『労倫行 ~新教員労務倫理行動総合審査~』は2024年にWIN用として、4Hから発売されました。
露出羞恥特化サークル4Hの新境地となるのか、新しいシリーズの開幕です。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・主人公、河澄蛍は地元の公立校に通う少女。
学校では’みんなの頼れる委員長’として人気と信頼を集めていたが、実は数年前までは友達のいない筋金入りのド陰キャだった。
そんな蛍はある日校長室に呼び出され、’労倫行’で’協力審査生’を務めて欲しいと依頼される!世間ではXXコン審査とも噂される労倫行、その審査生を務めるなんて無理ですと一度は断ろうとするもののゴリ押しされ、蛍は自身の人気者としての体面を保つため、そしてその教労審に手伝いとして参加するという初恋の先生との再会を夢見て、渋々参加することに…!
’労倫行’の会場では、年上の綺麗で大人っぽい女子生徒「紬生」、イタズラっぽい〇さな美少女「みひな」と同じ班となり、3人で協力して審査を行うことに。
しかしその審査、事前に聞いていたよりも遥かにハードな内容となっており…!?
穏当なコミュニケーション審査から、下着の透けを見る審査、ブラック校則として下着を没収するような審査、更には全裸を鑑賞する審査として体育館で全裸にさせられて、性器を観察しても興奮しないか、アナルではどうかと様々な審査を強要され、挙げ句にはそのまま裸で外に出るような審査まであり…!?
大勢の受験生の男性達に全てを観察されながら、年頃の女子生徒にとっては死ぬほど恥ずかしい審査が次から次へと行われる!
しかしこれらは全て性犯罪の資質を持つ者を弾き出すために必要な審査!
果たして蛍たちは無事審査をやり遂げ、真に教師の資質を持つ者を選考することができるのか…!?
全く新しい教員採用試験「労倫行」。
一言で言えば絶対に勃起してはいけない教員採用試験。
そこで自らの身体を使って審査生を務めることになった少女たちの羞恥と奮闘の様子を描いた露出羞恥系ADV。
<感想>
露出羞恥に特化した作品を作り続けている4Hの新作は、絶対に勃起してはいけない教員採用試験とのこと。
またなんか突拍子もない設定だなと思いつつも、なんだか原点に戻った気がしました。
そもそもサークルの代表シリーズである全裸登校訓練シリーズの1作目が発売されたのは、2010年のことでした。
初めて1作目をプレイした時は、なんだこれは、ネタゲーか、こんなの現実的にありえるわけないでしょと思いながらプレイしたものでした。
それから時が経ち、シリーズ作品が何作も発売され、その中には優れた作品も登場するようになっていきました。
他方で、シリーズが続くということは、それだけこちらも慣れるということであり、マンネリ化してくるということでもあります。
1作目を初めてプレイした時の印象なんか忘れて、こちらも、女の子が全裸で登校する習慣があることに対し、さもそれが当然であるかのように、何の違和感も抱かなくなっていきました。
人の慣れとは恐ろしいものです。。。
そして、羞恥の天敵は慣れです。
全裸登校週間というシリーズは好きですが、これ以上続けても、良いことはないのでしょう。
そんな中、原点回帰のように、また突拍子もない設定を作り上げてくるあたり、さすが4Hと言えるのでしょう。
そんなことを思いながらプレイし始めた本作。
プレイしていて、なるほどと、再度考えさせられました。
例えば男女のHシーンがあったとします。
一言でHシーンといえども、その内容は様々であり、愛からの合意に基づくHもあれば、その対極が、無理やりやってしまう凌辱になるでしょうか。
凌辱ゲーといっても、さらにその中にもいろいろな種類がありますが、2009年頃の規制により、商業エロゲでの凌辱ゲーは絶滅に近くなり、催眠や寝取られのようにかしら合意があると解釈できるような設定ばかりになりました。
女性の尊厳を破壊するかのような精神的に踏みにじるような商業の凌辱ゲーは、もう発売されなくなっていくのかもしれません。
また、そこまでの内容となると、中には嫌悪感を抱いてしまう人もいるでしょう。
私の知人に、スカトロレズを見て女性不信に陥った人がいましたが、どんな属性であれ、あまりどぎつい内容は、刺さる人には深く刺さる一方で、拒否反応を示してしまう人も生み出してしまうのです。
その道のマニア向けというのは、えてしてそういうものなのでしょう。
