『エスピオネージェンツ(ESPION-AGE-NTS)』は1999年にDC用として、NECホームエレクトロニクスから発売されました。
ザッピングを駆使する3DのADVであり、中毒性の高い作品でしたね。
<感想>
本作の説明の前にまず、少しだけ『東京トワイライトバスターズ』(東京TB)の話をします。
東京TBは複数のキャラを直接移動させるADVだったのですが、4人のパーティを分割させることができたんですね。
しかも、それが攻略に密接にかかわっていたんです。
例えば、ある扉を通るには別の場所でボタンを押す必要がある場合、一方をボタン押し係に回し、他方で開いた扉をくぐるわけです。
プレイヤーはそれぞれのキャラを切り替えながら操作するわけで、マルチサイト的要素のない純粋なザッピングゲームであり、またザッピングをゲーム性に上手く活かしたゲームだったんです。
これは良くできているなと私は高く評価したわけですが、良いシステムはもっとやってみたいと思うのが人というものです。
でも、中々そういうゲームが出てこなくて寂しかったところ、そこに現れた待望のゲームがこの『エスピオネージェンツ』だったのです。
さて、本作はミッション制のゲームでして、各ミッションの目的を果たすことでゲームが進行します。
ミッションは、どこどこに潜入し何々を盗ってくるといったものなのですが、プレイヤー自身が潜入するわけではありません。
プレイヤーは特殊能力を持った組織のボスで、潜入した4人の手下に次々に指示を与えていくのです。
具体的には、画面に大きめのメインモニターと、それ以外の他の3つのモニターが表示されます。
プレイヤーが指示できるのはメインモニターに映るキャラだけですので、他のキャラに指示する場合はメインを切り替える必要があり、つまりはザッピングをするわけですね。
すなわち、東京TBにあったザッピング要素を特化させたゲームが、エスピオネージェンツということになります。
細かく説明するとややこしくなりそうですが、感覚的にはリアルタイムのパズルゲームみたいなものでしょうか。
したがって、本作は、第一にはそういうゲームが好きな人向けと言えるのでしょう。
そして特化させただけあって難易度もやり応えも十分でした。
これだよ、これ、こういうのを待ってたんだよな~って思ったわけで、非常に中毒性の高い作品でしたね。
<評価>
このシステム部分に関してはナンバーワンなわけで、他にもサウンドも良かったですし、十分に名作と呼べる作品だと思います。
ただ、特化ゲーであるが故に決して全ての面で完璧なゲームというものではなく、弱さも随所に備えたゲームでもあったんですよね。
DCのわりに見た目が弱いというのもありますが、こういうゲームだけに操作性の悪さが少し痛かったのかなと。
そういうわけで名作だけど、それ程点は伸びないってパターンでしょうね。
地味だけど名作とか、隠れた名作という呼び方が実に相応しいゲームで、欠点もあるけど個人的には好きなんだよな~って言われやすい作品でした。
発売から10年以上経ちましたが、このゲームの個性は全く翳らないわけで、DCを持っているなら絶対やるべき作品の1つと言えるのではないでしょうか。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2025-01-06 by katan
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