『Sugar*Style』は2019年にWIN用として、SMEEから発売されました。
SMEEらしからぬ作品ではありましたが、キャラが非常にツボにきた作品でもありました。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
春はもっと楽しい季節であるべきだ――!!
悪い女に騙されたり、借金をこさえた親に夜逃げされたり……。
不運なトラブル続きでろくに進路を決められずにいた俺は、心優しい親戚の紹介で地方の専門学校へと進学を果たした。
『今度こそ俺は自分の人生を謳歌できる!』
そんな期待に胸を膨らませながら着いた【ひだまり寮】。
なんとそこは、女性しか住んでいない小さな学生寮だった!
きっとこの中に運命の出会いが……!
などと美人に囲まれ浮かれているのもつかの間、当然男は俺1人なので警戒されてしまう流れに……!
しかし、俺はまだあきらめない……!
今年の春こそは、絶対に楽しい時間にしてみせる!!
<感想>
SMEEの作品は単に読むだけではなく、何かしら工夫している作品が多いことから、何だかんだで注目し続けているのですが、最近は少しずつ関心が薄れているように思います。
そのため最初は、本作にもあまり期待はしていませんでした。
しかし、体験版をやったみたら、予想外にとても楽しめたので、それでプレイしようと思ったという感じですね。
本作のような設定、つまり寮に男性は主人公一人で、他は皆女性というシチュは、わりとよくあると思います。
そのため、設定自体に特に目新しさはないのでしょう。
ただ、本作は主人公だけでなく、ヒロイン達も初対面であるところ、主人公を含めたキャラ達全員が、共同生活を経ることで、互いを少しずつ知っていくわけでして。
その過程が、本作では、わりと良く出来ていたように思います。
そういう意味では、本作の良い部分は後半の個別ルートではなく、むしろ前半の共通部分にこそあるといえるのでしょう。
まぁ、本作に関していえば、私の場合、キャラがツボにきたということが大きいかもしれませんね。
読んでいて全体的に楽しかったですし、どのキャラも良い味を出していたのですが、その中でも特に、真央が気に入りました。
こういう見た目のキャラは、普段はほとんど好きにならないし、後輩キャラもあまり好きになることはありません。
だからプレイする前は全くノーマークだったのですが、我ながら珍しい体験でした。
上記のとおり、本作の場合、楽しさのピークが個別に入る前まででもあり、最後の伸びがないので、あまり名作とか言われるタイプの作品ではないかもしれません。
しかし、私は、プレイしていて単純に楽しかったです。
ところで、SMEEの作品に今まで私が注目していた理由は、このブランドがゲームデザインにも凝る傾向があるからです。
本作も、多少は構成面とか多少考えているようですが、実質的には普通のノベルゲーと大差ありません。
なお、本作では、個別ルートに入ったあとに、ヒロインの部屋の中を画面クリックで調べる場面があります。
もっとも、これは忘れた頃にしか出てこないうえ、あまり効果的に使われているとは思えませんでした。
これ、もっと序盤から混ぜた方が良かったのでは?
たとえば、まだヒロインたちとの仲が良くなる前、主人公は誤解でよく変態扱いされたりするのですが、画面クリックで偶然見つけたものから誤解を招くとか、もう少しやり方があったように思います。
大半のユーザーは気にしないかもしれませんが、SMEEファンはこういう部分にも期待していると思います。
ファンであるほど残念に思いかねないわけで、ここはちょっと残念でしたね。
<評価>
総合では良作とします。
個人的には、プレイしていて凄く楽しかったです。
ただ、楽しくはあったけれど、それはテキストやキャラが自分に凄く合ったからともいえます。
あと、真央が可愛かった。
他方で、ゲームデザインに凝るというSMEEらしさは、本作では薄くなっており、これでは他のブランドとかわりません。
仮に本作のテキストやキャラが自分に合わなかったとしたら、私は本作を低く評価していたでしょう。
したがって、個人的には楽しめたけれど、SMEEファンにはおすすめしにくい作品でもあると思います。
できれば次回作以降は、昔のようなSMEEらしさを感じられる作品を作ってもらいたいですね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-09-06 by katan
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