『妻の媚肉を弄る父の太い指 ~知らぬ間に父のモノになっていた愛妻(つま)は、
悦びの喘ぎとともに腰をうねらせていた~』は2015年にWIN用として、Animから発売されました。
フルプライスとしての良さを活かしたNTRゲーでしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
商品紹介・・・
今作は主人公の父親によって愛する妻を寝取られてしまう、家庭内寝取られ。
つまりドメスティックNTR。略してDNTR!
今まで自分を育ててきてくれた父親に寝取られるという悔しさと絶望感。
父は主人公達夫婦のすれ違いに付け込むようにして寝取っていきます。
また、恒例となったHアニメーションによって、より臨場感ある寝取られ現場を体験することが出来ます。
さらにE-moteによる立ち絵のモーションにより、キャラクター達の機微がより細かく表現されます。
<感想>
本作は父親に妻を寝取られてしまうという、いわゆるNTRになります。
NTRとしては十分に楽しめるものの、特に新しい切り口があるとかってわけでもないので、ストーリーに関しては良作であったとしても、それだけで名作と呼べるほどではないのかなと。
もっとも、最近のNTRゲーの多くが低価格商品であるのに対して、本作はフルプライス作品であり、作品全体のボリュームも多くなっています。
単純にボリュームが多いことを喜ぶ人もいるでしょうが、厳しい言い方をするならば、それだけではフルプライスにする必要性を感じなかったでしょう。
そこで本作はどう対処したのか。
端的に説明するならば、時間の経過を感じさせることで、フルプライス作品としてのボリュームの必要性を示したのです。
具体的には、まずは義父の方ですね。
義父は平凡なNTRゲーに出てくるような間男と異なり、かなりの策略家でして。
勢いにまかせて後はテクニックでカバーというのではなく、息子の妻を寝取るために周到に長期計画を練って実行していきます。
その計画を一つずつ実行していくことにより、ボリューム増に必然性と説得力が生まれるのです。
大抵の間男も何かしらの考えはあるはずなのですが、ここまでのキャラはゲームでは珍しいように思いますし、個人的にはかなり好印象でした。
それと、もう一つは寝取られる側の主人公の妻ですね。
妻が義父に惹かれていく流れも十分良かったですし、本作では時間の経過に伴い外見も変化していきます。
妻の外見が変化するというのは、これは諸刃の剣でもありまして。
ボリュームの少ない低価格商品でコロコロ変化されると、非常に軽い印象を与えてしまい、寝取られる女性が単なるビッチに見えかねません。
ストーリー上の時間の経過と一定のボリュームを前提としつつ、そこに外見上の変化が加わることにより、その相乗効果でNTRの重みが増してくると言えるのでしょう。
本作は個々の要素だけを切り取ってみると、特に珍しい要素はないのかもしれません。
しかし、複数の要素が組み合わさることで、魅力が増しているのです。
さて、本作の特徴としては、他にもグラフィックが挙げられます。
本作ではE-moteが用いられていることから、イベントCGがアニメーションで動くだけでなく立ち絵も良く動きます。
大手ブランドの作る純愛系作品などでは、演出の優れた作品や、立ち絵の動きが豊富な作品が幾つも存在します。
だからE-moteはプラスにはなったとしても、必ずしも決定的に大きなアドバンテージにまではならないのでしょう。
しかしながら、NTRだの陵辱だの、大雑把な分類では抜きゲー扱いをされるような作品ってのは、大抵は小規模であったり中小ブランドの製作だったりしますからね。
演出の乏しい作品や立ち絵がほとんど動かない作品が大半だったりします。
まぁ抜きゲーで第一に求められているのはHシーンでの質であり、立ち絵の動きなんかに興味はないって人もそれなりに多いと思います。
そうなると特に問題もないのでしょうが、この手の作品でも動きの豊富な作品がやりたいって人もいるでしょう。
また、エロにおける属性特化系の抜きゲーとは異なり、NTRではヒロインの魅力の描写は大事になってきますし、そうなると立ち絵なども結構大事になってくるんですよね。
そしてそういう観点からは、E-moteを用いている本作は、他のNTRゲーよりも数段優れていると言えるでしょうね。
純愛ゲーの大作の場合は立ち絵の段階では良く動いていても、イベントCGで動きがない場合も多いですし、立ち絵でもイベントCGでも動き回る作品というのは、今でも非常に限られていると思います。
そう考えると本作は、両方で動いているわけですからね、ここは十分な長所と言えるでしょうね。
それから最近は、画面の構図に疑問を抱く作品が増えており、CGを見ていて、「これは」と思える作品が減っていまして。
本作はガラス越しのCGとか、一部の構図で良いなと思えるところがあり、その点からも満足度が高かったですね。
<評価>
実のところ、主観的にはそれ程好きって作品でもありません。
良い作品だとは思うのですが、主観だけで判断するならば、良作扱いに留めていたでしょう。
ただ、立ち絵や演出面での停滞が著しい陵辱系ジャンルにおいて、立ち絵の動きを劇的に進化させた点は大きく、このジャンルにおける新しい時代の到来を予感させる作品でもありました。
また、ストーリーについても、フルプライスらしさを活かそうとした作りであり、低価格商品が主流の当該ジャンルにおいては、十分な差別化と個性を発揮できたと言えるでしょう。
そう考えると良く出来ていたように思うわけで、総合でもギリギリ名作としておきます。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2024-09-23 by katan
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