『霞外籠逗留記』は2008年にWIN用として、raiLsoftから発売されました。
文学風のゲームを求めている人には、 待望の1作ではないでしょうか。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
青年は気がつくと大河の上、古風な渡し船に揺られていた。
割れた般若の面を被った渡し守の女は、「お前の望んだ場所へ行くのだよ」と告げるが、青年の記憶はなぜか曖昧になっており、ただ「今までいたところではないどこかに行きたい」という望みがあるのみだ。
渡し守に案内されるままに渡されていった先は、大河に浮かんだ中州に築かれた、巨大な木造建築物。
渡し守が言うには「旅籠だよ」とのことであるが、その内部は単なる旅館とは思えないほどの多種多様な部屋・空間に満ち満ち、水路まで流れている迷宮の如き小世界であった。
<感想>
ノベルゲームということで、文章を読むことがほとんどなわけですが、小説に多数のジャンルがあるように、ノベルゲーにだって内容面での多数のジャンルがあっていいはず。
とはいえ、現実には限られたジャンルしかないもので、マイナージャンルのファンは常に寂しい思いをするものです。
ところで、私は昔はさんざん文学小説を読んだものですが、いまではすっかり飽きてしまい、近年のはほとんど読んでいません。
文学だから高尚だとかそういうものではなく、あくまでストーリーの1ジャンルでしかないと思うのですよ。
だから素晴らしい文学小説もあれば、3流の文学小説もあると。
3流の文学小説を読むくらいなら、1流或いは2流の他ジャンルの小説を読んだ方が良い。
アダルトゲームのノベル物を読んだりするのには、そんな理由も大きいです。
というか、むしろ文学と離れたかったからというのが大きかったですし。
もっとも、だからといって文学的なノベルゲーを否定するわけではなく、多様性の観点からは文学っぽいアダルトゲームがあっても、それはそれで良いと思うんですよね。
でも、現実にはほとんどなかったりします。
そもそもwindowの時代になりゼロ年代に入る頃になると、アダルトゲームはオタクの基礎教養的な側面も出てきました。
これは言いかえればアニメやラノベに近付いたということで、文学的な方向性とはどんどんかけ離れていったんですよね。
短編でも昔のゲームには深いなと思わされるゲームもありましたが、ゼロ年代に入るとそういうゲームはほとんど見かけなくなりました。
そういう流行に反するかのように出てきたのが本作なわけで、プレイして、これだって思いましたね。
文学風のストーリーのアダルトゲーム。
本作はまさにそれに合致します。
こういうのを求めていた人には、待望の1作と呼べるのではないでしょうか。
よくこの時代に出て来たものです。
<評価>
ただ、誤解しないでほしいのですが、あくまでも傾向が文学風というだけであり、だからといってずば抜けた出来の作品ってわけでもないんですね。
出来自体はせいぜい良作程度だと思います。
そのため、過度に期待してプレイすべきではないと思うのですが、如何せん近年は他にこういう雰囲気の作品はないですからね。
アダルトゲームとしては非常に珍しい系統の作品ですし、一度はプレイする価値のあるゲームだと思います。
とにかく、このゲームを購入すべきか否かは簡単です。
文学風のゲームがやりたいなら買え、そうでないなら買うな。
そんな作品だと言えるのではないでしょうか。
Last Updated on 2026-09-27 by katan



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