ヒラヒラヒヒル

2023

『ヒラヒラヒヒル』は2023年にANIPLEX.EXEから発売されました。
本作では音声も付き、前作より更にプレイしやすくなった感じですね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・死んだ人間が蘇る。
古来よりそうした事例が多発する世界。
蘇った人間は、知性や記憶・認識力が衰え、コミュニケーションが困難となるばかりか、肉体も代謝が衰え、腐敗していく。
日本では彼らを「ひひる」「クサレ」などと呼び、かつては崇め、時代とともに忌避するようになっていった。
――やがて「ひひる」は医療の対象とされ、疾病として「風爛症」と名付けられる。
そして大正初期。
医学博士・加鳥周平は風爛症をとりまく環境や制度が諸外国に比べ遅れていることを嘆き、改善に向けての調査に取り組んでいた。
その調査に参加することとなった青年医師・千種正光。
本来は風爛症と関わるはずのなかった学生・天間武雄。
ふたりの視点を通して、「風爛症」と戦う人々の物語が描かれる――。

<感想>

本作のシナリオは瀬戸口廉也さんになります。
ライターのファンもおられる方なので、それで本作に注目した人も多かったでしょう。

瀬戸口作品は、コアなファンがいるわりに、メジャーになりきれない印象があります。
その原因がどこにあるのか、はっきりと断言することはできません。
ただ、エロゲで発売された作品については、私も低い評価の作品が多かったです。
その主な理由は、テキストがグラフィック等とマッチしておらず、テキスト自体は良いはずなのに、ゲーム全体としては完成度が低く感じたからでした。

そうした私の瀬戸口作品に対する認識を、『BLACK SHEEP TOWN』が変えました。
『BLACK SHEEP TOWN』は、画面の使い方にも工夫が凝らされ、瀬戸口作品のゲームとしての完成度がグッと増したように感じたのです。
そのため、次作となる本作にも注目した次第です。

さて、『BLACK SHEEP TOWN』は2022年の作品にもかかわらず、音声なしでした。
その点で、どうしても人を選ぶ作品でもありました。
他方、本作には音声が付いており、より万人向けするようになったと思います。

グラフィックについても、この絵柄はかなり好きですね。
個人的には、こういう絵柄の作品がもっと増えてほしいです。
また、テキストとグラフィックが互いの良さを相殺してしまうという過去作の欠点もなく、幅広い層が楽しめる仕上がりになっていると思います。

うん、そうなんですよね。
本作は、テキスト等にも変な癖はないと思いますし、他も特にひっかかるところもなく、瀬戸口作品の入門作としては十分素晴らしい作品になっていると思います。
特にストーリーを堪能できるノベルゲーが年々減っている現状において、万人向けのストーリー重視作品というだけでも非常にありがたいと言えるでしょう。
ストーリー重視の作品を求めている人なら、プレイして損はありません。

他方、気になる点、物足りなかった点もあるわけでして。
演出等に関しては、『BLACK SHEEP TOWN』をプレイしたときに感じたような、良い意味での驚きはありませんでした。
また、作品全体の熱量でも、『BLACK SHEEP TOWN』ほどではないように思います。
肝心のストーリーについても、この内容を架空の設定で行う必要があったのかなと疑問を抱きました。
架空の設定ではなく、現実の病気等と絡ませてシリアスさを増した方が良かったと思います。
反対に、あくまでも架空の設定でやるのであれば、もっとドラマ性を増した方が良かったでしょう。
総じて幅広い層が楽しめるノベルゲーだと思いますが、作品のボリュームの関係もあり、ライターのコアなファンが満足できたのか疑問が残りました。

<評価>

総合ではギリギリ良作といえるでしょう。

貴重なストーリー重視作品をこの絵柄で出したというだけで、個人的には満足です。
設定とか細かいところを気にする人はどうかなとは思いますが、概ね幅広い層が楽しめる作品だと思いますし、瀬戸口作品の入門作としても十分な作品といえるでしょうね。

ランク:B-(良作)

Last Updated on 2024-05-06 by katan

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