『ミコとアケミのジャングルアドベンチャー』は、1984年にPC88用としてシステムソフトから発売されました。
コマンド選択式の雛形のようなシステムに、瞬間で表示されるグラフィックのインパクトと、見どころの多い作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはコマンド入力式ADVになります。
あらすじとしては、ミコとアケミは、アフリカ旅行に向かう途中に飛行機事故に遭ってしまったことから、ジャングルに取り残されてしまいます。
そこで、彼女らをジャングルから脱出させるというものになります。
<感想>
本作に関しては、ゲームとして見どころの多い作品だったと思います。
まず、ゲームのシステムは基本的にはコマンド入力式になると思います。
ただ、少し特殊なのが、画面におよそ入力しうる単語が網羅されていたのです。
それを選んで進めることもできることから、見方によっては元祖コマンド選択式と言えるのかもしれません。
しかし、その数が膨大なため、後のコマンド選択式のADVが持つ手軽さという特徴が全くありません。
そのため、私としては、本作をコマンド選択式に分類するのには違和感がありますね。
やっぱり、『オホーツクに消ゆ』くらいに洗練させないと、ゲームシステムとまでは言えないように思います。
とはいえ、元祖コマンド選択式とまでは言えないとしても、従来のコマンド入力式にプラスアルファがなされていることもまた事実であり、プレイヤーにインパクトを与えたことも言うまでもありません。
そして本作の場合、実は最大の魅力はそこにあるのではありません。
というのも、当時のゲームのグラフィックは、今のように瞬間的に表示されるのではなく、指示を与えてからディスプレイ上でいちいち描いてたんですね。
もちろん、描画の速度も様々ではありますが、いずれにしろ描きあがるまでこっちは待ってなければならないわけです。
今風に言えばロード時間を待つようなものですが、今のロード待ち時間より、もっと待たされていました。
これでは快適には楽しめませんよね。
そんな中で発売されたのが本作だったわけでして。
そして何と、本作は、一瞬でグラフィックが表示されるのです。
今では当然過ぎる話ですけどね、実はこのゲームが元祖だったわけですよ。
これはね、感動的でしたね。
経験しないと、その良さが伝わりにくいかもしれませんが、ロード時間の長い作品をプレイした後にシームレスな作品をやると、凄く快適で作品にはまっていけると思います。
そういう快適さを初めて経験した時を想像すると、何となくイメージできるのではないでしょうか。
<評価>
総合でも名作と言えるでしょう。
個人的にはキャラが好みってのもありますが、一般的にはグラフィックとシステムの面で、とてもインパクトのあった作品ですし、今でも資料的価値の大きい作品といえるのではないでしょうか。
ランク:AA-(名作)
Last Updated on 2024-06-15 by katan
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