ライブ・ア・ライブ

1994

『ライブ・ア・ライブ』は1994年にSFC用として、スクウェアから発売されました。

7つのストーリーからなるオムニバス形式のRPGになります。

<感想>

SFC時代はRPGがとても人気で、その中でもスクウェアのRPGはとても人気がありました。
今のスクエニは嫌いでも、SFC時代は良かったって言う人も結構いますしね。
そのスクウェアが小学館と組んで、小学館全面バックアップの下、1本のRPGを作りました。
ちなみに、もともとは小学館のコロコロコミックの企画で、小林よしのり氏が原始人風のイラストを描き、そのイラストを基にゲームを作ってくれる会社を募集し、それにスクウェアが応じたのが始まりだったみたいですけどね。

経緯は何であれ、当時のスクエニ&小学館でSFCのRPGならば、大ヒットかつ高評価間違いなしのようにも思えます。
しかし、現実には売り上げは低調で、評価も賛否両論だったわけでして。
そこら辺にゲームの難しさがあるように思います。

さて、本作は7つのストーリーからなるオムニバスRPGでした(+2つなので、正確には9つか)。
キャラデザも最終的には7人の人気漫画家が担当したので、各シナリオにつき別の原画ということになるわけですね。

もちろん、単に絵柄が変わるだけでなく、原始時代から近未来までの様々な設定や、ロボアニメのパロディ風から悪が主役の逆転ものなど、ストーリーの幅も様々でしたし、全てのストーリーを束ねる構造も素晴らしかったです。

ほとんど戦闘のないストーリー重視のものもあれば、同一シナリオ内でもどう行動するのか結構自由度の高いものもありました。

戦闘はタクティカルコンバット風で、説明しだすと長くなるので割愛しますが、これまた一風変わったものでした。

かなり短くまとめてしまいましたが、それでも個性的なのは伝わるかと思います。
この個性を評価し、好きだという人は少なからずいて、今でも結構根強い人気があるように思います。
いや、当初からの人気が持続というより、そういう人らにより再評価され、後に高評価を勝ち得たってところでしょうか。

というのも、上記ように売上はスクウェアにしては不振でしたし、実際に遊んだ人の評価も当時は悪かったと思います。
私の周りでも評判が悪く、SFC作品は後回し気味だった私は、迂闊にも鵜呑みにしてプレイがかなり後になっちゃいましたから。

何故評価がわれたというか、当時は悪かったのかというと、それはシステム的にとっつき辛い面がある上に、当時の平均的なRPG像からずれていたからだと思います。

システムはそれ程ややこしいとも思わないのですが、いろいろと普通のRPGと異なっていましたし、とっつき辛い面は否定できなかったでしょう。
もちろん、気にせず理解して楽しめた人もいるのですが、そうでなくわけが分からんと匙を投げる人も多かったのでしょうね。

また、従来のRPGにとって当り前であったお金の概念もありませんでした。
RPGとは敵を倒しお金を貯める、そして貯まったお金で強化すると考える人には、このゲームは合わなかったかと思います。
もっとも、店やお金がないというだけで、アイテムはイベントや戦利品として手に入ります。
単に入手経路が異なるだけだろとも思えますが、従来のRPGの枠内で考える人ほど抵抗が大きかったようです。

他には、様々なストーリーがあることは、人によっては大きなプラスにもなるのでしょう。
しかし、これまた従来のRPGの枠にはまりきった人、即ちRPGは中世風でなければ抵抗がある人には、
どうしても合わなかったと思います。
加えて、オムニバス形式で1つ1つのシナリオも短かったですからね、長編ストーリーを好む層にも合わなかったでしょう。

つまりは、自分の好きなゲームやこれまでにプレイした作品により、こういうゲームはこうあるべしと決め付ける、或いはこれがあって当たり前みたいに枠にはまる人ほど、この作品は楽しめなかったのでしょう。
逆に、他にはない個性に価値を見出せた少数の人には受け入れられたと。

余談ですが、こういう構造って実は昔も今もずっとあるんですよね。
最近もそういうゲームがあったのですが、それも難易度が高い上に、これまでの枠に捉われた人は楽しめず、新規の部分に興味を持てた人は結構楽しめるって感じでした。
ここを何度か訪れた上でこれを読んでる人は分かってくれると思いますが、私は発売時の基準で評価するので、今遊んでどうかって考える人より昔のゲームに対する評価が高いです。
でも、だからと言って単に懐古というつもりでもなく、一貫して新鮮さや個性のあるものを評価してきたつもりです。
つまり新鮮さや個性があれば古いのも新しいのも評価するし、逆に完成度が高くてもそれらが全くなければ評価しません。
それを理解してもらえない人が極稀にいて、レトロが多いから楽しんで読んでれば新しい作品を褒めるとは何事だとか、逆に新しくて完成度は高いけど新鮮味のないゲームに低評価をすると、懐古だと決め付けて怒り出す人がいるんですよね。

まぁ、私の足らない点もあるでしょうからその辺は仕方ないのですが、一番言いたいのは、いつの時代も既存の物の発展形で良いと完成度だけを求める人もいれば、完成度はあるにこしたことはないけれど、それよりもこんなゲームがあるのかと新鮮さを求める人もいるってことです。

<評価>

本作もまた新参とか懐古とかそういう次元のレベルではなく、既存の発展形を望む人には合わず、何かしらの新鮮さを求める人には支持されたということなのでしょう。
私は後者の立場に立ちますので、基本的には本作に対する印象は良いですし、良作だと思っています。
主観的にはかなり好きな部類でしょうしね。
ただ、一番の長所になりうる、複数原画によるグラフィック。
できればPCEとかメガCDとか、そういう絵や動画に長けたハードでやってもらいたかったわけで。
1年遅くても良いからPS等で実現できていれば最高だったんですけどね。
SFCでは魅力が存分に出し切れなかったことから、名作とまでは思えなかったって感じです。
違うハードだったら名作評価もありえただけに、その辺は個人的にちょっと勿体無かったですかね。

ランク:B(良作)
ライブ ア ライブ

Last Updated on 2024-09-30 by katan

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