『The DIG』は1996年にPC用のハイブリット版として、マイクロマウス社から日本語版が発売されました。
オリジナルは1995年にLucasArtsが発売したものとなります。
<概要>
海外のADVの主流は、長い間P&C(ポイント&クリック)タイプが続いていました。
ほとんどがP&Cということは、P&Cタイプの傑作は海外のADVを通じても傑作とも考えられるわけでして。
その海外のADV市場において常に他社をリードしていた会社の1つに、LucasArts(ルーカスアーツ)社の存在があります。
国内のRPG市場で言えばスクエニとか、98時代のアダルトゲームならエルフだったりとか、LucasArts社はそういう存在に当たるのでしょう。
そうなると当然ながらP&CタイプのADVファンとしては、LucasArtsのADVがやりたくなるのが心情ってものです。
しかし残念なことに、なかなか日本語化されないんですよね。
LucasArts作品の日本語版が遊べるってだけでも感動ものなのです。
そしてそのLucasArts製ADVで最後に日本語化されたのが、この『The DIG』でした。
<感想>
もう、それだけでも興奮物なんですけどね。
本作はそれだけにとどまりません。
原作はなんとスティーブン・スピルバーグ。
スピルバーグが映画の費用を捻出できないことから、LucasArtsに話を持ちかけて作られることになったんです。
LucasArtsはジョージ・ルーカスの作ったゲーム会社ですからね。
スティーブン・スピルバーグ&ジョージ・ルーカス、名前だけでも最強に近いコンビですよね。
そこにILM社(インダストリアル・ライト&マジック)のメンバーまでが加わり、そして2年がかりで製作した作品なのです。
もうね、聞いただけでも期待せざるを得ませんよ。
この作品に限っては内容云々よりもプレイすることに1番の価値がある。
そんな風に、私は思うんですよね。
とはいえ、中々入手が困難となってますからね。
なので、持ってる人は幸運と言えるでしょう。
願わくはLucasArtsに再販してもらいたいものですね。
というわけで、システムはLucasArtsお得意のP&CタイプのADVです。
本作で、LucasArtsが作るこの類のADVも11作目。
もう、お得意のものですね。
豪華メンバーが揃ったこともあって、グラフィックやサウンドは一級品。
当然のようにフルボイスでしたし、まるで1本の映画を見てるかのように滑らかに動いていました。
おおまかなあらすじは、誤解を覚悟で言いますと、98年に公開された『アルマゲドン』みたいな感じでしょうか。
あらすじだけ書くと結構似てるんですよね。
まぁ、こっちの方が先なんですけど。
何れにしろ、この手が好きならば、きっと楽しめるんじゃないかなって思います。
<評価>
こうなってくると、凄い傑作なのかなって思いますよね?
実際、良くは出来てると思います。
私も堪能できたから、一応は名作だと思います。
ただね、LucasArtsはあまりに多くの名作を作ってきました。
好きなADVの上位は全てLucasArtsって人もいるほどにね。
そうした作品らの間に割ってはいるほど本作が優れているかとなると、少々首を傾げざるを得ない気もします。
P&C式ADVのはずなのに、無駄にMYSTっぽく難しくてストーリーに集中できないとか、他のLucasArts程音声が優れてないとか。
また、本作は2年がかりの大作で、93年に発売される予定が95年まで延びたみたいですからね。
部分的には凄い特殊効果もあるんですけど、トータル的には93年の水準かなって面もあったわけでして。
個人的な主観面で言えば、コメディー系FTに慣れてたLucasArtsのシリアスなSF物って点に違和感を覚えた人もいたみたいでした。
私自身も楽しくはあったけど、他のLucasArtsの傑作に比肩するほどの出来ではない気がするんですよね。
名作には違いないけれど、他のLucasArts作品より数ランク落ちる。
私の評価としては、そんなところでしょうかね。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2024-11-19 by katan
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