ザ・ハッスル

1998

『ザ・ハッスル』は1998年にWIN用として、h.m.pから発売されました。

非常に珍しい、アダルトビデオメーカー経営SLGとなります。

<感想>

h.m.pというブランドを知っている人は、どれだけいるのでしょうか。
WIN時代になってから2000年頃まではゲームを作っていたのですが、今はもう撤退しているみたいですね。
当時はまだ3D技術が未熟な中で、果敢に3D系のゲームに挑んでいたところです。
とはいえ、あの頃の3Dエロゲーなんて、興味を持ってる人は限られていましたからね。
そのため、とってもマイナーなブランドってイメージが強かったです。

そんなh.m.pの中にあって、本作は3D系ではありません。
2Dのグラフィックなのです。
私は何故かこの作品の存在だけは知らなくて、地元の小さな店で発見してこんなのいつ出てたんだって思ったものです。
どんなゲームか調べようにも、全く情報が入ってこないし。
仕方ないので自ら特攻してみたのです。

なぜあえて特攻したかというと、それはゲームジャンルが気になったからです。
パッケージには、アダルトビデオメーカー・経営SLG・RPGとあります。
遊べるアダルトゲームなら、もしかしたら掘出物かもって思ったんですね。

さて、肝心の中身ですが、基本的には経営SLGです。
もっとも、内容がアダルトビデオメーカーという点が珍しいですね。

それとアダルトビデオということで、当然出演する女優が必要となります。
問題はその女優の調達方法なのですが、街に張り込んで通り過ぎる女性をスカウトするのです。
ジャンル名にRPGってつけたのは、おそらくこういうところからもきているのでしょう。

ゲーム部分は総じて普通です。
可もなければ不可もありません。
PCの一般ゲーでは育成SLGも経営SLGもそれなりにありますが、
まさにその平均レベル、中の中って感じの出来でした。
もっとも、アダルトゲームはゲーム性が乏しいのが多いです。
アダルトゲーム全体で考えるならば、相対的には結構良い線を行っていたと言えるかも知れません。

クソゲーメーカーがゲーム性の優れたものを出す。。。
何かをほうふつさせますね。
そう、『ようこそシネマハウスへ』です。
人材を集めて物を作って、売上金で次の作品を作る。
大まかな流れも似ていますしね。
本作くらいのゲーム性があれば、場合によってはシネマハウスの領域に達することも出来たはず。
では、実際にはどうだったのか?

そもそもシネマハウスの面白さは、何も映画作りだけにあるのではありません。
SLG的要素にキャラの魅力やグラフィックなど、複数の要素が絡み合って相乗的に魅力が増していったからこそ、傑作足りえたわけです。

本作もアダルトゲームということなので、プレイヤーは当然そういうシーンを期待するでしょう。
しかし、残念ながら魅力的なキャラもHなCGとかもないんですよ。
アダルトビデオメーカーを題材にしているから18禁ってだけで、グラフィック的にそういう要素はないのです。
これは、何て言うかガックリきましたね。
そもそも、だったら何のためにアダルトビデオを題材に選んだのか…
これでは普通のSLGと何ら変わらず、設定を活かしたとは言えないでしょうに…

まぁ、そういうわけですので、結論は至って平凡な経営SLGでした。
大抵のアダルトゲームのSLGの場合、キャラやエロが優れている代わりにゲーム部分は一般物に劣るものです。
本作はその逆で、ゲーム性は一般物並にあるのにエロやキャラが弱いわけで、アダルトゲーム的にそれはどうなのよって気もしちゃいますよね。
まぁ、好意的に解釈するならば、エロい描写の存在ではなく、内容的に大人向けのゲームを作りたくて18禁にしたってとこでしょうか。
このブランドの他のゲームも見てみると、そういう姿勢は見て取れるんですよね。
それはそれでありだと思うし、今のアダルトゲームに欠けている要素でもあるのですが、ならばもうちょっと作りこんで欲しいなと思うのは贅沢でしょうか。

<評価>

期待の反動からか、ちょっと辛口になってしまいましたし、実際、遊んでいて特別面白いという作品でもないのでしょう。
とはいえ、このような題材の作品が非常に珍しいことから、そのオンリーワンたる性質を評価して、総合では良作としておきます。

ランク:B-(良作)


Last Updated on 2024-12-24 by katan

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