『ぽっと -Rondo for Dears-』2006年にWIN用として、あんくから発売されました。
何気に玄人好みな、地味な良作でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・「この店が・・・閉店?」。
ファミリーレストラン『トリアノン』北橋店は、この夏を最後に店を閉じるよう本部から命ぜられた。
人員整理を仰せつかった主人公城島一誠は、同様に閉店する系列店『カフェ・ヴィトー』から人材を預かる。
閉店までの期間、マネージャーとして店を管理し、スタッフの中から『残す者』を選ばなければならないという、とんでもなく重い役目がのしかかってくる。候補に挙がるのは五人の女の子。
そんな顔ぶれと共にはじまるLast Summer Order。閉店まで二ヶ月弱。
皆それぞれの想いを抱いて、残された時を刻んでいく。
主人公はそれらと向き合って、彼女たちの隠された気持ちを引きだしていかねばならない。
そして主人公自身もまた、彼女たちに支えられ、気づかされ、進むべき道を探っていく。
過ぎゆく夏を、忘れられないものにする。大切な人たちと、紡ぎだすロンド・・・。
<感想>
お店ものと呼ばれる、店を舞台にした作品というものは、アダルトゲームの中にも既に何本もあります。
その多くは何かしら危機が発生しつつも、皆で頑張って乗り切ろうって流れです。
本作もまたレストランを舞台にしていることから、広い意味ではお店ものになるのでしょう。
もっとも、本作の舞台となるレストランは、既に閉鎖が決まっています。
存続のために危機に立ち向かうのではなく、今後のスタッフへのフォローであるとか閉店へ向けた動きが中心であり、他のお店ものとは方向性が異なっていますし、それが設定面での他との違いであり特徴なのでしょう。
ただ、本作は良くも悪くも地味なんですね。
特別に盛り上がるイベントもないし、笑えるギャグも過剰な萌え演出もありません。
だからパッと見だと、印象の薄い作品と思われかねないのでしょう。
典型的な萌えゲーが好きな人であるとか、派手なイベントで場面的に盛り上がれば、それだけでシナリオ重視とか言い出すようなユーザーには、良さが分りにくい作品なのだと思います。
そういう意味では、決して初心者向け向けでもないのでしょう。
本作の主人公は社会人ですし、いわゆる学園ものの主人公よりも年齢が高いです。
ヒロインらも年齢は高めになるでしょうね。
そして大事なのは、これら登場人物は年相応だということでして。
まぁ20代って言っても、結構中身は子供なところも残していますから。
たまにそんな所はのぞかせつつも、大人として社会人としての対応や配慮がきちんとできているわけでして。
厨二だの設定年齢よりガキな主人公ばかりが蔓延している今のエロゲ市場において、この落ち着いた主人公の存在はプレイしていてホッとできるのです。
鈍感で何の取り柄もない主人公がイベントを経るとモテモテ。
そういう不自然な流れのゲームが多く、しかも好まれる現状にあって、本作にはそうした派手な要素がないかわりに、主人公とヒロインらが少しずつ関係を構築していきますので、結ばれる過程も自然に感じられるのです。
一見すると、数あるお店ものと同じように感じるかもしれないし、埋没しやすいからブランド最後の作品になってしまったのかもしれないけれど、上記のように他とは異なるし、丁寧に作られた作品でした。
エロゲって18歳以上がプレイするわけですからね。
何も主人公が高校生である必要はないでしょうに。
こういう作品は、本当はもっとあっても良いと思うのですけどね。
<評価>
特別何かに秀でた作品というわけではないし、システム周りとかもむしろ良くない方ですからね。
中々名作とは言われにくい作品だと思いますし、私も良作としておきます。
上記のように本作は、初心者には面白さが伝わりにくいだろうと思う一方で、ガキが主人公のエロゲには飽きたよ、もっと大人が良いとか、笑って萌えて派手にドンパチするだけが取り柄のテンプレ作品に飽きたような、もうエロゲに飽きてしまったのかな、引退するかなとか思うような人こそ、楽しめる作品なのではないでしょうか。
その意味で、かなり玄人向けの作品なのでしょう。
恋愛ゲーは昔は好きだったのに今は楽しめなくなったなと飽きを感じているならば、そんな人にこそ本作は楽しめると思うし、プレイしてみてもらいたいものですね。
ランク:B-(良作)

Last Updated on 2026-02-22 by katan

