リップスティックアドベンチャー3

1993

『リップスティックアドベンチャー3』は1993年にPC98用として、フェアリーテールから発売されました。

シリーズ3作目で、今作では音美がまた女子高生に戻っていました。
五郎と音美のコンビは、相変わらず見ていて楽しかったですね。

<概要>

リップスティックアドベンチャーシリーズの第3作目になります。
シリーズものであり、主要な登場キャラも共通するのですが、ストーリー自体は独立しています。
したがって、本作からのプレイでも問題ないでしょう。

このシリーズは、主人公であり探偵でもある五郎が事件を解決するという、いわゆる推理ものになります。
また、ゲームジャンルとしては、コマンド選択式のADVでした。

もっとも、シリアス一辺倒の作品ではなく、助手である押しかけ女房的な存在の音美との掛け合いや、ユニークなキャラたちとの会話を楽しむことが中心となります。

1作目の頃の音美は、女子高生でした。
2作目になると、女子大生になり、押しかけ女房の様な存在になっていました。
本作では、元の女子高生に戻っていますので、やっぱり音美は女子高生に限るだろってことなのでしょうか。
いずれにしろ、時系列では本作は1の半年後であり、1と2の間の話になります。
女子校生の状態で押しかけ女房間だけ増すとか、1と2の良いとこどりですよね。

あらすじとしては、音美は高校で探偵部に所属していまして、その探偵部先代部長の結婚式に五郎と音美が出席します。
音美はブーケを受け取り事務所に飾るのですが、恒例の痴話ケンカによって活けた花瓶ごとブーケを落としてしまいます。
するとブーケの中からマイクロフィルムが見つかり、現像してみると8枚の写真が出てきます。
8枚の中には音美の映った写真もあり、好奇心旺盛な音美は、他に映っている少女らと撮影者を探し出すべく捜索を開始。
先代部長の旦那が殺されたり、次第に展開の規模も大きくなり、最後には大掛かりな組織へとつながっていきます。

物語は五郎視点での捜索と音美視点での捜索があり、つまりはマルチサイトと言えます。

<感想>

1作目の『リップスティックアドベンチャー』は、アダルトゲーム史に残る傑作でした。
ただ、正直なところ、1や2の頃って、キャラデザはあまり好みじゃなかったんですよね。

その点、本作は、技術の進歩が大きく、画質面でもキャラデザ面でも非常に大満足でした。

特に音美が可愛くってね、モロに好みです。
こういう押しかけ女房的ヒロインには、当時、本気で憧れましたしね~

少しずれますが、時々ふと考えるんですよね。
アリスの『only you』は、ヒロインがあの超有名恋愛SLGのヒロインに似てるとかで、通販専用になったという噂があります。
でも、そういうこと言い出したら、その恋愛SLGのヒロインも、外見は音美にそっくりじゃんよってね。
まぁ、何にせよ、私がこの手の顔が好きという点に変わりはないですけどねw

さて、キャラ・グラフィックはモロに好みだったのですが、残念なことに本作は18禁ではなく、一般作でした。
時々、アイデス系(後のF&C)は何を考えているのか分からなくなります。
せっかく可愛いのに、何故に18禁にしないのか。
馬鹿としか思えませんよ・・・

いや、嘘です、ごめんないさい、本当はね、理念としては分かるんですけどね。
沙織事件にソフ倫発足とかあって、エロではなく美少女を描いているのだというブランド側の反論の声も上がる中、特にリップスティックアドベンチャーなんてのは、音美という相棒の存在価値が大きな意義を有していたわけです。
そのアダルトゲーム史におけるヒロインの立ち位置、その中でLSAが果たしてきた役割、当時の情勢等をふまえると、アダルトゲームでなく一般作で発売されて然るべきなのでしょう。
むしろアダルトゲームとして発売することの方が違和感を覚えます。
うん、頭ではわかっているのだけど、それでもね、キャラデザが凄く好みになっただけに、理屈抜きにアダルトゲームとして見たかったなという、矛盾した想いが頭の中で渦巻いているのですよ。

まぁ、一応脱いでるシーンもあるし、脱ぐ脱がないに関らず音美は可愛いですからね。
基本的に私は、『リップスティックアドベンチャー3』が凄く好きです。
加えて、百合好きにも美味しいシーンがありますしね。

<評価>

五郎と音美のコンビがとにかく好きなので、仮に主観的に好みか否かだけで判断するならば、本作を名作としていたでしょう。

しかし私の場合、好きだからとの理由で即名作とはしません。
シリーズも3作目となると、当然新鮮さはなくなります。
コマンド選択式の推理ADVというジャンルも、既に相当な数が出ているわけでして。
その中であえて本作を名作として選ぶだけの、積極的な理由がないんですよね。
一応本作はマルチサイトですし、マルチサイトのアダルトゲームも当時はかなり少なかったです。
何せ、マルチサイトで有名になった『DESIRE』は翌94年の発売ですから。
その辺を特徴と理由付けることも可能かもしれませんが、一般もので既にありますし、本作も一般ものになってしまいましたからね。
理由としては、ちょっと弱いのでしょう。
また、キャラや会話がとても面白いのであって、本作の核となるストーリー自体は普通の出来でしたし。
したがって、普通に面白いし楽しめるのだけれど、それは単に私が好きってだけであり、他人に異論を挟ませない程の明確な特徴がないのです。
ましてや、本作の出た93年は意欲的な実験作が多かった年ですから、余計に手堅く纏めた作品は印象が弱くなってしまうのです。

そんなわけで、個人的には好きだし面白かったから満足したのだけれど、そして主観面だけで評価するなら文句なしに名作なのですが、総合的な評価としては良作ってところでしょうかね。

まぁ面倒臭いことを抜きにするならば、とにかく五郎と音美のコンビが好きなのですよ。
キャラデザに関しては本作が一番好きだっただけに、できれば3のキャラデザでもう一作プレイしたかったな~

一応2001年に4が出たのだけれど、その時はライター・原画両方とも変更されていますし、評判も芳しくなかったことから、結局未プレイのままになってしまいました。
何だかもう、別物に見えてしまったものですから。
だから今後新作が出てもプレイするか分らないのだけれど、それでも五郎と音美のコンビにはもう一度会いたいものですね。

ランク:B(良作)


PC-9801 3.5インチソフトリップスティックアドベンチャー3

Last Updated on 2024-09-19 by katan

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