『SYBERIA (シベリア)』は2002年にMicroidsからWIN用として発売され、 翌2003年に日本語化されました。
国外では標準形式でありながらも、 国内では珍しいP&C(ポイント&クリック)式のADVです。
<感想>
マルチメディアという言葉がもてはやされ、WIN95が馬鹿売れした時代。
国外におけるADVはMYST系が全盛でした。
このようなMYST系ADVは、国内でも数多く翻訳・移植されてましたね。
しかしブームが過ぎ去り、主に移植をしていたゲームバンクが倒産。
国内のADVは、ノベルものを除き激減しました。
国外では『The Longest Journey』などが登場し、P&CタイプのADVが復権を果たしたかに思えましたが、これもまたすぐに失速。
海外においてもADVはどんどん勢いを無くしていくことになります。
そんな状況の下、2002年に発売されたのが『SYBERIA』でした。
本作は、2002年のADVにおける賞を総なめしました。
GAMESPOTで9点台を叩きだしたADVも、これ以後は存在していません。
有力な対抗馬がいないという事情はありますが、それを差し引いても賞賛に値するでしょう。
当時世界最高クラスのグラフィックに加え、世界観の持つ雰囲気や主人公が女性であること等、既に最高傑作の呼び声も高かった『TLJ』との類似点も多く、絶えず比較されながらも、本作もまた絶賛されていました。
その大絶賛された『SYBERIA』が日本語化されたのが2003年。
まさかって、凄く興奮したのが半分。
もう半分は、英語版既に買っちゃったじゃんかよって悔しさでしたねw
国内におけるP&C式ADVの久しぶりの大物。
それが、『SYBERIA』だったのです。
P&C式ADVって何ぞやって人もいると思いますが、『SYBERIA』はCGの背景の上でポリゴンのキャラを動かし、画面上のあちこちをクリックして謎を解いたり、フラグを立ててストーリーを進めるゲームと言えば解りやすいでしょうか。
ただ、本作の場合、3人称視点のMYST系とも言えるのかもしれません。
この辺、ちょっとビミョ~です。
つまり、中間っぽいんですよね、コレ。
プレイヤーが表示されるし、ストーリーも楽しむ構造なので、基本的にはP&C式ではあると思うのですが、テキストを楽しむより絵や音で世界観を楽しむ意識の方が強いですし、パズルのような謎解きも一杯ありますからね。
個人的には生粋のP&C式ADVが好きな人よりも、MYST系ADVが好きな人の方が向いていると思います。
グラフィックは、確かに2002年の水準では最高ランクでしょう。
無機質な世界観も独自性があり、素晴らしいものでした。
ゲーム性の点でも現代っぽく携帯を攻略に使用する場面があり、新鮮味もありましたね。
したがって、本作が傑作であることに異論はないでしょう。
これを完全に上回ると断言できるADVも、そうはないと思います。
他方で、海外での絶賛ぶりはちょっといきすぎな気もしました。
そこまで絶賛されるほどの出来か?と思うのです。
キャラの移動等、ところどころでTLJよりも不親切ですので、ADVに慣れていない人だとストレスを感じることもあると思いますし。
実際、国内での批判の一番目立つ部分もそこにありますしね。
また、『SYBERIA』は、本作単独では完結しません。
ストーリーに関しては『SYBERIA2』をクリアして初めて完結するのです。
それに伴い、ボリュームも他の大作には及びません。
例えば、国内の同人市場では『月姫』に続く作品が待ち望まれ、『ひぐらしなく頃に』は実際の完成度以上にもてはやされた感があります。
同様に、TLJで活気を取り戻すキッカケを掴んだ海外ADV市場が、流れを逃すまいとして期待したのが本作であった。
そんな感じがするんですよね。
とはいえ、国内では希少なP&C式ADV。
それも歴代ではどうあれ、近年では間違い無しの傑作。
その存在価値は計り知れません。
ADVや謎解きに飢えてる人、独特な世界観に酔いしれたい人は買いでしょうね。
最後に余談ですが、日本語版は、「シベリア」という題名になっています。
本作は、架空のシベリアを舞台にしていますが、シベリアではありません。
だからこそのSYBERIAなので、カタカナならサイベリアでしょうに。
同様に、この会社の前の作品に『AMERZONE』という作品がありました。
架空のアマゾンを舞台にしてるんですけど、アマゾンではないのです。
この場合も、アメルゾーンでしょう。
何故に『シベリア』なのか、個人的にはいまだに違和感があったりします。
Last Updated on 2025-07-29 by katan



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