蘭丸

1992

『蘭丸 -LAM-MAL-』は1992年にPC-98用として、フェアリーテールから発売されました。

いかにもPC98時代の作品らしい、何でもありの珍妙な作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。
詳細は後述します。

蘭丸と言うとどうしても戦国時代の森蘭丸を想像してしまいますし、今ならBLゲーになるんだろうなとかいろいろ考えちゃいますが、残念ながら(?)その蘭丸ではありませんし、当然BLでもなく普通のアダルトゲームだったりします。

舞台は架空の江戸といったところでしょうか。
吉原や大奥で殺人事件が発生。
その殺人事件を解決するために、柳生十兵衛は秘蔵っ子の忍者である蘭丸に命じます。
つまり、蘭丸はくの一ってことですね。
そして主人公はその蘭丸の助手として、一緒に事件の解決にあたることになります。

<感想>

蘭丸の色っぽさが何ともたまらない作品でしたが、花魁として客をとったりしますからね。
つまりは非処女なわけで、私は特に問題はなかったのですが、設定的に最近は抵抗がある人が多いかもしれませんね。

一見すると真面目な歴史ものとか推理ものって感じもするのですが、実は全然違います。
歴史上の人物に、忍者に花魁に妖怪に宇宙人に・・・と、プレイが進むに従い、もう何でもありになってきます。
このゲームに細かい整合性なんか求めてはいけません。
痛快時代劇と割り切ってプレイするのが一番でしょう。

<ゲームデザイン>

本作の変なところは、ストーリーだけでなくシステムにもあったりします。
システムは広い意味ではコマンド選択式のADVになります。
何が変かと言いますと、下の画像の右サイドに変な顔がありますよね。


コマンド選択をする際に、この顔をクリックしなければならないのですよ。
「考える」なら、脳みそをクリックして、その後出てきたコマンドを選択します。
「はなす」なら、口をクリックして、その後出てきたコマンドを選択するってわけです。
何ていいますか、脳みそや鼻とかがピクピク動いている様子は、シュールというかハッキリ言ってキモいです。
何考えて、こんな変なものを用意したんでしょうね。
どうせなら欄丸の女体を横に置いて、それをクリックさせていたら、システム好きな私なんかは喝采を浴びせていたかもしれないわけで、発想自体は悪くないだけに勿体無く思いましたね。

本作は他にも、例えば途中でダンジョンは出てきますし、武器を購入したりRPG風の戦闘があったりします。
先ほど広い意味ではコマンド選択式のADVと書きましたが、ADV+RPGと表現した方が良いと考える人もいるでしょうね。

<評価>

ストーリーも、システムも、本当に何でもありです。
ゲームとして面白いかと聞かれると微妙な面もありますし、特に整合性の取れた一貫したストーリーを求める人には相性が悪いでしょう。
しかし、ぉいぉいこれ次どうなるんだって続けたくなる、独特の妙な味わいはありましたし、それなりに楽しめたように思います。

そういうわけで総合では佳作としておきますが、作品の出来不出来とは関係無しに、脳みそピクピクを筆頭にとても印象深い作品ではありましたね。
何より、これでユーザーにお金を払ってもらおうと考えた、その神経の太さに乾杯したいくらいです。

ランク:C(佳作)

PC-9801 3.5インチソフト 蘭丸LAM-MAL

Last Updated on 2024-05-15 by katan

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