『VZONE(ブイゾーン)』は1995年にPC98用として、ドールハウスから発売されました。
ドールハウスはこのゲームがデビュー作だったのですが、原画の可愛さと塗りの綺麗さからか、当初から結構注目を浴びていたように思われます。
<概要>
当時は期待の新ブランドが出てきたものだと思ったものですが・・・
中々難しいものですね。
結局、このブランドの最高傑作は、デビュー作である、この作品だったということですね。
さて、怪しいレンタルビデオ店で借りたビデオを再生すると、ブラウン管から美少女が飛び出てきたというのは漫画にもありますが、本作はその反対となります。
どういうことかというと、本作の場合、借りてきた5本1万円という高額なビデオを再生すると、プレイヤーがその世界に入ってしまうのです。
<感想>
異世界というか、こういう仮想空間を舞台にした作品は、この時期に急激に増えたように思います。
もう昔のことなので忘れてしまいましたが、何か増える理由でもあったのでしょうか。
本作における目的は、ヒロインらとHをするという極めて単純なものですが、その目的を達成するためは1つの世界で完結するわけではなく、主人公は5つの世界を行き来してフラグを立てていかなければなりません。
ある世界でたてたフラグが別の世界の攻略に必要だったりするので、結構複雑な構造になっています。
また、基本システムは国産ADVでは比較的珍しいポイント&クリック(P&C)式ADVでした。
P&C式+世界観の横断ということで、アダルトゲームにしてはシステム的にも凝っていたかと思います。
ゲームとしての出来は、クリックして反応してくれるところは多く、その点では良く出来ていたかと思います。
ただ、どこをクリックできるのかは分かりにくい、移動できる箇所が少ない等、他のADVよりは良いもののエルフのADV程ではないって感じでした。
それと、Hシーンがリアル進行で、無駄に疲れましたねw
まぁ、ゲーム部分は水準以上で、基本的にはキャラの可愛さを堪能するゲームってところでしょうね。
原画の可愛さと独特の塗りは、当時では最高ランクだったと思います。
これだけでも十分に元を取れるレベルでしたしね。
本作がデビュー作だっただけに、その衝撃は大きかったです。
<評価>
グラフィックという長所があってシステムも及第点以上なので、十分面白かったですし、名作扱いでも構わないとも思えます。
ただ、ストーリー自体はわりとあっさりしていましたし、95年は名作の多い年でしたからね。
相対的に見ると、名作と言うには本当にもう少しだけ足りないって感じでした。
そういうわけで、私的には限りなく名作に近い良作と判断しておきます。
P&C式ADVで可愛いキャラのアダルトゲームは、とにかく絶対数が少ないです。
その点も踏まえれば、絵柄が好みであれば、今でも結構楽しめるのではないでしょうか。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-10-27 by katan
コメント