『なないろリンカネーション』は2014年にWIN用として、シルキーズプラスから発売されました。
エルフ・シルキーズから独立しての第1作目ということだったのですが・・・
<概要>
ジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・大学三年生の夏。
加賀見 真は亡くなった祖父から譲り受けた家に移り住み、かねてからの念願だった一人暮らしを始める――はずだった。
祖父の家にやってきた真を出迎えたのは、座敷わらしの少女と自らを鬼と称する女性。
彼女らは鏡に映らず、自分以外の人間の目には映らない不可思議な存在だった。
真は知る。自身が『霊視』という特別な力を持つことと、祖父から受け継いだのは土地と家だけではなかったことを。
鬼を従え、町に彷徨う霊魂を現世から解き放ち、常世へと送ること。
それが代々受け継がれ、祖父から託された加賀見家の『お役目』であった。
あまりに突然すぎて理解が追いつかない真であったが、実際にお役目を果たしていくことで少しずつ加賀見家当主としての自覚が芽生えていく。
そしてこの小さな町の平和を揺るがす、とある事件に巻き込まれていくのであった…。
<感想>
まず良い点から挙げますと、テキストが楽しいです。
個性的で魅力的なキャラも多いですし、涙あり笑いありのホームコメディADVと称するだけあり、涙・・・はともかくとして、シリアスありコメディあり、ちょいグロありと変化にも富んでいますしね。
それでいて最近のフルプライスゲーに多いような極端な水増しもないので、飽きることなく、もっと読みたいと思えるうちに終わるみたいな感じです。
そういう意味では、今風のエロゲというよりも、ちょっと前のエロゲって感じでもあったのかな・・・
まぁとりあえず部分的には面白いのだけれど、問題点も少なからずありまして。
まずストーリーですね。
本作は主人公が鬼を従えて事件を解決することになるのだけれど、推理物って仲間を増やしつつ幾つかの事件を解決する作品って多いですよね。
本作は、その幾つかの事件の最初の事件をクリアしたら終わりみたいな、それこそ俺たちの戦いはこれからだ的な雰囲気の作品でして。
えっ?もうここで終わるの?みたいな。
もちろん一つの事件は終わっているのだけれど、全体の流れとしては起承転結の起で終わったみたいな印象なのです。
本作はフルプライス作品にしてはボリュームも少ないのだけれど、それでもそれなりの分量はありますし、私なんかは最近は低価格商品の方がストーリーで満足できる物が多いですから、本作に対する満足度の低さは単純なボリュームだけの問題ではなく、この尻切れトンボ感の方が大きいのでしょうね。
それと、同人ゲーなんかだと、大きなストーリーの中の1つの章だけプレイって作品も多々あります。
そういう作品は全体のストーリーは未完なのだけれど、個々の事件は解決となるわけです。
そういう作品で満足度が高くなる場合というのは、当然扱った個々の事件・ストーリーへの満足度が高いということであり、その視点は本作にも妥当しうるはずです。
つまり、まだ続きそうな作品であったとしても、本作で扱った話が面白ければ、それで満足できるということですね。
ただ、本作は女性キャラの中でも印象の薄いヒロインが中心になっていて、まぁぶっちゃけ琴莉ゲーなんだけれど、その琴莉に魅力を感じないから、ストーリーそのものへの満足度も伴ってこないのです。
加えて、本作は上記のように琴莉に焦点が当たっていますので、鬼とか本作の設定の中核部分に深く切り込んでいません。
そのため、妖怪ものとしての掘り下げが薄いのはもちろんのこと、本作ならではという部分の掘り下げがないので、ストーリーへの評価は低くならざるをえないのかなと。
また本作は一応個別EDもあるのですが、実質的に一本道なわけでして。
極端に琴莉に偏った作品ですので、好きなヒロインを選ぶというキャラゲー的楽しみ方もできません。
加えて、共通部分が多い上に個別EDの価値が乏しいことから、2周目以降の満足度は更に下がります。
グラフィックも、本作だけで考えれば大きな問題もないので、心情的な参考の話となるのですけどね。
仮に旧エルフ(シルキーズ)のままだったら、可愛いヒロインのアニメーションでHが楽しめたわけですよね。
本作には変態なオッサンのM字開脚が出てくるけれど、それを見ながら、自分が求めていたのは少なくともこれではないよなと。
エルフの武器であった高品質のAEアニメを捨てて作りたかったのが、オッサンのM字開脚や少女の生首なのだろうかと疑問に思ってしまいます。
<評価>
部分的には楽しいけれど、ストーリーゲーとしても、キャラゲーとしても、抜きゲーとしても中途半端な構造であり、少ししたら内容をすっかり忘れてしまいそうでして。
別に悪い作品でもないのだけれど、やらなくても同じだったような、印象が薄い作品ということで、総合でも凡作としておきます。
そもそもデビュー作からして分割商法になりかねないですからね。
独立してまで一体何が作りたかったのか、やむをえない事情があったにしても、新ブランドでどういう方向性にしたいのかが見えてこないわけでして。
何とも中途半端でぼやけた作品であるだけでなく、何よりこういうのを処女作にしようとする感覚が理解できないんですよね。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-10-15 by katan




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