虜囚 RYOSYU

2009

『虜囚 -RYOSYU-』は2009年にWIN用として、暗黒劇場から発売されました。

『虜』シリーズの広崎悠意さんの制作する調教SLGということで注目した作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルは調教SLGになります。

人生に失敗し恋人にも逃げられ、絶望した男が自殺を決意する。
いよいよ死のうと踏み切りの前に立ったとき、男は見知らぬ女に声をかけられた。
女は、男に一粒の薬を渡し「それがいつでも楽に死ねる薬」だという。
男は、その薬と引き換えに、女に一人の少女の調教を依頼される。
この世に別れを告げようとした男が、隔離された山荘での調教生活を持ちかけられた。
用意された山荘に居た調教ターゲットも自殺を考える少女だった。
男と違い無理やり連れて来られた少女は、辱めを受けながら気丈にその状況に抵抗した。
少女を二週間で堕とせというのが、謎の女から与えられた指示だった。
そして、屋敷の地下には調教部屋が……。
自ら人生に終止符を打とうとした二人の男女の、調教という名の奇妙な交流が始まる。

<感想>

本作は広崎悠意さんの作る調教SLGということで、『虜』ファンのみならず、多くの調教SLGファン待望の作品といえるでしょう。
『虜2』(1997)からも10年以上経ってますからね、もう広崎さんの作る調教SLGは遊べないと思っていただけに、これは非常に嬉しかったですね。

もっとも、本作はフルプライス作品ではなく、小規模な低価格作品です。
まぁ、価格もそうですが、私は広崎さんのブログもたまにのぞいてますので、『虜3』と呼べるような大規模な作品にならないことは、事前に予測できていました。
小粒な作品になるということは、個人的には残念でもありましたが、状況を考えれば仕方ないのかもしれませんね。
ここは素直に発売されたことを喜んどきましょう。

さて、肝心の内容ですが、規模の関係で攻略対象が1人になっています。
従来の虜シリーズは3人だったことから、数が減ったことになります。
また、数が減ったということは、その分だけ、難易度も下がったと言えるでしょう。

とはいえ、そこはさすがに広崎さんの作る調教SLGです。
ストーリーといい、システムといい、『虜』が有していた魅力は存分に受け継いでいます。
というか、端的に言えば本作は、『虜』小型版って感じですね。

『虜』に興味はあっても、古すぎることが気になって、それで購入しきれない人もいるでしょう。
また、グラフィックに抵抗がある人もいるでしょう。
そういう新規層には調度良い入門用って感じなのではないでしょうか。
グラフィックなんかも、こっちの方がとっつきやすそうですしね。

逆に『虜』経験者は、『虜』以上のものを求めるならあえてプレイする必要はないでしょう。
でも、またあの雰囲気に染まりたいっていうのなら、十分に楽しめると思いますね。

個々の要素について少し補足していきますと、グラフィックは相変わらず良好です。
鬼畜系のCGもちゃんとありますし、○○○を食べさせるCGなんてのもありました。
私はスカトロはちょっと苦手ですが、調教の果てにここまで出来るようになったときは、結構感慨深いものです。
それと、好き嫌いは別として、精神崩壊ENDには驚かされましたね。
あのCGは、98時代なら語り継がれていたんじゃないかな?
結構グロいというか、インパクトがありましたからね。
苦手な人にはトラウマものかもしれません。

システムに関しても基本的には良いのですが、鞭で好きなところを叩く要素がなくなったのが残念でしたね。
『虜』では自分で任意に叩く場所を選択することができ、それに応じて鞭の痕がつきました。
発想的には画面クリック系のADVに近いものですが、私はそれがとても好きだったんですよね。
他の調教SLGにはない『虜』の独自要素でもありましたし、ここは残しておいて欲しかったかなと思います。

<評価>

不満点もありますが、十分面白かったです。
近年は鬼畜系というと、すぐに抜きゲーにされてしまいそうですが、鬼畜系だってライターの哲学やメッセージ性に富んだ作品があっても、何ら構わないわけです。
いや、むしろそういうのこそ、アダルトゲームに相応しいとすら思います。
広崎さんはそういった部分が優れているわけで、まだまだ健在って感じでしたね。

そういうわけで、個人的には十分楽しかったのですが、やっぱり小粒な作品だし過去の名作と比べてしまいますので、総合的には良作にとどめておきたいと思います。

ランク:B-(良作)

虜囚

Last Updated on 2024-05-13 by katan

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