『AMBER 知られざる世界』は1997年にWIN用として発売されました。
オリジナルは1996年に発売された『AMBER: Journeys Beyond 』で、本作はその日本語版となります。
<感想>
世界規模で大ヒットした『MYST』が発売されたのが1993年。
日本語版は1994年でしたね。
以後、1998年頃までは、多くのMYST系ADVが発売されました。
数が急激に増えると、当然ながら玉石混交といった様相を呈します。
面白いゲームも一杯ありましたが、単なる観光パズルも一杯ありましたしね。
こうなってくると、例え面白いゲームがあっても、全部を発見することは難しくなってきます。
それでも外見で目立つ作品は容易に発見できるのですが、いわゆる地味な名作タイプは、そのジャンルの乱造時期に発売されてしまうと埋没しちゃうんですよね。
そして、本作もまたそんな1本だったかと思います。
本作は日本語版も発売されていまして、私も日本語版をプレイしました。
ただ、日本語版の発売された97年は、海外のADVも一杯翻訳されていました。
そんな状況でしたので、地味な作品は目立たないのです。
『RIVEN』とか『アトランティス』とかが派手に宣伝されている中で、本作のパッケージは実に地味でした。
あえてこれを選ぼうって人は中々出てこないでしょう。
ゲームの中身的にも一目で分かる画期的な要素はなく、プレイを始めてもしばらくは地味な印象が強いですしね。
ここがウリですって、バンと言い切るのが難しいのですよ。
そういうこともあってか、国内ではとことんマイナーな存在でした。
いや、国内だけではありませんね。
当時の海外のレビューサイトでも、平凡な点数の所が多かったように記憶しています。
つまり、たくさんあるMYST系ADVの1本に過ぎなかったんですよね。
ところが、何年も経ってみると、これが妙に記憶に残っているのです。
怖くてもの悲しくて寂しい雰囲気は独特で、いわゆる「空気感」が何とも絶妙なのですよ。
そういう風に感じた人が他にも多かったんですかね、本作に関しては、発売時よりも後の評価の方が圧倒的に高い気がします。
えぇ~っと、ここら辺は誤解を招きかねないので補足しますと、本作は97年には各所でなみいる強豪を抑えてADVの賞を多数受賞しています。
そして現在では、この手のADVの中では、最高ランクの評価を勝ち得ています。
まぁ、97年はMYST系ADVの最盛期ですからね。
その年の中で評価されたってことは、ジャンルを通じても当然高い評価になるってものですよね。
そのため、97年末には各所で高く評価されていたのでしょうが、私はそれを知らなかったんですね。
そして私の初プレイ時の印象と、本作の初期に出回った海外の評価や、参照していたサイトの評価が似ていたということなのです。
地味な作品なので当初は普通の良作程度に感じていたのですが、高評価を聞くにつれ妙に気になりだしたわけでして。
そうなると、そういやあの雰囲気は他では得られないよなって思っちゃうんですよね。
それで、一旦手放したのを買いなおして、再度やってみたらこれは凄いなと思いなおしたってわけです。
ノベル系ADVなんかでもよく当てはまりますが、ADVは慌ててプレイしたら駄目ですね。
数をこなそうとしてあせってやっていると、こういう類の作品では魅力を見落としてしまいかねませんから。
もう一度あの雰囲気を味わってみたいですね~
時間の関係上難しいですが、今一番再プレイしてみたいゲームはこれなのかもしれませんね。
さて、もう少し具体的に見てみますと、ゲームジャンルは一言で表現すればMYST系のADVになります。
ただ、移動には融通が利いたので、MYSTとRealMYSTの中間的なシステムだったかなと記憶しています。
今で例えるならFPSの操作感が近いのですが、当時は3DのADVが発展していない時期でもありましたので、そういう点では、ちょっと特殊だったかもしれませんね。
MYST系のADVにはファンタジー物が多いのですが、本作は端的に言えばホラー系でかつ館物になります。
無人の館内を探索する内に、悲しい真実が分っていくと。
館の内部が舞台ということでは、『夢見館の物語』が近いかも。
おそらくその類の作品が好きな人ならば、本作もきっと気に入るのではないかと思います。
CGは綺麗で、雰囲気は抜群によく出来ていたのですが、画面は切り替え式です。
96年の制作ならそれも普通なのですが、日本語版は97年の発売で、その頃にはパノラマ映像のADVが出始めていました。
私は3Dタイプに価値を見いだせずパノラマ画面を好んでいたこともあり、本作の良さが分らずにパノラマでないことのマイナス面にばかり、目が行っていたように思います。
それと新しい作品と比較するのは愚の骨頂なのですが、元が海外の作品からの移植という事もあって、私は本作が96年の作品であることに気付くのが遅くなってしまいました。
それで最初は地味に感じたんですね。
この点はいまだに反省しています。
このストーリー・世界観とCGの魅力が相まって、非常に素晴らしい雰囲気の作品が生まれたわけです。
本作を評価する人はこの点を高く評価しているのでしょう。
MYST系ADVの多くがゲーム部分で大差ないと考えられるので、本作がMYST系のADVの中でも非常に高く評価されている理由も、それで納得できるかと思います。
<評価>
総合でも名作といえるでしょう。
ただ、ゲーム部分が他と大差がない、画期的な新要素もない、加えてゲームのボリュームも少なめであるとなるとね、名作だとは思ってもそれ程高得点はあげられないかなって思うわけでして。
そのため私の評価は、近年の再評価による海外での異常なまでの高得点と比べると、若干辛めなのかもしれませんね。
まぁ、古い作品ですし絶対やるべきとは言いませんが、たぶんこういうのをプレイしたり調べていると、本作の名前に出くわすこともあるかと思います。
情報収集に偏りがなければ、絶対に辿り着く作品のはずですから。
それだけに、そんな作品が日本語版でも出ていたことだけは、知っておいてもらいたい気もしますね。
ランク:A-(名作)

Last Updated on 2024-12-07 by katan


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