『ワルキューレロマンツェ ~少女騎士物語~』は2011年にWIN用として、Ricottaから発売されました。
2011年と言うと、漠然と女騎士ものの印象が強いのですが、その中でも代表格と呼べる作品なのでしょう。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
選択肢の数は少なく、攻略は容易でしょう。
商品紹介によるあらすじは以下の通り。
恋する少女騎士おとめは奇跡を起こす――
華麗にして、勇壮な戦い!そして学園生たちを魅了する、ジョスト(馬上槍試合)。
水野貴弘はその馬上の騎士を支えるベグライター(騎士補佐)を専攻しながらも、どこか退屈した学園生活を過ごしていた。
貴弘は子供の頃、母国のジュニア選手権で敵無しと称され、自らの力を試すために留学したが、
期待を受けた大会決勝で怪我をし、引退をしたという苦い思い出があった。
近づいてくる年に一度の大会に向け、盛り上がっていく学園。
出会った少女騎士を支えたい!との思いから、強きパートナーとなるべく決意する貴弘。
そして、目指すのは、もちろん大会での優勝!
挫折した元騎士のべグライターと少女騎士の、長く熱い戦いの日々が始まる!!
<感想>
ジョストと呼ばれる馬上槍試合をベースにしつつ、そこに恋愛も加えて描いた作品になります。
キャラは魅力的で萌えられますし、会話も楽しめましたし、プレイ中は普通に楽しめました。
ただ、ストーリーそのものは特に印象に残るものでもなく、良くも悪くも普通なのでしょう。
ストーリー目当てという未プレイの人がどれだけいるか分かりませんが、あまり期待しない方が良いと思います。
ただ、深く掘り下げずに全体的に薄いというだけで、ここが駄目とか不快になるという要素はありませんので、無駄なストレスを感じることはありません。
その点は良かったのかなと思いますし、あくまでもキャラゲーということですね。
その代わりに、エロは結構濃いです。
もっとも抜きゲーとして捉えた場合、序盤にエロがない点が不満に感じられやすいでしょう。
したがって、序盤は萌えつつ終盤はエロを堪能する萌えエロ系と捉えると、比較的素直に楽しめやすいのではないでしょうか。
まぁ、エロもシーンそのものは濃いと言えるものの、バリエーションが多いわけでもないですし、魅力的にもかかわらずHシーンのないキャラも何人もいますからね。
その点で、若干物足りなさも残ってしまいましたが。
メインヒロインのHの数を一つ減らしても構わないから、その分をサブヒロインに割いてくれれば、個人的にはかなり満足できたように思います。
<グラフィック>
おそらく、一般的に一番の長所とされやすいのが、原画ないしグラフィックなのでしょう。
こもりけいさんの描くキャラは相変わらずどのヒロインも可愛いですし、グラフィック全般でも技術面では十分に水準を超えているでしょう。
だから十分に水準以上であることを前提とした上で、この分野で頂点を取れるだけの潜在能力を秘めていると思うからこそ、あえて苦言も呈するのですが・・・
背景に花びらを散らしたり、エフェクトの技術があることは分かります。
でも、背景に一番の魅力のあるブランドなのではなく、やっぱりRicottaは、キャラの魅力が一番の特徴だと思うのですよ。
だったらその一番の特徴を際立たせることにこそ、真っ先に力を入れるべきなのでは。
目パチ口パクという基本的な部分を含め、よりキャラが活きてくる方面に力を注ぐべきと思うのですけどね。
ちょっと力を入れる順番が違うように感じてしまいます。
それと、本作が単なる学園恋愛ものであるならば、キャラを可愛く描けているだけでも大きな長所になるのだと思います。
しかし本作はストーリー全般にわたり、「ジョスト」という馬上槍試合が絡んできます。
ジョストをどれだけ描けるかは、作品の成否に大きく関わってくるはず。
しかし局地的なアップばかりで、作品からジョストの魅力が伝わってきませんでした。
アニメを見てジョストの魅力を感じられたのですが、仮にアニメのように動かし続けることができなくても、もっと全体像を描いたりいろいろ方法はあったはずです。
それができなかった、魅力をこちらに伝えきれなかったという点で、過去作よりもグラフィックの点数は伸びなくなってしまいます。
<評価>
主観的にはキャラが好きということもあり、わりと好きなんですけどね。
だからこそ余計に、あちこち勿体ないところばかりのように見えるわけで、長所となりうるはずの部分で伸びきれないために佳作としておきますが、とにかく惜しい作品でした。
というか、本作の場合、途中までならアニメの出来が良いので、個人的にはアニメをオススメって感じですね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-12-18 by katan
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