想い出の彼方

2000

『想い出の彼方』は2000年にWIN用として、PL+USから発売されました。

結果的に、ブランドの代表作となった作品ですね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
画面全体をテキストで覆うタイプの、いわゆるビジュアルノベルになります。

あらすじ・・・
主人公はそろそろ夏休みも終わろうとしていた八月中旬、ポストに同窓会の案内が入る。
五年間渡里市に帰郷した事が無かった主人公は、これを機会に一週間ほど帰郷することにした。

ゲーム概要・・・
前半パートで主人公の想い出の中にある街を描きつつ、それに対比させて現在の街とのギャップをプレイヤーに伝える。
中盤で女性キャラとの交流、そしてキャラ独自のストーリーが展開していく。
変わっていく街並み、色あせていく自分の中の情景。
楽しかった日々、忘れられない想い出、忘れたい記憶。
想い出と言っても様々で、各キャラごとに違ったアプローチでそれを語っていく。

<感想>

ビジュアルノベルということで、テキストが画面全体を覆うタイプになります。
アダルトゲームでこの手法を用いること自体、あまり適していないと思いますけどね。
もちろん、何らかの工夫があれば別ですが、本作にそういうのはなかったですし。
ただ、本作の場合、エロは期待できないし、キャラがたっているわけでもないし、特徴となるのはテキストくらいしかないので、そのウリとなるテキストを前面に持ってきたという意味では、作品に合った構造とはいえるのかもしれません。

また、この時期のいわゆるシナリオゲーにしては珍しく、音声付きの作品でした。

ストーリーはサスペンスにファンタジー要素が混ざったものといえるのでしょうが、特に優れているわけでもなく、ごく普通といった印象でした。

上記のように本作は、ゲームデザインに特徴があるわけでもなく、システムも優れているわけではなく、演出も優れておらず、キャラも少ないうえに、あまり魅力があるわけでもなく、ストーリーも良いとは言えないことから、特徴と言えるのは本当にテキストしかありません。

心理描写を丁寧にしているということで、この時期の、いわゆるシナリオゲー好きには、おそらく好まれる類の作品なのだと思います。
したがって、シナリオ(≒テキスト)さえ良ければOK、他の要素は求めないという人であれば、本作をプレイして損はないと思います。

そうでない場合、とにかく地味な作品なので、あまり楽しめないかもしれませんね。

<評価>

総合では凡作としておきます。

この手の作品をプレイすると、私は、小説でも読んでた方がマシと考えてしまうこと、特にテキストだけが特徴という作品の場合、どうしても評価は低くなりがちです。
もっとも、上記のとおり、シナリオ(≒テキスト)重視ですという人なら、おそらく好まれる作品だと思いますね。

ランク:D(凡作)


Last Updated on 2025-01-28 by katan

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