横綱物語

1994

『横綱物語』は1994年にSFC用として、KSSから発売されました。

相撲を題材にしたゲーム自体珍しいのですが、その多くはアクション系だったように思います。
本作は当時流行っていた育成SLGで相撲を扱ったもので、相撲ゲームとしては非常に珍しい部類に入るのではないでしょうか。

<感想>

相撲を題材にした育成SLGということで、弟子を入門させて育て、最終的には横綱にさせるのが目的となります。
何より珍しい作品ですからね、それだけでも好印象です。
もっとも、肝心のゲーム内容については、若干癖があったかもしれません。

育成SLGにもいろいろあって、育成対象に限界がないものがあります。
つまり、どう育つのかは、完全にプレイヤーに委ねられているわけですね。
中には、それこそが育成SLGの醍醐味って考える人も多いでしょう。

その点、本作は、弟子により能力の傾向や限界がありますので、自分好みにいつまでも育てたい人には向かなかったと思います。

潜在能力の高そうな若者を見極め、その持っている潜在能力をあますことなく引き出せるのか。
そこに意義を見出せた人ならば、おそらく楽しめたのではないでしょうか。
馬と人とを比べるのは失礼なのかもしれませんが、ある意味競馬SLGにも似た側面があったのかもしれませんね。

とは言え、もちろん競馬の世界と相撲の世界は制度も異なるわけでして。
競馬だとクラシックに間に合わなければ話にならないので、どうしても3歳クラシックまでにある程度育つことが必要になります。

しかし、相撲にはそういう面はないですからね。
最初は負けても、ずっと育っていけば良いのです。
横綱になるのは成長限界が22歳とか遅い方が向いてるわけで、他の育成系に慣れていると戸惑ってしまう面もあるのですが、逆にそこが本作ならではの特徴にもなっていたのかもしれませんね。

<評価>

総合的には、この頃成熟していた他の育成SLGと比べると、完成度は物足りないのかもしれません。
でも、珍しかったですし代替も利かないですしね。その点を最大限に評価して、ギリギリではありますが良作としておきたいと思います。

ランク:B-(良作)


Last Updated on 2024-10-04 by katan

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