Princess Knights

2002

『Princess Knights』は2002年にWIN用として、ミンクから発売されました。

ミンクらしい、大作SRPGだったのですが・・・

<概要>

総勢28人の美少女と共に戦い、愛し合えるっ!
人気老舗ブランド“ミンク”が4年の製作期間を費やして開発した、本格タクティクス&恋愛シミュレーションがいよいよダウンロードで登場!
高度な戦略と奥深いゲーム性を秘めた三次元立体マップ上で、剣と魔法のファンタジックで幻想的なバトルが展開する!
そして本作の味噌はなんといっても「ナイツ」システム。
竜の血族である主人公の力をヒロインに与え、特殊能力を持った仲間にしていくのだが、その方法はなんとエッチ! 
ヒロインを仲間に加えることを決定すると、エッチイベントが発生する仕掛けになっているのだ。
攻略対象キャラは「ナイツ」以外も含めて、なんと怒涛の28人!
全員にエッチシーンが用意されている。仲間にしたキャラは会話、プレゼントなどで好感度やパラメータが変化するなど恋愛シミュレーションの要素もバッチリ押さえてある。
当然エンディングに影響するだけでなく、戦闘中のパラメータにも影響するので、女の子との上手な付き合いも気が抜けないぞ!

<感想>

20周年も迎えたミンク。
ゼロ年代以降にアダルトゲームデビューした人だと、あまり馴染みのない人もいるでしょう。
なんなら、ゼロ年代後半に始めた人だと、存在自体知らない人も多いのかも。

でも、デビュー当時から異色の存在として注目され目立っていたし、90年代後半には意欲的な作品を連発していて、個人的には注目度の高いブランドだったんですよね。
個人的な印象を抜きにしても、例えば1999年発売の『夜勤病棟』なんかは、いわゆる抜きゲーであるにもかかわらず、確か年間売上でもトップ10以内に入っていましたし。
集計の関係で年間ごとに区切られるけれど、2000年でも上位に食い込んでいたので、トータルではあれ、かなり売れたでしょうね。
ちょっと調べてみたら本作も年間10位にいるみたいですし、ミンクも一時期は大手だったのですよ。

そして一時期は非常に勢いのあったミンクが失速し出した原因を振り返ると、やっぱり本作辺りなのかなと思います。
単純にRPGやSLGは本数が少ないので、それで当該作品自体は売れやすいという傾向はあるのでしょうが、クオリティの面ではってことですね。
そもそもミンクは、全体としてはADVが中心になっているものの、元々はSRPGの『WONPARAウォーズ』でデビューしました。
SLGでデビューするブランドも出てきたということは、エロゲ業界においてかなりのインパクトを有していましたし、アダルトゲームの進化の象徴とも言えたわけでして。
ミンク作品にADVが増えたとはいえ、ミンクにはSLG系の作品こそ似合うと言うか、初心に戻った感じでもあり、この作品に期待した古参のファンも多かったでしょう。
だからこそ本作は売れたのでしょうが、それだけに楽しめなかったことの反動が、次作以降にやってきてしまったと。

さて、総論染みた話ばかりになっていますが、本作はSRPGであり、イメージ的にはCSのSRPGにエロを付けた感じでしょうか。
上記のようにミンクはCGの綺麗さとSLGである点をウリにデビューし、本作は原点回帰的な作品でもありました。
グラフィックはさすがにミンクといった感じで綺麗だったのですが、ゲーム部分が単調すぎましたね。
シナリオに関しても、ヒロインが28人と非常に多いことから、一人一人がかなり薄くなっています。
構造的に周回プレイが前提になっているものの、ゲーム性は低いし、個別も薄いことから、どうにも繰り返してプレイする気になれないわけでして。

CGなど良い点がないわけではないのでしょうが、トータルではもの足りなさの方が目立った作品でした。
ミンクの得意分野だったと思うのですが、それだけに残念でもありましたね。

ランク:D-(凡作)

Princess Knights dl

Last Updated on 2025-04-23 by katan

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