『ドブ川に散りぬ初恋の』は2020年にWIN用として、サキュレントから発売されました。
「処女じゃないなら―死んでくれ」というキャッチコピーが印象的な作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・子供の頃から凄惨ないじめに遭っていた少女・風早秋奈。
年月を経て大人に成長した彼女は、傷ついた心を抱えて初恋の少年・榊春一彦へ会いに行く。
寂しい者同士で寄り添っていた二人は、再会してまた心を開いて距離を縮める。
「ずっと好きだった」ふたりの気持ちはようやく通じ合う。
しかし秋奈が別の男性と交際していたことを知り、春一彦は感情の濁流に呑まれていった。
概要・・・「ドブ川に散りぬ初恋の」は背景、文章、音楽、音声のみで進行する一本道の18禁サウンドノベルです。
なにもかもうまくいかないまま少女を卒業した雌と、機会を掴めずずっと少年のまま時が止まっている男の心の動きを描写します。
自分はケガレた存在だと思い続けている女の子や、自分の中にしかない理想の初恋を追い続けている男の子や、そんな二人が近づいて傷つけあう遅すぎた青春が好きな方におすすめです。
<感想>
サキュレントの作品については、2019年に発売された『とも鳴りの舟』が面白かったわけでして。
それで次に発売される作品に期待していたところ、その作品というのが本作でした。
もっとも、本作が発売された時、実はスルーしました。
というのも、本作が背景、文章、音楽、音声のみで進行する一本道のノベルだったからです。
ゲーム性がないことは構わないとしても、キャラの描かれた一枚絵がないどころか、立ち絵もないのです。
これでは、私の普段の立場からは、決して高い評価にはならないでしょう。
そのためスルーしたのです。
ところが、本作の次に発売された『痴者の夢』が、これまた面白かったのです。
山野さんの作品については、そのテキストには魅力的なところがあることは認めるものの、作品としてはあまり良い印象を持てないケースも続いていました。
しかし、2本、面白い作品があるとなると、その間に挟まれた本作も気になって仕方ないというものでしょう。
それでプレイする気になった作品となります。
というわけで、プレイする前から、普段の私の基準ではどう考えても高得点にならないのが分かりきっている本作。
ただ、それでも本作を扱った理由というのは、本作がそれだけの魅力を持った作品でもあるからなのです。
本作の基本的な方向性については、上記の概要を読めば推測できるでしょう。
2~3時間もあれば読み終えてしまう作品なので、他人の感想を読むよりも、プレイした方が良いと思いますし。
だからあまり長く書くつもりもありません。
本作はこじらせた男女の物語であり、内容自体は良くも悪くも山野さんらしい作品といえるでしょう。
また、本作はキャラの絵はないのですが、音声に凄く力が入っていまして。
声優さんの熱演により、絵がないことが気にならなくなるくらいでした。
刺さる人には刺さる内容を、これだけ熱演されたら、人によってはかなり強いインパクトを受けるのではないでしょうか。
<評価>
総合では佳作とします。
私の基準では点がつきにくい中での佳作ということをご理解いただければと思います。
同人ゲーを好む人の中には、テキストの良し悪しだけで判断するような人も見かけますが、テキストと音声に高い比重を置く人であれば高得点にもなりうるような、パンチを持った作品でしたね。
ランク:C-(佳作)

Last Updated on 2025-03-07 by katan


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