合う合わないはその人の嗜好次第なので、正直どうでも良いのですが、大事なことは、Hシーン1つをとっても、純愛による合意Hだけでなく、精神的に踏みにじるような凌辱もあるということなのです
ここで本作をみてみますと、上記のとおり本作は露出羞恥ゲーになります。
男女のHに幅があるのであれば、露出羞恥にだって、同じような幅があって良いはずです。
つまり、自らの意思で露出羞恥を楽しむものから、尊厳を破壊されるかのような形で露出羞恥を強いられるものまで、本来はいろいろあり得るのです。
そして本作は、少女たちが露出羞恥を強いられるタイプになります。
少女が露出羞恥を強いられるタイプの露出羞恥は、例えば調教SLG等が流行っていた時期には、1シーンとして含まれていたようにも思います。
しかし、時代はかわり、純粋な凌辱ものが少なくなっていくなか、少女が露出羞恥を強いられるタイプは減っていきました。
もちろん、今でもほとんどの作品の場合、最初は強いられたものであり、少女は嫌がっています。
でも、近年で良い作品とされるものって、内面の描写が優れているものが評価される、つまり最初は嫌なのに次第に目覚めていくとか、何らかの形で次第に受け入れていくものが多いように思います。
少なくとも、純粋な凌辱ゲーにみられるような、少女の人権をも踏みにじるような露出羞恥はあまり見かけないのではないでしょうか。
本作は、そこに一歩踏み込んだ作品なのです。
ここから先は、そのジャンルが好きなのか、プレイする側の意識と気持ち次第なのでしょう。
本作をプレイして、そこまで酷いことをするのかと、嫌な気持ちになられる方もいると思います。
それはね、凌辱ゲーにだって、同じ議論が言えるのでしょう。
きっかけは無理やりだったかもしれない、でも催眠によって受け入れていくとか、何か理由があって精神的に受け入れる(寝取られる)とか、そういう少女たちが何かしらの形で受け入れてくれる作品は好きだけど、徹底的に尊厳を踏みにじるような凌辱は耐えられないって人も多いでしょう。
でも、コアなユーザーの中には、そういう徹底した凌辱がある方が好きという人もいるでしょう。
これはもう、ある意味ジャンルが違うのです。
2009年頃の規制によって、私が後者の純粋な凌辱ゲーは本質部分で死んでしまったと言っているのは、そういうことなのです。
本作は、凌辱ゲーでいうところの純粋な凌辱ゲーに片足を踏みいれたタイプの露出羞恥作品になります。
だから、そこまでハードなのは求めていないよという人だと、中には拒否反応を示してしまう人も出てくるかなと思います。
露出羞恥は、特に羞恥は、どうしても対象の内面描写が多くなりがちなジャンルであり、その中で魅力や他との違い示すためには、近年の傾向としては、対象が次第に受け入れていくとか、新しい性癖に目覚めていくとか、そういうのが多くなりがちなのでしょう。
そういう気質なのだと思います。
本来であれば、数あるなかの1つのジャンルでしかないはずなのに、純粋な凌辱タイプに相当する露出羞恥ものは、規制の影響+もともとの気質もあって、ほとんどなかったのかもしれませんね。
あまり意識していなかったけれど、本作をプレイしていて、そんなことを思いました。
まぁ、そういうところに踏み込むあたり、さすが老舗の露出羞恥系サークルといったところでしょうか。
<評価>
新しい方向性に一歩踏み出した比較的珍しい作品ということもあり、総合でもギリギリ良作といえるでしょう。
まぁ、結局のところ、本作は徹底した凌辱系ではなくて、上記のとおり片足を踏み込んだものにすぎません。
主にひどい目にあうのは主人公ではなく、紬生の方ですし、最後もうまい感じに綺麗にまとめていますからね。
本作が、過去の代表作に一歩及ばないのは、まだ徹底しきれていない、悪い言い方をすれば中途半端とも言えるからになります。
次回作以降で、徹底した路線にシフトしていくのでしょうか、どうなんでしょうね。
それをやったら、私はよくぞ振り切ったと褒めるように思います。
でも、ゆる百合ならぬ、ゆる羞恥というか、ソフトな羞恥系を求めている人からは拒否反応を示されるおそれがありますから、なかなか振り切るのも難しそうですからね。
どうなっていくのかは、あたたかく見守っていくことにしましょう。
ランク:B-(良作)

Last Updated on 2025-02-06 by katan
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