『世界ノ全テ』は2002年にWIN用として、たまソフトから発売されました。
当時の関西弁の女子キャラブームの一端を担った作品ですね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
波の音がまだ記憶に残る、この町に帰ってきた俺。
8年の歳月は、漠然としていたあの頃の希望を無力に変えただけだった。
期待に応えられない自分に苛立ち説教する父、自分と同じように意見を持たない母、自分とは正反対の兄。
そんな籠に閉じ込められながら、いつも心のどこかで、あきらめることばかり考えていた。
何一つ達成することの出来ない劣等生の自分に嫌悪しながら。
誰も必要としていない自分に、もう何処にも居場所はないのだと。
そう思っていた。
あの日、あの場所で、君に出会い、軽音部に入るまでは。
<感想>
ストーリーとしては青臭い青春路線のノベルゲームで、いわゆる鬱ゲーとなるのでしょうか。
この当時はこういう路線が多かったですね。
ヘタレ主人公であるとか、鬱系であるとか。
良く言えば流行に乗った時代を象徴する作品となるだろうし、悪く言えば2番煎じにも感じられてしまうと。
もっとも、似たような作品が周りに多い中にあっては、その中ではわりと評判は良かった方だと思いますし、この当時のこの系統の作品を求めているならば、やってみて損のない作品なのでしょう。
ただ、こういうラノベ的な青臭い話は、はたしてアダルトゲームに適しているかとの疑問は残ってしまいます。
10代の半ば頃に、コンシューマーのギャルゲーとして出会っていたら、或いははまっていたかもしれませんけどね。
まぁ、それはそれで構わないとしても、基本的にごく普通のストーリーだよなと思うわけで。
当時から智子ルートだけ別格と言われていましたが、逆から言えばそれ以外のルートは物足りないわけでして。
私は気に入ったルートが1本あればそれでも満足できちゃうのだけれど、フルコンプしなければ満足できない、そして全てのルートで一定の満足を得られないと駄目という人だと、ちょっとコスパが悪く感じてしまうかもしれません。
その意味では、若干人を選んでしまうのかなと思ったりも。
余談ですが、当時は長いタイトルの作品も増え始めていたところ、タイトルの中の感じでない部分だけを取り出して略称で呼ばれる作品も少なからず存在しました。
「はにはに」とか有名でしょうか。
本作のタイトルは別に長くもないと思うので、そのまま呼べば良いように思うのですが、当時の傾向にあわせて、「ノテ」と呼ばれることもありました。
今のユーザーだと、「ノテ」と言われてもなんのこっちゃと思うでしょうが、たぶんゼロ年代前半のユーザーに「ノテ」と言ったら意味が通じるはずです。
本作について、もう1点言いたいことがあるとすれば、同じ年にリメイク作品を出すなよと。
その時点で最初のは未完成品だと言っているようなものですから、ちょっと制作姿勢には疑問を持ってしまいました。
そのため、普通に楽しめる、決して悪い作品ではないものの、全体的にあまり印象の良くない作品でもありましたね。
最初からリメイク版が発売されていたら、少なくとも、もう1ランクあがるでしょう。
<評価>
サウンドはやや良かったものの、その分、グラフィックの物足りなさは残りますし、システム面も含めて、如何にもこの頃の作品っぽい作品だったよなと、あらためてそう思いますね。
シナリオの良い作品を求めて手を出してみたものの、他とは違う何かを求める私とは基本的に相性の悪い作品だったように思います。
それを除いても、リメイクがすぐ出るように、本作自体は不完全なところもあった作品といえるのでしょう。
今と違って、あの頃は片っ端から手を出していたからなぁ・・・
まぁそれでも智子ルートだけで元は取れたと思いますので、総合でも佳作ってところでしょうか。
なお、今は更なるリメイクの『世界ノ全テノ全テ』という作品が発売されています。
何も知らないで今からプレイするのであれば、その作品を最初からプレイした人が一番幸せなのかもしれませんね。
ランク:C-(佳作)

Last Updated on 2025-03-26 by katan
コメント
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
ネットで評判が良かったのでプレイしたのですが、大人向けのゲームではないなという感想でした。
思春期の中高生にはやらせてみて色々考えてもらってもいいかもしれないとは思うのですが、これは18禁ゲームなので堂々と進めることはできませんし(汗)
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
本作を含め、この時期の、いわゆるシナリオゲーと呼ばれる作品は、わりとそういう中高生向けみたいな作品が多かったように思います。
最初からPS2とかでの発売なら問題はないのでしょうが、何でこれをエロゲで出すのかなと、疑問に思った作品も幾つもありましたね。