『マンホール』のオリジナルは1988年にMAC用として発売されました。
なお、日本語版は1990年にFM-TOWNS用として、サン電子から発売されました。
また、91年にはPC-E版も発売されています。
オリジナルのMAC版は白黒だったようですが、TOWNS版やPC-E版はカラー表示でした。
<概要>
当時、世界中で最も売れたADVであった『MYST』。
そのMYSTは、ハイパーカードで制作されました。
この点につき、『MYST』の所でも名前だけは挙げたんですけどね。
まずはハイパーテキストとハイパーカードの説明から。
とは言え、自分は専門でもなんでもなく、かなり適当な面があるので、細かく知りたい人は各自後で調べるようお願いします。
さて、ハイパーテキストってのは、テキスト中に埋め込まれたリンクをたどることで、関連した情報を次々と表示させていく仕組みの文書のことなんです。
つまり、今でいうWEBのようなものだと。
これに対し、ハイパーカードってのは、ハイパーテキストを実現した最初の商用ソフトウェアなんです。
そしてこのハイパーカードがMACに付属されており、『MYST』はハイパーカードで制作されたというわけですね。
もっとも、制作したCyanがハイパーカードを用いたのは、『MYST』が初めてではないのです。
世界規模でブレイクしたのが『MYST』からなだけであって、その前にもゲームを2本作ってるんですよね。
その最初に制作された作品が、この『マンホール』なわけです。
余談だけど、今後ゲーム作る人は題名は考えて付けた方が良いですね。
『マンホール』なんて検索しても、あの道端のマンホールしか出てこないですから。
<ゲームデザイン>
『マンホール』をプレイした人は少ないでしょう。
でも、『マンホール』の面白さが何かは、ここを訪れた人はほぼ全員既に分かっている気がしますね。
冒頭でハイパーテキスト・ハイパーカードは、WEBのようなものだと書きました。
初めてインターネットに触れたとき、皆凄く面白く感じませんでしたか?
あちこちクリックすると、次々に違うページに進み、違う情報が入ってくる。
自分は凄く楽しかった記憶があります。
その感覚なんですよね。
『マンホール』は画面上に描かれたオブジェクトを、マウスでひたすらクリックするだけのゲームです。
そして画面をクリックすると次の画面になるので、それを楽しむゲームなんですよ。
今でこそ当たり前に感じるけど、この感覚は当時はとても斬新だったと思います。
今で例えるなら、タッチパネルのゲームですかね。
iphoneとかのタッチパネルを初めて操作したとき、ほとんどの人は新鮮な感覚で楽しめたと思うのですよ。
オリジナルの出た88年、日本語版が出た90年にしてもそうですが、PCを持っている人自体が非常に少なく、仮にPCを持っていたとしても、マウスを使用した経験のある人は、更に限られていたのです。
何せ、91年頃のコマンド選択式ADVなんかでも、フルマウス操作が可能ってのは作品のウリとされたりもしましたからね。
そんな時代にあって、マウス操作前提で、なおかつマウスを使って遊ぶことの楽しさ・意義を示した本作は、非常にインパクトがあったということなのです。
なお、ハイパーカードで作られたって点では、後の『MYST』と同じです。
そのため『MYST』の原型っぽくもあるけれど、そのゲームの持つ面白さのベクトルは『MYST』とは異なります。
確かにどっちもマウスで画面をクリックする点では同じで、基本的な操作方法は同じです。
しかし、『MYST』はクリックできる数が少なく、その代わりにクリックできる場所でいろんなことが出来、実際には多くのパズルを解くことになりました。
これに対し『マンホール』は、一箇所で出来ることはクリックだけです。
難しいパズルとかは無縁です。
そのかわり、クリックできる箇所がたくさんあるんですよ。
そのため本作は、いわゆるMYST系ADVとも異なるのです。
面白さのベクトルが違うから、『マンホール』を期待して『MYST』をやったり、逆に『MYST』を期待して『マンホール』をやると、もしかしたら違和感を覚えるかもしれませんので、そこだけは注意すべきでしょう。
ガンダムネタが分る人ならば、例えば本作がエルメスならば、MYSTはキュベレイとなるでしょうか。
キュベレイはエルメスの後継機なのだけれど、MAのエルメスとMSのキュベレイとでは運用方法が異なるでしょって感じで。
<感想>
シナリオはあってないようなもので・・・っていうか、そもそもクリアを目指すという作品ではないですからね。
あちこちクリックして反応を楽しみつつ、基本的には絵や音を通じて世界観を堪能する作品です。
その点では後のMYST系と通じるものがありますね。
その『マンホール』の世界観は、個性的でとても良かったのも確かなんだけど、
動物とか一杯出てきて、ちょっと子供向けなんですよ。
そういう意味では、個人的に少し物足りなかったかな。
まぁ、私が単純にダークな感じの作品の方が好きなだけであり、本作は元祖癒し系って感じではあるので、逆にそういうのを求める人には良いと思いますけどね。
<評価>
総合でも文句なしに名作といえるでしょう。
どちらかと言うとMYSTの前史的存在としての資料的価値に目が行きがちで、その方面で語られることも多いのだけれど、世界一売れた後継作があると、どうしてもそういう紹介の仕方が増えてしまうのでしょう。
しかし本作にはMYSTにはない魅力もありますし、また斬新な構造を有していたわけで、一本の作品として非常に優れたソフトだったと思いますね。
ランク:AA-(傑作)
Last Updated on 2025-02-10 by katan



コメント
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ご無沙汰しておりました
コメント感謝です!
更新するかも…と記事を1年半ぶりに書いたので
もう誰も見ないかと思ってました(泣)
さっそく幾つか復帰予告の記事にコメントもいただき
少々感動しております
ちょっとづつですが更新していきますね
それはそうとkatanさんのブログの雰囲気かわりましたね
とても見やすい、笑
このマンホール、マックユーザーでしたから知ってはいますが
プレイしたことはないですね
子供向けの紙芝居みたいなものかと思っていました、笑
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もう記事を書かないのかな~って心配していたので、復活してもらうと嬉しいです。
まぁいろいろありますからね。私も毎日更新するのはあと数ヶ月だけですし。
ブログは紆余曲折がありまして、もう少し落ち着いたら、改めて挨拶に伺います。
マンホールは子供の教育用も兼ねているので、大人は敬遠しがちですよね。
次のコズミックオズモも確かそんな感じだったかな・・・
こういう子供向けのようなゲームは、昔だとかえって抵抗が生まれてしまうので、今の方が素直に捉えられるように思いますね。