TOGE (棘)

1996

『TOGE (棘)』は1996年にPC98用として、ポイズンブレスから発売されました。

一見するとただの陵辱モノ。
でも、そう簡単には終わらないわけでして・・・

<概要>

ゲームジャンルはノベル系のADVになります。

資産家の娘・美砂子は、登校の途中に誘拐されてしまいます。
犯人は美人で尊敬もしていた、主人公のピアノ教師。
しかし主人公だけでなく、ピアノ教師の二人とも、変態男に二重に誘拐されてしまい、やがてエログロな展開へと発展していきます・・・

<グラフィック>

絵柄は80年代か、それ以前の少女漫画のような雰囲気ですね。
ヒロインが資産家の娘ということもあり、絵柄とマッチしていたように思います。
アダルトゲームでは今も昔も珍しいタイプですので、この手の絵が好きな人ならば、オンリーワンな作品として今でもいけそうに思います。

こういう絵柄は、私自身は発売当時、実はちょっと苦手としていました。
しかし少し前から、こういう方がお嬢様らしさが出ている感じがしてきて、今ではむしろ、こっちの方が良いのではないかとすら思えてきました。
というか、このエロさを感じさせない雰囲気で陵辱モノっていうのが、逆にとてもそそられるのですよ。

<感想>

ストーリーは、狂気を扱った陵辱モノになります。
ゲームは主人公の回想という形で進行します。
具体的には、主人公はある日、拉致誘拐されて陵辱されてしまいます。
この誘拐犯の主犯格は、主人公が尊敬する女性のピアノの先生なのですが、その先生もまた一緒に拉致した仲間に陵辱されてしまうわけで、混沌とした展開とハードなエロスが進行していくのが、基本的なゲームの流れになります。

ただ、そのまますんなり終わらないところが、ポイズンブレスらしいところでもあるわけでして。
後に『人間昆虫・覗き』(1997年)を作ったりするようなところですから、一癖も二癖もあるような、ちょっと異様な雰囲気のゲームが、このブランドには多かったんですよね。

本作の場合、中盤までの主人公は陵辱されるだけなのですが、この陵辱している男の方も曲者でして。
極度のマゾで、普通では反応しなかったり、少し前に殺した女の子を天子さまと呼んで花束で飾ったりと、いろいろ危ない方向に病んでいるのです。

そして物語も終盤になると、主人公が逆にその男を糾弾したりするわけで、タイトルにある「棘」とは、実は主人公のことだったということなのです。

例えば主人公が変態男に対し、「生きていないものしか愛せない」と言う部分があります。
そこを「2次元しか愛せない」と置き換えると、オタクを痛烈に批判しているようにもとれるわけで、ある意味とっても痛い作品だったように思いますw

ストーリーに関しては強烈なインパクトを残した本作ですが、欠点があるとすれば、システム面になるのでしょう。
途中途中でセーブしますかとか尋ねられ、親切心かもしれないけどそれがかえって物語への集中を阻むわけで、その辺は少しストレスを感じてしまいましたね。
些細なことなので、気にならない人の方が多いかもしれませんけどね。

<評価>

全体のボリュームも少なめなので、イメージ的には小粒な良作というところなのでしょう。
メッセージ性のある作品なだけに、刺さる人には刺さるタイプの作品だと思いますし、インパクトだけなら名作級の作品でもあり、個人的にはとても印象深い作品でした。

ポイズンブレスの作品は味があるゲームが多いと思うのですが、あまりヒットしなかったのは、それだけ癖が強かったということなのかもしれません。
まぁ時代的なものもありますけどね。
WIN95から入った人は本作のことを知らないし、PC98でも恋愛ゲーブームないし萌えキャラの時代が来ていましたから。
萌え系のキャラではない作品にまで興味を示す人は、限られていたのでしょう。
今ならネットで情報が広まり、そういうのが好きな人が支持するのでしょうし、逆に萌えが生まれる前の時代ならそれはそれで支持されそうなわけで、本作のような作品にとっては、一番悪い時期での発売だったのかもしれませんね。

ランク:B(良作)


PC-9801 3.5インチソフト 棘 TOGE

Last Updated on 2024-11-12 by katan

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