『パコられ』は2013年にWIN用として、ゆにっとちーずから発売されました。
音声の優れた鬱ゲーでしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
EDが3個で、選択肢も非常に少ないです。
選択肢でセーブをしておけば、攻略も容易でしょう。
商品紹介による、あらすじ。
「……大学生になって二年目、初恋の相手だった女の子から手紙が届いた。
子供時代に勇気をくれた少女、安芸紗倉。
主人公、紺野惇は、もう十年ぶりになるその女性に会いたいと約束を取り付ける。
しかし……待ち合わせ場所に現れた彼女は、昔とすっかり様子が変わってしまっていた。
「私を、助けてくれる?」
瞬間、惇は不可思議な世界に飛ばされる。そこは夜道のコインパーキング。
紗倉が襲われ、涙ながらに処女を奪われる瞬間に降り立っていた……。
<感想>
開始時の主人公は小学生ないし中学生ということもあるのですが、厨二な思想全開の主人公とヒロインなわけでして。
それで最初は不安にも感じたのだけれど、互いに成長しようと、それぞれの道を進むことを決意、大学生になり再会したところから本編が始まります。
子供の頃は純真だったヒロインが、すっかりスレた感じに変わっており、それがあらすじの「すっかり様子が変わってしまった」になるわけです。
そしてそこから、別れてから再会までの空白の期間に少女に何があったのか、回想というか追体験のような感じで物語が進行していきます。
簡単に言ってしまうならば、ヒロインがレイプされたり次々に不幸に見舞われたと。
次々に降りかかる不幸の嵐は、ライターにとっての一種のご都合主義であり、読者側が白ける原因になりかねません。
それを感じさせないのは、基本的なライターのテキストの上手さと、声優さんの熱演なのでしょうね。
テキストによる心理描写と気迫のこもった声に感情移入すると、かなりきつく、こちらの心に響いてくる可能性があります。
<評価>
いわゆる鬱ゲーとされる類の作品です。
鬱ゲーの中には好きな系統もあり、私もよくプレイします。
もっとも、本作のようなライターにとってのご都合主義で成り立つ類は、昔から一貫して否定的な立場をとっています。
故に、個人的には、ストーリーに関しては良いとは思えませんでした。
もっとも、個々のテキストと声優の熱演の相乗効果には見るべき点もあり、総合ではギリギリ佳作としておきます。
私個人の感想はそんなところですが、他方で、こういう鬱ゲーが好きって人もいるわけでしょ。
この手の作品は今の主流層には好まれないでしょうが、もう少しボリュームを増やして萌え絵で作り直して商業で出していたら、10年程前なら結構な話題作になっていたように思いますし。
10年くらい前の鬱ゲーブーム時も、とにかく萌え絵で不幸展開にしておけって作品で話題作になったのも多いです。
そういう作品は私は駄目な作品だと思うのですが、逆に良いと思う人もいたみたいですし、そういう人には本作は向いているのでしょう。
なので、もしゼロ年代前半の鬱ゲーが好きだけど最近のエロゲが合わないと嘆くならば、本作をチェックしてみるのも良いと思いますね。
ランク:C-(佳作)
Last Updated on 2024-11-06 by katan
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