『天使たちの午後 SpecialⅡ』は、1993年にPC98用として、ジャストから発売されました。
タイトル上は2となっているものの、実際にはスペシャルと名付けられた最初の作品になります。
<概要>
ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。
主人公は普通の高校生なのですが、極悪人に騙し取られた金品などを持ち主に返すといった義賊を、裏家業として営んでいます。
そんな主人公のもとに、パソ通で依頼メールが届きます。
そこで主人公は、借金のカタに取られた「ブルーダイヤ」を深水家から取り戻すために動くことになります。
<感想>
まず前提として、本作は「スペシャル2」とありますが、「スペシャル1」は存在しません。
もともと『天使たちの午後 Special』として開発されていた作品が、沙織事件の影響もあって、『ごめんねエンジェル ~横浜物語~』として発売されたからです。
まぁ本作を繰り上げてスペシャル1にしても良さそうですが、『ごめんねエンジェル』の後継的な作品として、2ということにしたんですかね。
もっとも、そもそもシリーズ内の作品につながりもないので、ナンバリングにこだわる必要があるのかは謎ですが。
さて、具体的な中身ですが、今回は義賊ということで、あらすじだけ見ると他の天午後シリーズと異なるように見えます。
もっとも、実際にやってみると、行った先々で女の子と関係を持っていくということで、良くも悪くも天午後らしい作品でもあるわけでして。
そういう意味では、ファンは安心してプレイできるのだけれど、逆にスペシャル感はなかったように思います。
相対的な観点でいうならば、天午後シリーズは最初はインパクトがあったのですが、良くも悪くも変わらない作りであり、むしろ98時代に入ってからはゲーム部分が簡略化されたりして、やり応えがなくなっていったわけでして。
他方で他社はどんどん成長しているわけですから、内容的にはおいて行かれていった印象が強いです。
ただ、内容的にはそうなのですが、キャラデザがね、個人的に本作はシリーズでも1・2を争うほど好きなのですよ。
そのため、主観的にはわりと好きな作品でもありました。
<評価>
キャラデザが可愛かったので、それで個人的には満足できた作品でもあり、総合でも佳作とします。
もっとも、93年のアダルトゲーム業界においては、実験的な作品や意欲的な作品が目立ちましたからね。
そのため、その年における相対的な印象でいうならば、本作はあまり目立たない作品だったように思います。
だから私みたいにキャラが好みという人でなければ、優先順位は低い作品だったように思いますね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-09-21 by katan
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