シド・マイヤーズ アルファケンタウリ

2000

「シド・マイヤーズ アルファケンタウリ」(SMAC)は、2000年にWIN用として、エレクトロニックアーツから発売されました。
オリジナルは1999年に発売された『Sid Meier’s Alpha Centauri』で、本作はその日本語移植版になります。

<概要>

ゲームジャンルは戦略SLGになります。

シド・マイヤー、或いはシド・メイヤーの代表作に、世界中で大ヒットしている『シヴィライゼーション』シリーズがあります。
端的に言うと、本作はそれの宇宙版といえる作品になります。
『シヴィライゼーション』を知らない人向けに説明しますと、本作は宇宙を舞台にしたSLGであり、もっと厳密に言えばターン制のストラテジーゲームとなります。

<感想>

個人的には、『シヴィライゼーション』は、斬新さと完成度の両方を最も高いレベルで有していたSLGだと思っています。
本作は、その作品をベースに、舞台を宇宙に変えただけと言ってしまえばそれまでですが、SF的な内容になったことで現実世界に存在する制約が減り、より柔軟なアイデアも導入されましたし、基本的なシステム面もかなり良くなっています。

また本作においては、戦略物で軽視されがちな外交が重要なのも、非常に好印象でした。
元々非常に完成度の高かったシステムをアレンジしつつ、更にプラスアルファしてくるわけですからね。
これは大したものです。
さすがシド・マイヤー、本家は他とは違うねと、発売当時は思ったものです。

さて、ここで訂正すべきことがあります。
情報がなかったとは言え、恥ずかしいものですね。
当時からコールトゥパワーとかは別人の制作と知っていましたが、CIV2や本作については、シド・マイヤーが作ったとばかり思っていました。
いや、少なくとも日本での発売時は、それが定説のように言われていたと思います。
そもそも、タイトルからして「シドマイヤー」ってなっていますからね。
しかし実際には、シド・マイヤーは監修だけで直接には作っておらず、ブライアン・レイノルズらが制作したみたいです。
そのため、私も後で知って非常にビックリしたのですが、まぁ誰が作ろうとも面白ければ構わないわけで、これはこれでSLGの完成形の1つかもしれませんね。

<評価>

そういうわけで、総合としても文句なしに名作といえるでしょう。
もっとも、私の基準では純粋なSLGは点数がつきにくいこともあり、純粋なSLG好きならもっと楽しめるように思いますので、そういう人にはぜひやってもらいたい作品ですね。

ここからは余談なんだけれど、『エイジオブエンパイア2』が99年に発売されました。
そして、それ以降、SLGにはRTSブームが到来し、発売される大物はRTSばっかりになりました。
もちろん、RTS好きには最高の時期を迎えたといえるのでしょう。
しかし、アクション系をあまりプレイせずに、まったり考えることが好きでSLGを始めた私みたいなのにとっては、非常に肩身の狭い時期に入ってしまったのです。
またそれ以上に、ゼロ年代は、RTS以外のSLGそのものが勢いを失っていきました。
その結果、斬新なシステムの作品が出てこないのはもちろんのこと、グラフィック面とかもRPGとかの他の非アクション系より、大幅に遅れをとるようになっていきました。
また、ゲーム業界全体が高難易度のゲームを嫌う風潮になりましたしね。
だから歯応えのあるターン制のストラテジーってのは、私の中では2000年頃に終わりを迎えたジャンルなわけで、最後の超大物と呼べる作品がSMACだったのです。
そういう意味で、結果的に印象深くなった作品でもありました。
高難易度だし、SFだし、説明書も分厚いしで、初心者には厳しい玄人向けのゲームという意味で、どうしても人は選んでしまうかもしれません。
そのため、入門用としては薦められないかもしれませんが、この手のゲームが好きな人は絶対にやっておくべきゲームだと思いますね。

ランク:AA-(名作)

ソフトシド・マイヤーズ アルファ・ケンタウリ 完全版

Last Updated on 2024-04-18 by katan

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