既に不倫していますし、あまり寝取られる過程を楽しむって要素はありません。
間男にも魅力はないですし、それ以上にヒロインである妻自体がかなりの自己中で、全く好感が持てません。
おそらく一般的な寝取られノベルにファンが期待するものは、このゲームにはないと思います。
もし寝取られる過程であるとか、魅力的なヒロインが堕ちていく様だけがみたいのであれば、このゲームはスルーすることをおすすめします。
・・・でもね、それで終わってしまうのは駄目なわけで、そもそもこれはそういうゲームではないのです。
妻がどうやら不倫をしている。
だからその証拠を探しだし、追及する。
本作はそういうゲームなんですね。
殺人事件の証拠か不倫の証拠かの違いがあるだけで、本質的にはむしろ探偵ものに近いノリなのでしょう。
証拠を探すとなると、やることは妻の部屋や持ち物の探索です。
そこで本作が導入しているシステムはP&C式に近いもので、つまりは画面クリック式なんですね。
昔『遺作』が好きだった人とか、また画面クリック式のゲームがやりたいなって人も、少なからずいるのではないでしょうか。
世間一般の割合はともかく、今これを読んでいる人の中には結構いると思うんですよね。
そういう人には楽しめる可能性も大きいし、久しぶりの画面クリック式だなって懐かしくもあると思います。
まぁ細かく見ると、低価格商品だけあって作り込みは甘いんですけどね。
書き出すと長くなるので割愛しますが、狭義のゲーム性の面での改善の余地は大いにあると思います。
本音を言えばフルプライスでしっかり作りこんで欲しかったですし。
ただ、このストーリーにはこういうシステムが合ってるだろと思うのに、何でもかんでもノベルだけで済まされるのが近年の現状でもあります。
証拠を探すゲームなのだから、プレイヤーに自分で探させる。
それはとても当り前なことかもしれませんが、それすらまともになされていないゲームだらけな中にあっては、本作の構造は非常に好感が持てました。
ストーリーは、証拠を探し出し、妻と間男を追及していく展開になります。
一応全てを許すルートや放っておくルートもあるのですが、それらはおまけみたいなものです。
メインはやっぱり追及し制裁を加えるルートなのでしょう。
ここがまたしっかり書けていましたし、爽快でしたね。
そして、どのルートにもリアリティがありました。
許すと言っても一度裏切った妻と全く元通りにやれるわけでもないし、制裁し別れたとしても、それは見ているこっちは痛快でも、本人は決してすぐに心が晴れるというものでもないでしょう。
どっちにしても何かしらの心の傷は残るわけですが、その辺で下手にご都合主義に持っていかなかったことで、ハッピーエンド至上主義の人には向かないかもしれませんが、逆に物語自体の説得力は増したように思います。
このゲーム、悪く言えばストーリーも、ノンフィクションの不倫物の域を出ていないのでしょう。
ゲーム部分も練りこんであるとは言えないですしね。
だから名作とまでは言えないと思います。
でも、絵とストーリーとゲームシステムが全部融合していたわけで、トータル面でのゲームデザインは優れていたと思います。
名作と言うほどの突出性はないかもしれませんが、不倫を追及していくゲームはそうはありませんし、しかもここまで痛快に進んだゲームも久しぶりのように思います。
ゲーム部分も適度な面白さはあったわけで、だれることなく一気にラストまでプレイできたんですよね。
まだ数は少ないのでしょうが、不倫追及系の代表作と呼べる出来と言えるでしょう。
<評価>
そういうわけで全体としては良作で、低価格限定で考えるならば名作クラス、不倫追及系としては代表作と呼べる作品ってところでしょうね。
同じようなのは飽きたと言う人がいる一方で、同じようなのを求める人もいます。
上記のように、典型的な寝取られノベルを求める人には、このゲームは向かないでしょう。
しかし、いつものようなヘタレの主人公と違って、主人公が主体的に行動しても良いじゃない、そして妻と間男を徹底的に断罪するゲームだってありでしょと思えるなら、またノベルだけでなく内容に即した違うシステムもたまにはやりたいって人ならば、本作を楽しめる可能性は飛躍的に上昇するのではないでしょうか。
私が寝取られ系と推理・探偵系の両方、それに画面クリック系が好きってこともありますが、これらの要素は昔はわりと近しい立場にありましたし、それらの要素が好きな人なら少なくとも元は取れるように思います。
萌え系だけでなく、NTR系だって同じことの繰り返しでは、そのジャンルは廃れる一方です。
だからこういうゲームがあったって良いじゃないですか。
NTR特化ブランドというと馬鹿の一つ覚えと勘違いされがちですが、全体的なゲームデザインといい、ストーリーの方向性といい、とても真摯にゲーム作りをしているなと思わされたわけで、今後のアトリエさくらに期待したくなる、そんな作品でした。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-12-16 by katan



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