魔法使いの妹子

1985

『魔法使いの妹子』は1985年にPC88用として、帝国ソフトから発売されました。

もともとは同人ゲーだったのですが、翌86年には、FM-7とのハイブリッドとして九十九電機から商業作品として発売されました。

<概要>

ゲームジャンルはコマンド入力式ADVになります。

大雑把なあらすじとしては、主人公は魔法使いに弟子入りした女の子。
女の弟子なので、タイトルでも「妹子」と書き、それを「でし」と呼ばせているわけですね。
したがって、タイトルの読み方は、「まほうつかいのでし」となります。

主人公は朝寝坊がしたいという理由で師匠から旅に出され、偶然立ち寄った村でトロールの退治を依頼されます。
それが解決した後は、最終的には悪霊本体を見つけることでENDとなります。

<感想>

私自身は、同人ゲーに興味を持ったのは大分後のことなので、あまり当時の同人ゲー市場に関しては分かりません。
もっとも、同人ゲーの中でも本作は、かなり知名度の高い作品のようですね。
疎い私でさえ、早くから名前は知っていたので、それだけ有名だったのでしょう。

さて、ストーリーは上記のようにファンタジーものになります。
ファンタジーものは、例えばゲーム機や小説なんかだと、この時期は本格的な真面目な物ばかりという印象なのだけれど、本作はコメディまじりの、ほんわかした雰囲気になっていまして。
これは本作だけの特徴というわけではなく、当時のPCゲーに時々見られたような、PCゲーならではの作風と言えるのかもしれません。
そういう意味では、時代性を反映していたと言えるのでしょう。

この雰囲気を作り上げるのに大きく貢献しているのがグラフィックで、頭身低めの可愛らしいキャラデザになっています。
当時はもちろん、萌えなんて言葉はなかったのだけれど、今の萌え絵に通ずるような絵なので、個人的には今でも案外通じるのではと思うのですけどね。
グラフィックの描画も早めで、グラフィックは良かったです。

ちなみに、人によっては本作をアダルトゲーム扱いする場合もありえるし、私もコラムとかでは含めて考える場合もあるのだけれど、本作自体は大して描き込まれていない裸が、脱衣CGとして出てくる程度にすぎません。
今だと15禁にもならないかもしれない程のオマケレベルなので、一般扱いで考えた方が適しているように思います。

ゲームシステムに関しては、上記のようにコマンド入力式なのだけれど、あまり複雑な構造ではなく、単語を一つ入力するだけで進んでいきます。
そのため、難易度はそれほど高くないのですが、隠しコマンドが幾つも用意されていたり、コマンドの入力方法が様々な形式に対応していたこともあり、全体としては入力式の中でも良く出来ていたと思います。

それと忘れてならないのは、本作がマルチエンドだということです。
集めた証拠の種類により、ENDが変わってくるのです。
マルチエンドの作品は既に存在していることから、必ずしも元祖ではないのだけれど、それでまだマルチエンドが珍しいことも確かであり、ゲームの面白さの向上にはつながっていたと言えるのでしょう。
また、本作をアダルトゲーム扱いするのであれば、アダルトゲームのマルチエンド作品としては元祖か、それに準じるような最初期の作品になるのでしょう。

<総合>

総じて、欠点のない、バランスのとれた、良く出来ていた作品でしたね。

どこを重視するのかということで、私は欠点があっても明確なポイントのある作品を高めに評価しています。
だから例えば、85年では『天使たちの午後』を名作扱いしているのだけれど、ゲームとしての完成度や総合力は本作の方が完全に上ですからね。
したがって、完成度や総合力を重視する人ならば、本作を名作扱いすることになるのでしょうし、それが十分納得できるだけの作品でしたね。

ランク:B(良作)


Last Updated on 2026-02-28 by katan

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