椿色のプリジオーネ

2001

『椿色のプリジオーネ』は2001年にWIN用として、ミンクから発売されました。

展開により犯人も代わるミステリーであることから、注目した作品でしたね。

<概要>

ジャンルは基本的にノベル系のADVになります。
完全な読み物ではなく、移動場所を選択するタイプですね。

商品紹介・・・
世界的大企業の会長が急逝し、その息子(主人公)が日本に呼び戻されることになった。
執事、妖艶な美人秘書、4人のメイドとともに屋敷で生活するが、やがて殺人事件が起こる。
主人公は、スキャンダルを避けるため事件を隠蔽し、自ら真相を解明していく。

<感想>

ミンクの作品は、たまに自分内でかなりヒットすることがあります。
客観的な観点から名作だと評した作品は少ないのですが、主観的にはすげぇ好きみたいなのが意外と多いってことですね。
加えて2000年前後の作品はグラフィックや雰囲気が非常に良かったので、ついつい期待して買ってしまうのです。
雑誌とかの紹介を読んでいる限りでは非常に面白そうに見えるのですが、どうも『夜勤病棟』より後の作品に関しては、結果的には見掛け倒しに終わった作品が多かったです。

さて、本作は展開によって犯人が代わるというのが特徴になります。
この段階でもう、個々人の好みによって意見は分かれうるのでしょう。
推理ゲーってさ、一回クリアしたら終わりじゃん、もっと繰り返し遊べるような作品がやりたいよって考えるならば、本作はオススメです。
プレイする度に犯人が変わってきますので、何度も楽しめますから。

逆に、事件の核であるとかストーリー性を重視しますって場合だと、本作はあまり楽しめないのかもしれません。
各シナリオにおいてそれぞれの思惑で動くキャラに、シナリオによって違う側面を見せることなど、読んでいて楽しめるのも確かなのですが、核となる重要な部分がシナリオによって変わってきますので、どうしてもそこに気持ち悪さを感じてしまうこともあるでしょうから。
この辺はもう、本当に好みの問題なので、未プレイで検討中の人は、まず自分がどっちのタイプに共感するのかを考えるべきなのでしょうね。

仮に前者の場合には楽しめる確率は高まるのだけれど、他にも問題はありまして。
推理ゲーだと他のADV以上にプレイヤーが関与したくなるものですが、本作がノベルゲーであることも影響してか、主人公が自分で話を進めてしまいますので、あまり自分が解決したという気にはなれません。
また、ノベルゲーならノベルゲーとしての利点もあるはずですが、本作の場合はマップ上からの移動の煩わしさなどは残っています。
つまりコマンド選択式からの問題点を継承しつつ、ノベルゲーの悪い部分も表れているわけで、悪いとこどりなんですね。
各システムの良いとこどりなら面白くなったのでしょうが、逆だったものだから、面白さが少し損なわれてしまったのだと思います。

それと、ここはあればプラスアルファという話になるのですが。
ミンクって、エロの濃いゲームも幾つも作っていますからね、エロいゲームも期待したくなるのですよ。
本格推理ゲーだとエロ薄の作品も多いだけに、シナリオでも楽しめてゲームとしても楽しめて、なおかつエロい作品だったならば、それだけで価値は大きく増していたのでしょう。
当時のミンクの力であるならば、それをやれる力が十分あっただけに、余計にも本作のエロの薄さは残念でした。

<評価>

まぁグラフィック自体は好みでしたし、雰囲気は良かったのでね、不満もあったものの一応は満足できたのかなと。
だから毎回、騙された~と思いつつもまた買ってしまうのでしょうし、本作もそうした他のミンク作品と一緒だったということですね。

当時はまだ贅沢言えるだけの状況でもあり、それで少し辛く見てしまうのだけれど、最近は本当にミステリーものが減ってしまいましたので、こういう作品でも良いからもっとプレイしたいものですね。

ランク:C-(佳作)

椿色のプリジオーネ

Last Updated on 2025-02-24 by katan

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