『鈴木爆発』は2000年にPS用として、エニックスから発売されました。
爆弾解体、それは男のロマン・・・?
<ゲームデザイン>
ゲームジャンルとしては、アクションパズルとなるでしょうか。
もっとも、公式で「爆弾を解体するゲーム」と言っているように、爆弾の解体に特化した作品だと言うのが一番早いのでしょうが。
具体的には、みかんとかアイスコーヒーとか、日常で普通に見かける物の中に爆弾があり、それを制限時間内に解除することになります。
対象はポリゴンで作られており、解体する対象の数、すなわちゲームとしてのステージの数は全部で19になります。
一つ一つには制限時間が設定されていて、短いものは1分、長いものでは10分になります。
爆弾解体シーンって、サスペンスモノの定番じゃないですか。
誰しも映画とかドラマでハラハラした経験があると思います。
そんな経験を実際に味わってみたいと思っても、中々そんな機会はないですよね。
まぁ、本当に目の前に爆弾が置かれても困ってしまいますけれどw
そういう非日常的な要素を擬似的に体験できるのがゲームの利点であり、例えばミステリーゲームの『ノスタルジア1907』とかでも、物語の終盤で爆弾を解体するシーンがあり、あれには非常に興奮したものです。
というわけで、個人的には新しいゲームが出てきたというより、『ノスタルジア1907』の最後だけを一杯集めたゲームが出てきたって印象でした。
もっとも、ノスタルジアにしろ、他のゲームにしろ、アクセントとしてちょこっと出てくるだけなんですよね。
だからもっとまとめてやってみたいと思っていただけに、これは十分にありだなと思ったものです。
また、当然初めて知る人も多かったでしょうね。
基本的にアイデア勝負のような作品でもありますが、出来は良かったと思います。
ただ、解体特化でそれしかないゲームですからね。
それでいてステージ数が19しかないとなると、やっぱりちょっとボリューム不足なのかなと。
役者とか余計な部分にお金をまわすのではなく、もっと単純にゲーム部分にお金を回せていれば違ったでしょうに。
個人的にはアクションが苦手ということもありますが、アクション重視のパズルだけではなく、もっと純粋に思考力で勝負の爆弾であるとか、或いは一つくらいは数時間という長期戦のものがあっても良かったのかなと。
まぁこれは個人の好みなので、構わないですけどね。
<感想>
ステージ数を微妙に足りないと感じさせたのは、そのステージ間のつなぎ部分の存在が大きかったのでしょう。
本作は実写ゲーでもあり、解体する対象物に出会うまでは、実写による静止画で紙芝居として進行します。
とはいえ、ストーリー性は皆無でした。
静止画を連続させることで独特の間を生み、シュールさや馬鹿ゲーっぽさを演出するのには役立っていたのでしょう。
メーカー側はバカゲーを作るつもりであったみたいなので、狙い通りという意味では成功しているのかもしれません。
しかしストーリー性が皆無なために、爆弾解体部分や全体との関係が希薄になってしまいました。
そのために、分断された19のパズルという感じにもなってしまったのです。
もう少しストーリー性を持たせるとか、連続性によるまとまりを作れていれば、このステージ数でも満足度は高まっていたでしょうにね。
<評価>
こういうのは難しいですよね。
決して万人受けする作品ではないし、他人がどうこうというのではなく、こんな作品があるんだと知って、何か面白そうかもって思えたら買いなのでしょう。
他人の意見よりも、己の好みや直観を優先させてください。
また興味を持てた人ならば、大抵はそれなりに満足できると思います。
個人的にも良作としておきますが、名作と言うには他のパズルゲー並にもう少しボリュームを増やすとか、或いは別のインパクトも欲しかったように思いますね。
まぁ今なら安く手に入りますし、たまにはこういう作品も良いものだと思いますよ。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2025-01-26 by katan



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