『きみはね 彼女と彼女の恋する1ヶ月』は2015年WIN用として、BaseSon Lightから発売されました。
小粒ながらも、よく纏まった百合ゲーでしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
天使が現れると噂のある全寮制の女子校『聖葉女子』で、クリスマスも近付く二学期末から物語は始まる。
この春に入学し、ルームメイトとなった陽菜、倫、文の三人。
境遇も性格も違った彼女たちだったが、一つ不思議な共通点があった。
それは幼い頃に天使を見た記憶を持つことだった。
彼女らは次第に自分以外のルームメイトを天使ではないかと疑い出すのだが・・・
少女たちは大袈裟に喜怒哀楽しながら、日常とふざけあう。
日々は、ときに真剣に、ときになおざりに消費され、大切な思い出になる。
実はそんなHappy-Go-Lucky(楽天的)でLoose(ゆるい)なGraffiti(物語)。
商品紹介・・・まるで性格の違う三人の少女が織りなす日常コメディ。
四コマ漫画のようにテンポよくエピソードが積み重ねられていくミルフィーユのように甘いガールズラブストーリー。
<感想>
上記の商品紹介が端的に説明しちゃっている感じですかね。
本作は、いわゆる百合ゲーになります。
レズゲーではないので、肉体目的であるとか濃厚なエロがあるとか、そういう類の作品ではありません。
三人の少女の日常と精神的なものが中心になりますので、あくまでも百合ゲーということですね。
「四コマ漫画のようにテンポよく」とありますように、プレイしていてそのテンポの良さは感じられました。
元々ボリュームが少ないこともありますが、だれることなく一気に楽しめてしまいます。
それと、アダルトゲームでは二者間の会話シーンが多いように思いますが、本作では三人で会話する場面が多いです。
この辺も、テンポの良さとか会話の楽しさに貢献しているでしょうね。
本作は三人のキャラにつき、それぞれのカップリングで描かれますので、合計で3つのルート用意されています。
それぞれのカップリングがあるだけでなく、百合に関しては漏れることなく手堅くまとめていった印象ですね。
特に光る部分があるわけでもないので、何か新しく得るということもないのですが、百合好きが求めるものをしっかり拾っていることで、百合ゲー好きの大半を満足させる内容になっていると思います。
議論の余地があるとすれば、それ以外の部分となるのでしょう。
というのも、本作は上記3つのルートが終わると、最後に観測者である天使の視点で物語が描かれます。
この辺は、本作のライターである、「うつろあくた」さんらしい作品だとも思うし、メタゲーとか好きな人や、エロゲ記事とか書いている一部の層に好まれそうな作品だなと思いますので、肯定的に捉える人もいると思います。
他方で、そのルートはエロもなく完全にシナリオを読むだけですので、レズゲーのようにエロを多く欲しいと思う人には、このルートは蛇足でしかないでしょう。
こんなルートに分量を割くくらいなら、もっとエロ入れろやって意見も十分にあるでしょうから。
まぁどっちの意見が正しいということでもないと思うけれど、一つ言うならば、本作のようなエロ軽視ストーリー重視路線は、ネットとかでのレビュアーの評価は良くなりやすいけれど、売上とか次作への購買意欲につながらないんですよね。
本作が抜きゲー比率の高いDL専用ということも考えると、この方向性が良かったとは思いにくいのですが・・・
このエロ云々の話とも関連するのですが、本作は基本CGが少ないです。
3人が寝ながら会話するシーンのカットインなど、グラフィックの使い方に関しては上手いなと思わせる部分もあり、ストーリー重視という人だとCGへの不満も出ないかもしれません。
しかし、CGが目当ての一つになっている人だと、ちょっと不満に感じてしまうでしょう。
客観的にみても、本作が約3000円であることから考えると、基本CG15枚というのは少なすぎですからね。
<評価>
手堅くまとまりつつも終始楽しめましたし、ストーリー的な観点からは良作相当の作品だと思うものの、ちょっとCGが少なすぎますからね。
評価としては、佳作ということにしておきます。
もっとも、百合好きの多くが納得できる内容ですし、基本CGの量に全くこだわりがない人であれば、良作と感じられる作品だと思いますね。
ランク:C-(佳作)
Last Updated on 2024-09-21 by katan
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