『ソードワールドPC』は1992年にPC98用として、T&E SOFTから発売されました。
ソードワールドという名前は、テレビゲームしかプレイしない人には、あまり馴染みがないかもしれません。
しかし、TRPGをプレイする人や、当時の富士見書房のラノベを読んでいた人には、かなり有名な名前でもあったわけでして。
<感想>
私は、テーブルトークRPGについては、本当に少しだけ齧った程度なので何も言えないのですが、小説の方は何本か読んだことがありますので、どちらかと言うとその印象が強いって感じですね。
そして本作は、そのソードワールドの世界をCRPG化したものでした。
さて、ゲームの内容なのですが、如何せんソードワールドのCRPG化なわけですから、テーブルトークRPGの色が濃く表れていました。
まずはミッションクリア型と呼ばれるように、幾つものショートストーリーを自由に進行できることが挙げられます。
国産RPGの多くはストーリー主導でしたので、この自由度の高さは本作の最大の特徴とも言えるでしょう。
ちなみに、シナリオは全部で50本強あるとのことですが、これは容量等の関係で削られた結果みたいでして。
当初は100本を予定していて、『ソード・ワールドSFC・PC全シナリオ100本集』というタイトルで、後に書籍で発表されています。
その本は読んでいないので分からないのですが、100本全部あれば良かったんですけどね。
なお、本作をSFCに移植したソードワールドSFCがあるのですが、ストーリーが更に半分ほどに削られているようなので、個人的には全くオススメしません。
また、戦闘ではなくシナリオをクリアすることで経験値を得ることとか、装備にパラメーターを満たす必要があるとか、そういった辺りも影響が見て取れました。
ここら辺は、馴染みのない人には抵抗もありえたでしょうが、個人的には新鮮さがあって良かったように思います。
<評価>
総合では良作ってところでしょうか。
この年は自由度重視のRPGも幾つか出てきていて、それだけではあまり大きなポイントにならないこと、及び他の特徴も結局はテーブルトークRPGの流用であることから、あまり大きな点につながらないこと、それでもプラス分はあるのですが、若干重かったりすることもあり、そのマイナス分と相殺って感じですね。
したがって、多少重くても気にならない人で、もっと自由度重視の人や、他のゲーム機のRPGのシステムに不満がありつつ、テーブルトークRPGが好きな人などには、もっと楽しめたと思います。
そういうわけで、個人的には良作としておきますが、魅力は非常に秘められた作品だったように思いますね。
ちなみに、今となっては98ゲーはプレイしにくくなっていますが、本作は「PC‐9801ゲームリバイバルコレクション」に収録されています。
この本は私も購入しましたが、こうやって手軽に遊べることは嬉しいものですね。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2024-08-27 by katan
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