は~りぃふぉっくす 雪の魔王編

1986

『は~りぃふぉっくす 雪の魔王編』は1986年にPC-88用として、マイクロキャビンから発売されました。

84年に発売された『は~りぃふぉっくす』の続編ですね。

<概要>

ゲームジャンルはコマンド入力式ADVになります。

あらすじ・・・
長い長い冬がロムスの森を襲った。
寒さにうち震え、次々と倒れていく動物たち。
そして子キツネの母も息絶えてしまった。
その日は朝からひどい吹雪だった。
雪をついて狩りに出た母子だったが、途中、子キツネは母キツネを見失ってしまう。
必死で探しまわり、やっと母を見つけたのだが……間に合わなかった。
子キツネは、やり場のない悲しみを一人の少女への想いに託す。
名前はマリ。
1年前、雪の中に倒れた子キツネを優しく看病してくれたあの時の少女に会いたい。
雪の止んだある日のこと、子キツネは銀世界の中を走り出す。

<感想>

本作の主人公は、前作主人公の子供ですので、前作をやらなくても話が分からないということはないですが、前作をやった方が気持ち的には大分違ってくるでしょう。

というか、個人的には結構ショックだったわけでして。
というのも、前作は子ギツネを助けるために、母ギツネ(プレイヤー)が奔走する話でした。
そして母ギツネの頑張りのおかげで、子ギツネは無事助かることが出来たわけです。
本作はその続きの物語となるのですが、なんとあの母キツネが、長く続く寒さの中、雪山で命を落としてしまいます。
こういうのは、個人的に辛いです。
人に降りかかる不幸より、動物ネタで悲しい方がキツイです。

とはいえ、これはOP部分に過ぎません。
子ギツネは悲しみを乗り越え、前作で看病してくれたマリに会うため走り出します。
しかし、そのマリは雪の魔王に連れて行かれてしまっており、会うことができません。
加えて、多くの命を奪った寒波も、雪の魔王の仕業と分かってきます。
そこで子ギツネは雪の魔王を目指して旅に出るわけで…ってのがおおまかなあらすじになるでしょうか。

ゲームはコマンド入力式のADV。
基本的にはほとんどの面で前作を超えていますね。
ゲーム部分は難易度は下がりましたが、それは理不尽さがなくなっただけと考えられますので、むしろ好印象でしょう。
プレイヤーの出来ることは増えましたし、謎解きも若干ですが奥深くなっていますし、トータルでは進歩していると思います。

ストーリーについても、前作より良くなりましたね。
あらすじでも分かるように、本作は動物が主人公で、登場キャラの多くも動物たちです。
この動物さんたちの個性も前作よりハッキリしてきて、アニマルアドベンチャーとしての姿がより鮮明になってきた感じです。

ただ、気になった点も2点ほどありまして。
まずはグラフィックですね。
画質等は前作より進化していますが、舞台がどうしても銀世界ばかりになりがちのため、ちょっと単調だったんですね。
そういう点では前作の方が優れていたかと思います。
またこの頃には、少しずつ演出の派手なADVも増えてきています。
そういうのと比べると、どうしても地味な印象は拭えません。

それと、この頃には大半のADVがコマンド選択式になっていました。
その中でコマンド入力式で発売された本作は、ちょっと古いような、他から置いていかれたような印象があったかと思います。
もちろん入力式でも、それを活かしていれば別ですが、本作の内容なら選択式でも構わなかったでしょうしね。

<評価>

プレイして楽しいし良作であることは間違いないのですが、上記の気になった点と本作ならではという要素がないことから、私としては良作にとどめておきました。

とはいえ、ストーリー・キャラ・ゲーム性と、中心的な内容が進化しているので前作が好きな人は楽しめるでしょう。
他方、今では逆にこういうゲームってないですからね。
新規の人でもこういう雰囲気が好きならば、結構新鮮な感じで楽しめるのではないでしょうか。

ランク:B(良作)

Last Updated on 2024-05-14 by katan

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