『裏番組 ~新人女子アナ欲情生中継~』は2003年にWIN用として、13cmから発売されました。
ありそうでいて意外と見つからない、女子アナの世界を中心に扱ったゲームでしたね。
<感想>
もともと購入動機の半分は絵買いだったのですが、絵柄が好みな上に人数も多めであることから、絵買いとしては十分元は取れたように思います。
基本的には陵辱系の作品でストーリーもそれ以上のものはないのですが、普段凛としている女性が下衆に犯られる姿は、個人的には結構ツボにきましたね。
ゲームジャンルはノベル系ADVになりますが、このゲームデザイン部分に、本作のウリがあったわけでして。
その部分がきちんと機能していれば、少なくとも良作以上は間違いなかったんですけどね。
肝心のその部分がプラスどころかマイナスに作用してしまったのです。
どういうことかと言いますと、本作には8人の女子アナがいて、視点が絶えず変わっていきます。
8人の視点というのはかなり多いですし、ザッピングとしての切り替えの楽しさ、或いはマルチサイトとしての物語の多角的な深みの演出、そのどちらかを達成できればかなり面白くもなれたでしょう。
しかし、そのどちらも上手く機能していなかったのです。
本作は選択肢を選ぶことで視点が変わります。
つまり、任意で視点をかえられるわけではないので、ザッピングとはいえず、その時点で自由に切り替えることの楽しさは奪われています。
また、選択肢によって視点が変わると言っても、結局は誰のルートやイベントを選ぶかって程度なので、マルチサイト的な関連性もなく、あまり意味がなかったんですよね。
しかもそこに強制的な視点変化も加わりますし、とにかくコロコロ変わっていく印象が強すぎました。
マルチサイトが上手く機能すれば物語を多角的に演出できますし、それによって全体の深みが増すのですが、本作のような場合ではぶつ切れの印象が強く、かえってストーリー全体の質やテンポを落としてしまったように思います。
たぶんこの頃だったと思うのですが、一時期マルトサイトやザッピング物が流行った時期がありました。
それにより、その手の手法を用いた作品も増えました。
でも、残念ながら上手く使えたゲームはほとんどありませんでした。
細かいシステムの違いにより、当然長所短所が存在します。
プレイヤーが熟知する必要はないのですが、作り手はきちんと理解をしておかなければ、面白い作品は作れないと思うのです。
本作の場合、作り手が良く理解しないままに、とりあえず人気の手法を用いてみましたって感じなのですよ。
<評価>
総合的にはギリギリ佳作ってところでしょうか。
ぶつ切れによるテンポの悪さは痛かったですが、貴重な女子アナ物ですし、冒頭にも書いたように、絵とエロ目的の観点からは、一応満足はできましたからね。
ランク:C-(佳作)

Last Updated on 2025-06-06 by katan
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